お弁当工場へ
ピーピーピーピーピー♪
ご飯が炊けた〜。
炊き立てのご飯を、しゃもじで……
「あつっ!」
ふと、思い出した!
あの夏の、初めてのバイトのこと。
あれは、高校1年生の夏休み🌻
初めてのバイトは、親戚のおじさんのお弁当工場だった。
工場をしていたのは、母の兄。
母の弟も一緒に働いていた。
小さい頃から、日曜日には何度も遊びに来ていた、馴染みのある工場だった。
日曜日は仕事のおばさんたちもいないので、私にとっては「おじさんのところへ遊びに行く場所」という感じだった。
だから、初めてのバイトだというのに……
なぜ?
社会勉強?
修行?
私は、おじさんの家に遊びに行くくらいの気持ちで、朝、一人で電車に乗って通った。
「おはようございます」
いつもと違って、工場ではたくさんのおばさんたちが仕事をしていた。
でも、何度も来たことのある場所だから、緊張もなし。
しばらく周りを見ていると、一人のおばさんが、
「じゃあ、これやってみる?」
大きなお釜には、炊き立てのご飯。
「このお弁当箱に、ご飯を量って入れていくの」
なるほど〜。
熱そう〜。
と、心の中で思いながら、
「はい」
ご飯をよそって、お弁当箱に慎重に……
「あつっ!」
ガシャーン!⚡️
「あーー!!」
お弁当箱は、床に見事にひっくり返り、ご飯が床に落ちたー!!
あ〜!
やってしまったー!
「すみません」
しばらく沈黙……。
おばさんたちには怒られなかったけど、そこへ助け舟が。
母の弟のおじさんがやってきて、私の名前を呼び、
こっち、こっち。
と、手招きされた。
失敗した私には何も言わず、
「これからイカを捌くから、見とき」
「はい」
お〜👀
イカを捌いているおじさんを、ただ見ていた。
「何がいいかなぁ〜」
私にできそうな仕事を見つけようと、考えてくれている。
おじさんは、まもなく用事でどこかへ。
おじさんが帰ってくるまで、私は工場の中をうろうろと見て回った。
広い工場の中。
あれは、何かな?
大きな水槽のようなものが、いくつも並んでいる。
ステンレス製で、お風呂より大きい。
そこには、ベルトコンベアに乗ったお弁当箱が流れてくる。
なるほど。
食べ終わったお弁当箱が工場に帰ってきて、それをきれいに洗って、消毒、乾燥。
大きな水槽には、お弁当箱がぷかぷか。
きれいになったお弁当箱が、またベルトコンベアに乗って流れていく。
私は、なぜか……
その水槽に、ひじまで腕をつけていた〜。
冷たくて気持ちいい〜。
ビクッ!
そこへ、違うおばさんがやってきた。
仕事の説明をしてくれて、
「やってみる?」
「はい」
ということで、お弁当箱を洗う仕事をすることになった。
夏で暑いので、冷たい水に触れて気持ちいい〜。
この仕事は、なんとかできた。
やがて、お昼になった。
お昼は食堂で、みんなで食べるスタイル。
いろんなおかずが並んでいる。
バイキングみたい〜。
好きなおかずを取って食べる。
パクパク、モグモグ。
お昼の休憩は1時間くらい。
おばさんたちは、自由におしゃべりしたり、休憩したりしている。
私は、ぼっ〜としていた。
ハッ!
ん?
誰もいない休憩室。
寝てしまった!
なぜ?
誰も声をかけてくれなかった?
また、やらかした!
慌てて服を整えて、さっきのお弁当箱を洗う場所まで走っていった。
「気持ちよさそうに寝てたから、起こさなかった」
って。
「すみません」
恥ずかしい!
2回のやらかしをして、無事、1日目のバイトが終了〜。
私が親戚の子だから、みんな多めに見てくれていたんだろう。
バイトは2週間。
バイト代もしっかりもらって、初めてのバイトが終わった〜。
今思えば、社会勉強になっていたんだろうか?
修行?
してない(笑)
とにかく、一人でたくさんのおばさんたちの中で頑張った。
それでいいか。
今となっては、昔のちょっとドジな思い出です。
これが、私の初めての夏のバイトでした。
