来週の相場は米雇用統計に注目|9月相場スタートでドル円・日本株はどう動く?【8月31日〜9月4日】
8月も終わり、いよいよ9月相場が始まります。
来週の相場で、僕が一番注目しているのが9月4日(金)の
米雇用統計です。
FXをしている人なら、
「雇用統計でドル円はどう動く?」
日本株を持っている人なら、
「米国の雇用が悪化すると、日本株にも影響する?」
と気になっている人も多いのではないでしょうか。
ただ、来週は金曜日の雇用統計だけを見ればいいわけではありません。
火曜日から、
JOLTS求人件数
↓
ADP雇用者数
↓
新規失業保険申請件数・ISM
↓
米雇用統計
と、米国の雇用市場を確認するための材料が次々と出てきます。
そして、その先には9月15〜16日のFOMCがあります。
現在の相場では、ウォーシュFRB議長の発言もあり、9月利上げの可能性が意識されています。
そのため来週は、
「米国の雇用は本当に弱くなっているのか?」
を一つずつ確認しながら、9月FOMCで利上げがあるのか、それとも利上げ観測が後退するのかを考えていく1週間になりそうです。
今回は、8月31日〜9月4日の重要イベントと、ドル円・日本株を見るうえで僕がチェックしたいポイントを初心者向けに整理します🧸📈
今週最大のテーマは「米国の雇用」
まず押さえておきたいのが、現在の米国の雇用市場です。
前回7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2.3万人減となりました。
さらに5月と6月の雇用者数も、合わせて10.3万人下方修正されています。
これを見ると、
「米国の雇用市場はかなり弱くなっているのでは?」
と思いますよね。
ただし、少し判断が難しいところもあります。
失業率は**4.1%**と、まだ低い水準です。
ただし、失業率が低下した背景には、労働参加率が61.4%へ低下し、仕事を探す人が減ったことも影響しています。
そのため、
「失業率が4.1%だから、雇用市場は強い」
と単純に判断することはできません。
つまり現在は、
雇用者数は弱い
↓
でも
↓
失業率だけを見ると大きく悪化していない
という、少し判断の難しい状況です。
さらに、少なくとも新規失業保険申請件数を見る限り、企業による解雇が急増している状態ではありません。
そのため僕は、今回の雇用統計を1つの数字だけで判断しないことが大切だと思っています。
来週は、
JOLTS求人件数
ADP雇用者数
新規失業保険申請件数
ISMの雇用指数
非農業部門雇用者数
失業率
平均時給
過去分の改定
このあたりをセットで確認していきます。
では、曜日ごとに見ていきましょう🌳

8月31日(月)|まずは日本の景気を確認
★★ 日本・7月鉱工業生産速報
発表予定:8:50
月曜日は、日本の7月鉱工業生産速報からスタートします。
鉱工業生産は簡単にいうと、
「日本の工場でどれくらいモノが作られているのか」
を見るための指標です。
製造業の生産活動を見る材料になるため、日本企業の景気を考えるうえでも参考になります。
ただ、来週の主役は米国の雇用関連指標です。
そのため月曜日は、
「週明けのドル円・日経平均がどの水準からスタートするのか」
を確認しながら、火曜日以降に備える日として見ています。
9月1日(火)|JOLTSとISMから雇用を探る
火曜日から、いよいよ米国の重要指標が増えてきます。
★★★ 米7月JOLTS求人件数
発表予定:日本時間23:00
JOLTSは、米国企業の求人状況などを見る統計です。
初心者の人は、
「企業がどれくらい人を募集しているのかを見る数字」
と考えると分かりやすいと思います。
求人件数が増えていれば、
企業が人を必要としている
↓
採用意欲が強い
↓
雇用市場は底堅い
と判断されやすくなります。
反対に求人件数が大きく減っていれば、
企業の採用意欲が低下しているのでは?
と警戒される可能性があります。
ただし、今回発表されるJOLTSは7月分です。
金曜日に発表される8月雇用統計とは対象期間が異なります。
そのため、
「JOLTSが強かったから、8月雇用統計も強い」
と直接結びつける数字ではありません。
労働市場の大きな流れを見る材料として確認したい指標です👀
★★★ 米ISM製造業景気指数
発表予定:日本時間23:00
同じ時間に、8月のISM製造業景気指数も発表されます。
ISMは基本的に、
50より上 → 景気拡大
50より下 → 景気縮小
と見る指標です。
ただし今回は、単純に50を上回っているかだけではなく、
「前月から景況感が改善しているのか、それとも減速しているのか」
にも注目したいところです。
さらに僕が見たいのが、ISMの中にある雇用関連の項目です。
JOLTSと合わせて見ることで、金曜日の雇用統計を考える材料が一つ増えます。
★★ FRB・バー理事発言
日本時間22:05ごろ
マイケル・バーFRB理事の講演も予定されています。
テーマは「経済見通しと金融包摂」。
講演自体が金融政策だけをテーマにしたものではないので、重要度を上げすぎる必要はないと思います。
ただし、雇用統計を控えるタイミングだけに、
雇用
インフレ
金利
9月FOMC
について発言が出るかは確認しておきたいです。
9月2日(水)|ADPと日銀にも注目
★★★ ADP雇用者数
発表予定:日本時間21:15
水曜日はADP雇用者数です。
ADPは、米国の民間企業の雇用動向を見る指標です。
ここで注意したいのが、
ADPと金曜日の雇用統計は別物
ということ。
僕もFXを始めた頃は、
「ADPが強かったから、金曜日の雇用統計も強いのでは?」
と考えていました。
でも、実際には同じ方向になるとは限りません。
そのため、
「ADPが強い=雇用統計も強い」
と決めつけないことが大切です。
あくまで、
「米国の民間雇用は今どちらの方向へ動いているのか?」
を見る材料の一つとして確認します。
★★★ 日銀・高田審議委員発言
予定:10:30
ドル円を見ている人はこちらも重要です。
日銀の高田創審議委員が札幌市で金融経済懇談会に出席する予定です。
特に注目したい言葉は、
利上げ
物価
賃金
円安
金融政策の正常化
です。
もし追加利上げを意識させる発言が出れば、
日銀の利上げ観測
↓
円買い
↓
ドル円下落要因
となる可能性があります。
反対に、利上げに慎重な姿勢が強ければ、円安方向の材料として受け止められる可能性があります。
来週のドル円は米国側だけではなく、日本側の材料も見る必要があるということですね。
★★ 米製造業受注
発表予定:日本時間23:00
7月分の製造業受注も発表されます。
米国製造業の需要を見る材料ですが、来週はADPやISM、雇用統計の注目度が高いため、僕は優先順位を少し下げて見ます。
★★ FRBベージュブック
公表予定:日本時間9月3日3:00
深夜にはFRBのベージュブックも公表されます。
ベージュブックは、米国各地域の景気状況をFRBがまとめたものです。
今回は特に、
雇用
賃金
物価
企業活動
について、どのような表現になっているかを確認したいです。
9月3日(木)|雇用統計前日の重要日
木曜日は、かなり重要です。
翌日の雇用統計を考えるための材料が一気に出てきます。
★★★ FRB・ウォラー理事発言
日本時間21:30
クリストファー・ウォラーFRB理事が「経済見通し」について発言する予定です。
僕が特に確認したいのは、
現在の金融政策をどう評価しているのか
雇用市場の減速をどう見ているのか
インフレへの警戒をどの程度残しているのか
9月利上げをどう考えているのか
この4つです。
翌日に雇用統計があるため、来週のFRB高官発言の中でも注目度は高めです。
★★ 米新規失業保険申請件数
発表予定:日本時間21:30
毎週発表されている雇用関連指標です。
前週は20.3万件まで低下しており、少なくとも新規失業保険申請件数を見る限り、企業による解雇が急増している状態ではありません。
ここが現在の米雇用市場を見るうえで面白いところです。
企業の採用は弱くなっているかもしれない。
でも、
解雇は急増していない。
そのため、
「採用しないけれど、今いる社員も簡単には辞めさせない」
という状態になっている可能性があります。
金曜日の雇用統計を見るときにも、この違いは覚えておきたいです。
★★ 米7月貿易収支
発表予定:日本時間21:30
同じ時間に7月の米貿易収支も発表されます。
こちらも米国経済を見る材料ですが、雇用統計前日ということを考えると、相場では失業保険やFRB発言の方が注目されやすいと考えています。
★★★ 米ISM非製造業景気指数
発表予定:日本時間23:00
そして木曜日でもう一つ重要なのが、ISM非製造業景気指数です。
米国経済ではサービス業の割合が大きいため、製造業ISMだけではなく、こちらも重要です。
特に僕が確認したいのは、
総合指数
雇用指数
価格指数
の3つ。
もし雇用指数が大きく弱くなっていれば、
「明日の雇用統計も弱いのでは?」
という警戒が強まる可能性があります。
ただし、ここでも決めつけは禁物です。
9月4日(金)|いよいよ米雇用統計
★★★ 日本・7月家計調査
米雇用統計の前に、日本では7月の家計調査が発表されます。
家計調査では、個人消費の動きを確認できます。
日銀が今後追加利上げできるのかを考えるうえでは、
「賃金が上がっているか」
だけではなく、
「実際に家計がお金を使っているか」
も重要です。
★★★ 今週最大のイベント|米8月雇用統計
発表予定:日本時間21:30
そして、いよいよ金曜日の夜に米8月雇用統計です📢
ロイターがまとめた8月30日時点の市場予想では、
非農業部門雇用者数:前月比5.8万人増
失業率:4.1%
平均時給:前月比0.2%上昇
が予想されています。
ただし、市場予想は発表直前まで変わることがあります。
そのため実際に相場を見るときは、最新予想をもう一度確認したいところです。
今回、僕が見るのは主に3つの数字+過去分の改定です。
雇用統計で確認したい3つの数字+過去分の改定
① 非農業部門雇用者数
まず一番注目されるのが、非農業部門雇用者数です。
簡単にいうと、
「米国で働く人が前月からどれくらい増えたのか」
を見る数字です。
一般的には、
予想より増える
→ 雇用が強い
予想より少ない・マイナス
→ 雇用が弱い
と判断されやすくなります。
② 失業率
次が失業率です。
仕事を探している人のうち、仕事に就けていない人の割合を表します。
ただし、失業率だけを見るのは注意が必要です。
労働市場から離れて仕事を探さなくなった人が増えれば、失業率が低下することもあります。
そのため、
「失業率が低い=雇用市場が強い」
とは限りません。
雇用者数や労働参加率と一緒に見ることが大切です。
③ 平均時給
3つ目が平均時給です。
これは賃金の伸びを見る数字です。
例えば賃金が強ければ、
賃金上昇
↓
消費を支える
↓
物価が下がりにくくなる可能性
↓
FRBが利上げを続ける、または高金利を維持するとの警戒
につながることがあります。
ただし、1か月の平均時給だけで今後の物価が決まるわけではありません。
あくまで市場がインフレやFRBの政策を考える材料の一つとして確認します。
④ 過去分の改定
今回、僕が特に気にしているのがここです。
前回は5月と6月の雇用者数が、合わせて10.3万人下方修正されました。
そのため、今回の8月分が予想を上回っていても、
過去分が大幅に下方修正
されていれば、単純に「雇用は強い」と判断できない可能性があります。
発表された瞬間の数字だけを見ない。
ここは今回かなり大事だと思います。

米雇用統計|3つのシナリオを考える
では、実際にどんな結果になればドル円が動きやすいのか。
僕は事前に3つのパターンを考えておきます。
🟢 シナリオ① 雇用統計が予想より強い
例えば、
非農業部門雇用者数が予想を上回る
失業率が上昇しない
平均時給も強い
という結果です。
この場合、
米雇用市場はまだ強い
↓
9月利上げや高金利継続への警戒が強まる
↓
米金利上昇
↓
ドル高
↓
ドル円上昇要因
という流れが考えられます。
ただし、株式市場では注意が必要です。
米金利が大きく上昇すると、ハイテク・グロース株には逆風になる可能性があります。
🔴 シナリオ② 雇用統計が予想より弱い
反対に、
雇用者数が予想を下回る
失業率が上昇
平均時給も鈍化
となれば、
米雇用市場の減速が鮮明
↓
9月利上げ観測が後退する
↓
米金利低下
↓
ドル安
↓
ドル円下落要因
という流れが考えられます。
ただし、ここでも注意したいことがあります。
それが、
「雇用悪化=必ず株高ではない」
ということです。
確かに金利低下は株式市場にプラス材料になることがあります。
でも、雇用があまりにも悪ければ、
「米国景気そのものが弱くなっているのでは?」
という景気後退への警戒が強まり、米国株が売られる可能性もあります。
🟡 シナリオ③ 強弱まちまち
僕が初心者の人に一番注意してほしいのが、このパターンです。
例えば、
雇用者数は予想より強い
でも
失業率は上昇
あるいは、
雇用者数は弱い
でも
平均時給は強い
という結果です。
さらに今回は、過去分の改定が市場の判断を変える可能性もあります。
この場合、市場参加者の判断が分かれます。
その結果、
ドル円が急上昇
↓
数分後に急落
のような激しい値動きになることがあります。
僕も雇用統計を見るときは、最初の数字だけを見て判断しないようにしています。
特にFXを始めたばかりの人は、
「数字が出た!ドル円が上がった!買おう!」
と初動に飛び乗らない方がいいと思います。
数分待つだけでも、相場の見え方が変わることがあります。

米雇用統計は日本株にも影響する
ここまでドル円中心に見てきましたが、日本株投資家にとっても米雇用統計は重要です📈
僕は次の順番で考えています。
米雇用統計
↓
FRBの政策観測
↓
米国債利回り
↓
ドル円・米国株
↓
日本株
例えば雇用統計が強く、米金利が上昇したとします。
するとドル高・円安になりやすいため、自動車などの輸出企業にとってはプラス材料になる可能性があります。
一方で米金利上昇によってNASDAQが下落すれば、
日本の半導体・ハイテク株には逆風
となる可能性があります。
つまり、
「ドル円が上昇した=日本株全部にプラス」
ではありません。
為替と米国株の両方を見ることが大切です。
今週の米国企業決算|ブロードコムに注目
来週は経済指標だけではありません。
米国企業の決算も予定されています。
9月1日は、
デル・テクノロジーズ:パソコンやサーバーなどを手がけるIT企業
パロアルト・ネットワークス:サイバーセキュリティ大手
9月2日は、
ブロードコム:AI向け半導体やネットワーク関連で注目される半導体大手
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE):企業向けサーバーやITインフラを手がける会社
スノーフレイク:企業向けのクラウドデータ管理サービスを提供する会社
9月3日は、
ルルレモン:ヨガウェアやスポーツウェアで有名なアパレル企業
ドキュサイン:電子署名サービスを提供する会社
シエナ:通信ネットワーク機器を手がける会社
この中で、僕が特に注目したいのがブロードコムです。
ブロードコムはAI向け半導体やデータセンター向けネットワーク関連で注目されており、決算内容によってはエヌビディアなどの半導体株やNASDAQ、日本の半導体関連株にも影響が広がる可能性があります。
エヌビディア決算に続いて、
「AI関連への投資需要はまだ続いているのか?」
を見る材料になります。
ブロードコムの決算内容次第では、
ブロードコム
↓
エヌビディアなどの半導体株
↓
NASDAQ
↓
日本の半導体関連株
と影響が広がる可能性があります。
日本株を中心に投資している人でもチェックしておきたい決算です。
今週は「雇用統計だけ」を見ない
ここまでイベントをたくさん紹介しましたが、全部を覚える必要はありません。
今週は、
火曜日から出てくる雇用関連データを順番に確認し、金曜日の雇用統計へつなげる
という見方で十分だと思います。
ポイントは、
金曜日に突然、雇用統計が出てくるわけではない
ということです。
火曜日から少しずつ材料が出てきます。
それを一つずつ確認しながら、
「米国の雇用市場は強いのか、弱いのか」
を考えていけばいいと思います。
🧸 今週の初心者向けチェックリスト
来週、僕が確認したいポイントを最後にまとめておきます。
□ JOLTS求人件数は増えているか
□ ADP雇用者数は強いか弱いか
□ ISMの雇用指数はどうなっているか
□ FRB高官は雇用とインフレをどう見ているか
□ 9月利上げについてどのような発言が出るか
□ 雇用統計の非農業部門雇用者数
□ 過去分は上方修正・下方修正されていないか
□ 失業率は上昇していないか
□ 平均時給は強いか弱いか
□ 発表後に米2年債・10年債利回りはどう動いたか
□ ドル円は最初の動きを維持しているか
□ Broadcom決算後に半導体株がどう動くか
全部を完璧に分析する必要はありません。
最初は、
「雇用者数・失業率・平均時給・過去分の改定を見る」
これだけでも十分だと思います。
まとめ|予想を当てるより「見る順番」を決めておく
来週は、9月相場がスタートします。
最大の注目イベントは、9月4日の米雇用統計です。
ただ、今回僕が一番伝えたいのは、
「金曜日の雇用統計だけを見ればいいわけではない」
ということです。
火曜日から出てくる雇用関連データを確認しながら、最後に米雇用統計を見る。
そして、その結果を受けて、
9月利上げ観測が強まるのか、後退するのか
を考えていく。
雇用統計当日は、
🟢 予想より強い
🔴 予想より弱い
🟡 強弱まちまち
この3つのシナリオを準備しておく。
僕は、雇用統計がどうなるのかを完璧に当てる必要はないと思っています。
むしろ大切なのは、
「結果が出たあと、何を見るのかを決めておくこと」
です。
特にFXでは、雇用統計直後にドル円が大きく上下することがあります。
最初の値動きだけを見て慌てて飛び乗るのではなく、
雇用者数・失業率・平均時給・過去分の改定
↓
米国債利回り
↓
ドル円
という順番で確認する。
来週も落ち着いて相場を確認していきましょう🧸📈
※この記事は2026年8月30日時点で確認できる情報をもとにしています。経済指標の市場予想や発表予定は変更される場合があります。
※本記事は特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。重要指標の発表直後は、価格の急変やスプレッドの拡大、注文価格と約定価格のずれが発生する場合があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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