【失言考】No.65:シャガールに学ぶ、正解をなぞらない「自分を耕す生き方」
失言考とは
人は誰しも、意図せず、あるいは不用意に言葉を滑らせてしまうもの。
特に、公の立場にある人物の発言は、時に大きな波紋を呼び、その後の人生や歴史の流れを変えることもあります。
失言考は、偉人や著名人が残した失言をひとつずつ取り上げ、その背景、当時の状況や影響、そして、その失言からの学びや教訓などを掘り下げていく大人の学びなおしコンテンツです。
本日の失言
私の絵に意味なんてない。
ただの色彩の配置だよ。
"There is no meaning in my paintings. It’s just an arrangement of colors."
この言葉は、20世紀を代表する愛の画家、「マルク・シャガール」のものです。
失言というより、意味深な迷言と言えるかもしれません。
マルク・シャガールのプロフィール

シャガールはフランスを中心に活動し、『空を飛ぶ恋人たち』『浮遊するバイオリン弾き』『巨大な花束』など、幻想的で色彩豊かな独自の作風で世界中を魅了しました。
生没:1887年~1985年
出身地:ヴィテプスク(現ベラルーシ)
主な経歴
エコール・ド・パリの主要メンバー。
パリ・オペラ座の天井画など、数々の大作を遺す。特筆すべき功績
シャガール・ブルーと称される鮮烈な色彩を駆使。
個人の記憶や愛をテーマにした詩的な幻想を追求し、見る者の心に直接訴えかける独自の絵画世界を確立した。
シャガールの作品は、しばしば宗教的背景や深い精神的な象徴として語られます。
しかし本人は、小難しい理論武装よりも、キャンバスの上で色がどう響き合うかという純粋な視覚上の悦びを優先する気質を持っていました。
失言の背景とメッセージの核心
20世紀半ばの芸術界は、作品の背後にある思想や隠されたメッセージを読み解くことが知性の証とされていました。
『青い牛』や『宙に浮く花嫁』を見れば、誰もが評論家気取りで「これは何の暗喩だ?」と、理屈の眼鏡で覗き込もうとしていた時代だったのです。
【失言のエピソード】
評論家たちが彼の絵の意味を執拗に質問した際、シャガールは肩をすくめ、おどけたように言い放ちました。
「意味なんてない。ただの色彩の配置だよ」
【失言の核心にあるもの】
シャガールにとって、絵を描くことは、頭で考える理屈ではなく、キャンバスの上で色がどう響き合うかという調和の追求でした。
「綺麗だから置いた」という言葉の裏には、己の直感を何よりも重んじる、表現者としての清々しさが宿っていますね。
言葉の深掘り
このシャガールの言葉には、「初めに設定した意味」と「後から見つかる意味」という、人生の歩き方における意味深い違いが潜んでいるように感じられます。
まず、「初めに設定した意味」を地図にして進む道。
それは目的地が明確な「設計図」のような人生です。
効率的に進めるメリットがありますが、一方で「あらかじめ決められた正解」をなぞる制約が生じます。
もし、シャガールが「愛」を解説するために描いていたら、その筆致は説明的で、窮屈なものになったでしょう。
「意味」そのものが、彼の感性を壊していたかもしれません。
シャガールが選んだのは「後から見つかる意味」を待つ道でした。
これは、今この瞬間の心地よさを形として残していく生き方です。
「ただ心地よい色彩を置く」ことに集中した結果、完成した絵の中に、自分でも気づかなかった心の深層——つまり「事後的な意味」を発見する。
これは、人生において「想定外の自分」に出会うというサプライスや発見をもたらします。
シンプルに考えてみれば、前者は「正解をなぞる人生」であり、後者は「自分を耕す人生」であると言えるでしょう。
失言が導く教訓
正しさより心地よさを選んでみる
常に意味や生産性を問い詰められる現代において、シャガールの「なんとなく良い」という直感は、最も純粋なエネルギーとなることを教えてくれます。積み重ねが真実の意味を連れてくる
大層な意味を先に用意できなくても、今目の前にあるものを心地よい形に整え続ける。
そうすると、後になって、「ああ、自分はこれがやりたかったんのか」という真実の意味を連れてきてくれるのかもしれません。
私の迷言
正解をなぞるのか、自分を耕すのか。
長い人生、どちらも必要なのだろう。
そして、それを使い分ける術を身に付けるために学ぶのだろう。
私たちは時として、理屈で決めた意味をなぞることに必死になってしまいます。
また、ただ耕すばかりでは食っていけないときもあります。
いずれにせよ、煮詰まったらシャガールの言葉を思い出してみましょう。
「意味なんてない……」
ふっと心が軽くなって、目の前がシャガールの絵のように明るくなりませんか?
本日も素敵な一日をお過ごしください。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
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こちらは、Wikipediaなどのインターネット情報と著者の個人的解釈を組み合わせたコンテンツです。
誤った情報が含まれている可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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