【エッセイ】22年前、通学路
~皆様、通学路の思い出はありますか?~
人それぞれ様々な通学路の思い出があると思います。
家から学校へ向かうまでの道のり。
晴れた日も、雨の日も、風が強い日も、
何度も通る道。
毎日、同じような道でも
少し意識を変えてみれば、新たな発見に気づける不思議な道。
嬉しくてスキップして向かったり、
悔しくて泣きながら帰ったり、
学校に行きたくなくてゆっくり歩いたり、たくさんのことを経験した道。
そんな通学路に関する
私のエピソードを今日、お話したいと思います。
どうか皆様聞いていただけないでしょうか?
私が小学生の頃です。
私の地元はそれなりの田舎町で
みんな遥々離れたところから歩いて学校に向かっては帰ったりとしていました。
私は弟と
シュウくん(1つ上の従兄弟)と
カズマくん(いつも元気な友達)と
同じ班で長い通学路を毎日歩いていました。
通学路には、小川が流れているところがあるのですが
ある日、シュウくんがその小川を指差し
「葉っぱレースをしようぜ!」と
私達に提案してきました。
葉っぱレースとは
それぞれが草むらや木などから
お気に入りの葉っぱを見つけて来て、
その葉っぱをみんなで同時に小川に流し、誰が一番早くゴールに着くか勝負するというものです。
シュウくんは遊びの天才で
いつもつまらない通学路を楽しくしてくれました。
私達はすぐ「いいねいいね!」と
ノリノリで葉っぱレースをすることに同意しました。
「ただレースするだけじゃつまらないから
ビリの人が1位の人のランドセルを持つってのはどうだ?」
とカズマくんが提案してきました。
確かにただレースをするよりも
何かしらの罰ゲームがあったほうが
小学生男子は熱く燃えます。
私達は皆、勝つ気満々でしたので
「やってやろうじゃねぇか!」と
カズマくんの提案に同意しました。
これにより私達の通学路で
【勝てば天国👼負ければ地獄👿
勝利を掴み取れ👊💥
第一回チキチキ葉っぱ猛レース🍃】
が開幕されたのです。
ワクワクドキドキスリル満点でございます。
私達は、まず近くの茂みから
レースに参加する葉っぱを探しだします。
さぁどうしましょう…?
どんな葉っぱが一番速いのでしょう?
悩みます…
絶対に絶対に絶対に負けたくありませんから、慎重に選ばなければいけません!
言わば、この葉っぱレースは
どの葉っぱを選んだかで勝敗が決まるのです。
私はレース場となる小川を
もう一度確認しに行きました。
小川には所々、急流になっているところがあります。
弱々しい葉っぱでは、急流に飲まれて沈んでしまうと考えた私は
一番丈夫そうな固い葉っぱを選びました。
カズマくんは
超巨大な葉っぱを見つけ出して
「巨大船艦カズマ丸」と名付けました。
シュウくんは
「クラスメイトのサイトウくんは体が細長いから短距離走が速いのだ」と
分析して一際細い葉っぱを選びました。
弟は
触ったらチクッとしたという理由で
ギザギザの葉っぱを選びました。
それぞれが思い思いの葉っぱを
スタート地点にセットします。
「じゃあ、みんな準備はいいか!?」
シュウくんが聞きました。
「「おうよ!」」
と私達は返事します。
「スリー!ツー!ワン!
GO!!でスタートだからな!?」
とシュウくんが確認しました。
「「おうよ!」」
と私達は再び返事をします。
「スルゥリィィイイイイイ!!!」
シュウくんが甲高い裏声で巻き舌風に叫びました。
「トゥゥウウウウウウウウ!!!!」
弟は、シュウくんのかけ声を聞くのに
集中し過ぎて、私の足をずっと踏んでいるに気づいていません。
「ゥウワァァアアアアンン!!!!」
私は弟に踏まれている足の痛みを我慢しながら、
シュウくんの甲高い叫び声に、耳を澄ませ
「GO」という掛け声をジッと待ちます。
さぁ!!
いよいよスタートです!!!
「グゥオオオオオオオ!!!!!」
シュウくんのかけ声とともに
みんな一斉に葉っぱを流します。
「いけ!!巨大船艦カズマ丸!!!!
葉っぱ界の頂点に君臨するのはお前だ!!!
全てを粉砕していけーー!!!」
とカズマくんが大声をあげた瞬間
巨大船艦カズマ丸は
小川の枝にひっかかって身動きが取れなくなりました。
葉っぱが大き過ぎたのです。
「うわーーー!!
俺のカズマ丸がーーー!!!!!!」
とカズマくんは叫び、早くもビリが確定しました。
そして、しばらく流れると
例の急流に差し掛かります。
「ぽわーー!!!」
とさっきまで1位を独走していた弟が
奇声を発しました。
見てみると、弟のギザギザの葉は
脆くて弱い葉っぱだったためか
急流に飲まれて沈んでしまいました。
開始早々脱落したカズマくんは例外として
弟は、この急流のことを考えていなかったのでしょう。
開始早々脱落したカズマくんは例外として
少しだけ早く生まれた私とシュウくんは、急流に耐えられる葉っぱを選んでいたため作戦勝ちと言えます。
そして、残すは私とシュウくんの葉の
一騎討ちになります。
「「いっけぇーーー!!」」
巨大船艦カズマ丸のお墓を作っているカズマくんを尻目に、私達は熱中していました。
デッドヒートを繰り広げる中で
ゴール前の最後の難関で
水草がごちゃごちゃとたくさん生えている所があります。
今のところ私の葉っぱが少しリードしているので、このまま行けば1位です!
「頑張れ!頑張れ!」
私は必死で応援します。
ところが、私の葉っぱが
ゴール直前で
水草に絡まってしまい流れなくなってしまいました。
その隙に
シュウくんの細長い葉がスーイスイと
華麗に水草を掻い潜りゴールを通過しました。
「うおっしゃーー!!!」
シュウくんは雄叫びをあげて
カズマくんは
「今回負けたことで
勝利の方程式を掴むことができた。
次はより完璧な巨大船艦カズマ丸2号で勝ってみせるぜ」
と悔しさを滲ませながら
シュウくんのランドセルを背負いました。
ここにいる誰しもが
「巨大船艦」にこだわる限り結果は
同じだと思っていましたが
カズマくんのかっこいい生き様を否定してはいけないと思い
ランドセルを2つ背負う姿に敬礼をしながら見届けました。
そして、学校に着くと
なぜか私達は教頭先生に呼び出されました。
職員室に行くと
教頭先生がカンカンに怒っているのです。
聞いてみると
教頭先生が学校の通学路を車で通った時、
カズマくんがランドセルを2つ持っているのを見たと言うのです。
そこで、教頭先生は
私達がカズマくんをイジメているのだと思い、呼び出したとのことでした。
私達は素直にカズマくんに
「ごめんなさい」と謝りました。
でも、カズマくんはイジメられてると思われたのが納得いかなかったみたいで
一生懸命反論しました。
「教頭先生!!!
こいつらは何も悪くないです!!
俺の巨大船艦カズマ丸が
モンキーパンツの弟のギザギザの葉と
モンキーパンツの固くて頑丈な葉と
シュウくんの細くてひょろ長い葉に
負けたのがいけないんです!!
次は巨大船艦カズマ丸2号で勝ってみせますよ!!
えとえと…だから、だから…
つまり!!
俺は大丈夫ってことです!!!」
「…………???」
教頭先生は怒った顔のまま固まりました。
しばらく思考が停止した後、教頭先生は
「…どうゆう意味ですか?
弟くんのギザギザの歯???
モンキーパンツくんの固くて頑丈な歯???
シュウくんの細くてひょろ長い歯???
きょだいせんかんかずままる?????
…何が大丈夫だというのですか??」
と酷く混乱をしていました。
私達は、教頭先生を混乱させておきながらも
なぜか親指たてて誇らしげな顔でこちらを見るカズマくんを見て
吹き出して笑ってしまいました。
教頭先生は
「なに笑ってるのですか!!」と
再び怒り
みんなで仲良く怒られました。
そんな私が通学路で、大ピンチになり
当時苦手だったサザエ先生(あだ名)に助けられた話がこちらになります✨
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