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16時間断食のやめどき5項目|自分は4つ当てはまった

夜中3時に、目が覚めるようになった。

16時間断食を始めて、2年が経つ頃だった。寝つきは悪くない。むしろ、すぐ眠れる。同じ頃から、筋トレの回復も遅くなり、午後の集中も切れやすくなった。

当時は、12時から20時までの8時間だけ食べていた。朝はコーヒーだけ。ジムも空腹のまま。体重と体脂肪率は安定していたので、断食をやり過ぎているかもしれないとは思ってもみなかった。

家族から「顔がこけている」と言われて、ようやく立ち止まった。

16時間断食が自分に効いた理由と、やめるまでの経緯は、「ハマっていた16時間断食をやめた話|間欠的断食のワナ」に書いた。

自分の失敗を振り返り、どんなサインがあれば16時間断食を見直したほうがいいのかを考えた。外来でも、断食をしている患者さんから相談を受けることがある。そこで、確認したい5つのサインをまとめた。

※2026年8月、最新の研究と現在の自分の食事時間に合わせて全面改稿しました。

まず確認したい、5つのサイン

この5項目は診断基準ではないけれど、断食を始めてからここに当てはまるサインが出ていたら、断食をやり過ぎているという体からのメッセージかもしれないと考えてほしい。

  • 「顔がこけた」と言われる

  • 筋トレで扱える重量や回数が落ちた、または筋肉痛やだるさが長く残る

  • 断食を始める前より、夜間覚醒が増えた

  • 午後の仕事中、以前より集中が切れやすくなった

  • 月経、性欲、朝の勃起などに変化がある

振り返ってみると、自分は1、2、3、4に当てはまった。

1.「顔がこけた」と言われる

自分は体重も体脂肪率も安定していた。それでも、家族から「顔がこけている」と言われた。

顔つきの変化は、意外と重要なサインだ。これは、エビデンスというよりは長年の人間の歴史に根付いた経験知だと思う。顔がこけていたら、何かがうまくいっていない。毎日鏡を見ている本人より、少し離れて見ている家族のほうが先に気づく。

そんなときは、食事量が減っていないかを確かめる。睡眠不足に仕事や運動の負担が重なっていないかも振り返る。

2.筋トレで扱える重量や回数が落ちた、または筋肉痛やだるさが長く残る

いつもの重量が扱えない日や、筋肉痛が長引く週は誰にでもある。それが1回きりなら、断食のせいにしなくていい。

でも、同じ重量なのに後半のセットで回数が上がらなくなってきた。筋肉痛やだるさが以前より長く残る。ウォームアップから重い。関節が痛い。こうした状態が2〜4週間続いていたら、要注意だ。

時間制限食そのもので、筋肉が減ったかもしれないという報告もある。過体重・肥満の成人を12週間追った2020年のTREAT試験で、体組成を測った50人では、8時間枠のグループで減った1.70kgのうち1.10kgが除脂肪量だった¹⁾。除脂肪量は筋肉そのものではなく、水分や臓器も含む。ただし、筋トレをしている人の試験ではない。

筋トレをしている人ではどうか。8本の試験をまとめた2026年の解析では、時間制限食で体脂肪はわずかに減ったものの、除脂肪量には明確な差がなかった²⁾。

対象も条件も違う2つの研究で、直接比べたものではない。それでも、筋トレをしている人のほうが筋肉をキープしやすいのは、ある程度間違いなさそうだ。だから自分は、16時間断食を続けるなら、筋トレはしっかり続けたほうがいいと考えている。

筋トレをしているのに、重量や回数が落ち続ける。そんなときは、断食のやり過ぎで必要量を食べられず、筋肉をキープできていない可能性がある。

筋肉は、健康のためにキープすべき資産だ。 減り始めたかもしれないときは、脂肪より貴重な資産を失っている可能性がある。

3.断食を始める前より、中途覚醒が増えた

16時間断食を続けていた時、自分は午前3時前後の中途覚醒が増えた。そこで、8時間だった食事枠を12時間ほどに広げ、朝食とトレーニング後でタンパク質をしっかり取るようにした。その後、中途覚醒は減った。

2026年に13研究・638人をまとめたメタ解析があるけれど、断食によって睡眠時間や睡眠の質に明確な悪化は確認されなかった³⁾。早い時間帯に食べ終える方法では、睡眠の質が少しよくなる可能性もあった。

ただ、これはあくまで平均だ。自分も、断食で睡眠は悪化しないという研究を知っていた。それでも、実際には中途覚醒が起きて、断食をやめたら治った。研究の平均と自分の体が食い違うなら、自分の感覚も大切にしたほうがいい。

夜中に目が覚めたあと眠れないときの対処は、夜中に目が覚めて、1時間眠れない|睡眠薬より先に試してほしいことに書いた。睡眠時無呼吸や飲酒も関わるし、ストレスや室温、泌尿器の問題など複雑だ。

4.午後の仕事中、以前より集中が切れやすくなった

午前中は意外と動けるし、空腹で頭が冴える感覚もある。自分に問題が起きたのは午後だった。

最初の食事が12時から13時になり、その後に外来や打ち合わせが続く。15時を過ぎると集中が切れ、コーヒーを飲んでも頑張れない。

自分のイメージは、燃え尽きだ。空腹でも動けるのは、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが血糖を保ち、体を戦闘モードにしてくれるからだ。午前の冴えは、いわばその前借りだと考えている。朝から何も食べずに仕事と筋トレで追い込めば、午後にガス欠を起こしてしまう。

もちろん、午後の集中は昼食の内容や前日の睡眠次第でも変わるし、カフェインのとり方や仕事の忙しさの影響も受ける。それでも、断食を緩めたあとに午後のパフォーマンスが改善するのであれば、断食時間が長すぎた可能性がある。

5.月経、性欲、朝の勃起などに変化がある

月経周期が長くなる。月経が止まる。性欲が落ちる。朝の勃起が減る。疲労感や冷えが強くなる。

運動量に対して食事から得られるエネルギーが足りない状態が続くと、体は生き延びるほうを優先して、生殖を後回しにする。脳からの指令が絞られて性ホルモンが減り、女性では月経が乱れ、男性ではテストステロンが下がる。スポーツ医学では、RED-Sという枠組みで扱われている⁴⁾。

引き金はエネルギー不足なので、16時間断食でも必要量を食べられていれば起きにくい。

断食を見直す前に、受診してほしい変化

意図しない体重減少が続く。月経が止まった、または性機能の大きな変化が続く。空腹時のめまい、動悸、発汗を繰り返す。失神したことがある。

こうした変化があるなら、食事枠だけを変えて様子を見続けず、医療機関で原因を確かめる。16時間断食のせいだと決めつけない。貧血や甲状腺疾患や糖尿病など様々な疾患の影響が考えられる。

🚩ここから先は、断食のゆるめ方、外来で見てきた3つのパターン(8時間枠が合った50代、テストステロンが下がり続けた40代男性、月経が止まりかけた40代女性)もまとめています。

サインが続くなら、16時間断食をいったんゆるめる

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