渡せなかったプレゼント
母の日ということで、
ちょっとしたプレゼントを持って帰省した。
もはやこの年齢になると、
結婚したり子どもを産んだりして、
孫の顔をみせたほうがよっぽど親孝行なのだが、
その予定はないので今できる最大限の懺悔のプレゼントなのだ。
そんなわたしには、
母の日が訪れるたびに思い出すことがある。
あれはたしか中学生くらい、絶賛思春期中。
母の日当日、まさかの母と喧嘩をした。
用意していたプレゼントは渡せなかった。
素直に謝ればよかっただけなのに意地を張り、
そのまま見事にタイミングを失い、
喧嘩したまま自分の部屋に戻った。
うわあ謝れなかったとか、
プレゼント渡せなかったなとか、
後悔の念とともに眠ったのだ。
朝起きてようやくやっぱり謝ろうと思え、
謝罪の手紙と一緒にプレゼントをリビングに置いてから登校した。
その日の授業はずっとそわそわして、
ちゃんと受け取ってもらえただろうかとか、
やっぱり直接渡すべきだったよなとか、
昨日とは違う後悔を抱えたのは言うまでもない。
家に帰ると母からの手紙が。
「うれしくて泣きました」的な内容だった。
たぶんこれはそのくらい嬉しかったよの比喩なのだろうけど、今度はこれを読んだわたしが泣きそうになった。
ああ、傷つけてしまったな。
今以上にメディアで取り上げられていた気がする母の日。
あの日も何度も目にしたことだろう。
流れる数々の母の日幸せエピソードとともに、
自分のことを重ねてしまったかもしれない。
悲しかっただろうし、もやもやもしただろう。
1日中嫌な思いをさせてしまったと反省した。
大人になった今でもその出来事は忘れられず、
喧嘩はなるべくしないほうがいいなと薄すぎる教訓を自分に残した。
そんなことを回想しつつ、
いつも通り過ごした1日。
プレゼントは喜んでもらえて無事終了した。
だが母の日が終わるとまたひとつ課題が。
もたもたしていると父の日がやってくる。
プレゼント、どうしよう。
