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「生きてるだけでえらい」は、最強のキャリア戦略か?——KAWAII LAB.に学ぶ、令和の自己肯定感マネジメント


はじめに:なぜ、私が「原宿」にたどり着いたのか

キャリアコンサルタントのしぶYoshiです。

マイブームと、キャリコン的な視点で、自己肯定感について記事にしてみました。

白状します。少し前まで、私はFRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)とCANDY TUNE(キャンディーチューン)の区別さえつかない、典型的な「疎いおじさん」でした。

なんのこっちゃ

と思うかもしれませんが、少しでも興味がわきましたら、お読みください。

定年も間近。現役エンジニアとしてシステム開発の現場に立ち、社内副業ではキャリアコンサルタントとして若手の悩みに耳を傾ける日々。

そんな私の生活圏内に、原宿発の「KAWAII」という極彩色の文化が入り込む余地など、1ミリもないはずでした。

ところが、です。ふと耳にした彼女たちの歌に、気づけば足を止めていました。
理屈じゃないんです。聴いているだけで、なんだか心の奥底からじんわりと活力が湧いてくる。

その「元気が出る」という、シンプルでいて強烈な引力に抗えず、私はいつの間にか、彼女たちの世界に片足を突っ込んでしまいました。

なぜ、これほどまでに心が動くのか。 なぜ、今の日本には彼女たちの放つ「NEW KAWAII」が必要なのか。

少しだけ、はまってみて初めて見えてきた、彼女たちの戦略の緻密さと、現代社会における「自己肯定感」の重要性について、キャリアのプロとしての視点、そしてエンジニアとしての分析を交えて紐解いてみました。(異論はあると思いますがご容赦ください。)

※KAWAII LABとは
KAWAII LAB.(カワイイラボ)は、アソビシステムが原宿から世界へ日本のポップカルチャー(KAWAII文化)を発信するために2022年に発足したアイドルプロジェクト
FRUITS ZIPPERやCANDY TUNEなど、現在話題のグループをプロデュースし、総合プロデューサーは木村ミサが務める。


■プラットフォーム戦略の進化論:AKB、乃木坂、K-POPとの比較

やや変な切り口ですが、KAWAII LAB.の特異性を理解するために、これまでのアイドル界を席巻してきた3つの巨大システムと比較してみましょう。

  • 「成長と競争」のAKB48(オンプレミス型・中央集権システム)  AKB48は、いわば「未完成な少女が、ファンと共に成長する過程」を売るビジネスモデルでした。

  • 総選挙というシステムは、組織内での熾烈な競争を可視化し、ファンはその「序列」を上げるために投資しました。これは昭和の高度経済成長期のような、組織のピラミッドを駆け上がるキャリア観そのものです。

  • 「物語とブランド」の乃木坂46(プライベートクラウド型・調和システム) 乃木坂46(坂道グループ)は、競争よりも「洗練された世界観(清楚・お嬢様)」というブランドの統一感を重視しました。

  • 個よりも「乃木坂らしさ」という集合知を優先する。これは大企業のブランドイメージを守る社員教育に近い、非常に統制の取れた美しいシステムです。

  • 「練度とグローバル」のK-POP(ハイスペック・外注型)K-POPは、数年の練習生期間を経て、プロとして完成された状態で市場に出されます。

  • 圧倒的なパフォーマンスという「機能」で世界を獲る戦略。キャリアで言えば、徹底したスキルアップによる専門性の追求ですが、その分、個人の心身への負荷や、規格外のものを削ぎ落とす厳格さも併せ持ちます。

これらに対し、KAWAII LAB.は「SaaS型・自己肯定プラットフォーム」と言えます。
特定の「序列」を競わせるのではなく、また「型」に嵌めるのでもない。メンバーが自分自身の「カワイイ(個性)」というソフトを自由にインストールし、その土台の上で伸び伸びと表現することを推奨している。

髪型もメイクも、運営の強制ではなく「自分がどうありたいか」という自律性に委ねられている。これは、今の時代に求められる「キャリア自律」そのものなのです。

■「心理的安全性」がバズを加速させる

キャリアコンサルティングの現場で、私が最も大切にしている概念の一つに「心理的安全性」があります。 KAWAII LAB.の楽曲(例えばFRUITS ZIPPERの一連の曲)に共通するのは、徹底した「全肯定」です。

「生きてるだけでえらい」「私の一番かわいいところ」
これらのメッセージは、まずメンバー自身の心を安定させます。
演じている本人が「自分はここにいていいんだ」と心から信じているからこそ、そのポジティブなエネルギーがSNSを通じて爆発的に広がっていく。

エンジニア的に言えば、バックエンド(心の土台)が安定しているからこそ、フロントエンド(見せ方)のユーザー体験が最高のものになる、という好循環が起きているのです。

■キャリアの専門家が見据える「これからの課題」

もちろん、光が強ければ影もあります。
この戦略の懸念点は、その「自己肯定」が、外部の反応(SNSのバズ)という不安定なサーバーに依存しがちな点です。

バズという熱狂は、いつか必ず冷却期間を迎えます。
その時、数字という評価を失ったメンバーたちが、自分自身の価値を信じ続けられるか。
ここがキャリアコンサルタントとしての私の最大の懸念です。

また、「カワイイ」を看板にする以上、加齢という避けられない時間軸に対し、どのようなセカンドキャリアのパスを提示できるか。
ASOBISYSTEMというクリエイティブ集団が、彼女たちを「消費されるアイドル」ではなく、「一生モノのクリエイター」へと昇華させられるかどうかが、このプロジェクトの真の成否を分けるでしょう。

■結びに:私たちは、自分の人生のセンターか

50代を過ぎ、定年というキャリアの大きな節目が見えてくる中で、私は彼女たちの姿に自分を重ねます。
会社という大きな組織の論理に自分を合わせるのではなく、自分なりの「カワイイ(誇れるもの)」を再定義し、発信していくこと。

「私の一番かわいいところ」を見つけ、それを肯定する勇気を持つ。
それは、原宿のステージで踊る彼女たちだけに必要なものではなく、変化の激しい現代を生きる、私たちビジネスパーソン全員に必要な「装備」なのかもしれませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの「推し」 や 「元気の源」を教えてください。

ご興味がわきましたら、一曲聞いてみてください。
↓ <参考>出典元:KAWAII LAB. MV


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