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sirasagijyousyu
巴水の月のよう(エッセイ)
日がのびて、日暮れまでの時間が長くなった。晩ごはんを食べ終えてから、敷布団の上に座っていた体をゴロンっと窓がある側へと倒していく。
「肩凝ってる〜〜」
と、ずーーっと付き合っている肩こりが最近枕が合わないせいか少し重くなったかな〜と思いながら、夜風が入ってくる窓を見ると、カーテンから透けて見えたのは、少しぼやけて見える月だった。
今日は月が綺麗だ。
風も吹いているせいか、雲の流れも早く日もくれかけている夜の始めの空は、深い青色で綺麗だ。
そんなカーテン越しに見える夜空と月は川瀬巴水の作品を思い出せた。
川瀬巴水とは、大正、昭和期の浮世絵、版画師。
彼の作品を美術館で見たことがあったのだが、彼の描く夜の町や風景、自然にはとても目を惹かれた。
そんな、川瀬巴水の夜と月と、この日カーテン越しに見ていた夜空と月が重なって見えたのだ。
綺麗で、吸い込まれそうで、けれど、カーテン越しだから正体が掴めない様な感覚になる。
興味をひかれたものが、少しでも自分の中に染まってくれるもんなんだなと思ったりもした。
自分に酔っているかも。
自画自賛。だ。
それでも、思ったのだから仕方ない。
誰にも迷惑はかけていないとは言えないけれど、こんな風に思った私を私自身が肯定しても、バチはあたらないだろう。

実際ははもっと深く、吸い込まれそうに
国立国会図書館
NDLイメージバンクより
