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日下氏邸書籍整理の全貌『断捨離血風録:3年で蔵書2万5千冊を減らす方法』『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』


日下三蔵『断捨離血風録:3年で蔵書2万5千冊を減らす方法』本の雑誌社, 2025
小山力也『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』本の雑誌社, 2025


保有冊数が13万冊以上、実家だけでなく借りていたマンションの空間まで全てが本(+CD・VHSなど)で埋まっており魔窟と呼ばれる日下邸。
今回紹介する二冊は、その邸内とマンション(+整理用に借りたアパート)の蔵書整理の様子を赤裸々に綴るドキュメンタリーとなっています。

『断捨離血風録』には、家族から和室を使えるようにして欲しいと言われたことに端を発し本格的に蔵書整理を始めるために日下氏が蔵書整理のためにアパートを借りる2021年から、アパートを引き払い一応の目途がつく2024年までの家族や仲間の力を借りながら少しずつ前に進んでいく様子が本人の筆により記録されています。
また、そのプロローグとして、2008年の本の雑誌編集部が初めて日下邸に足を踏み入れた記録と、2014年に今回の主要メンバーである小野さんと小山さんが初めて足を踏み入れた様子も収録されています。

そして姉妹本である『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』では、ミステリーに強い古本屋・盛林堂書房の小野さん、古本屋探訪ブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパン」の小山さんが、日下さんに誘われたことにより蔵書整理を手伝うことになった2017年から一旦区切りがつく2024年までの全容が記録されています。

同時に読み進めることで二つの視点から出来事を知ることができ楽しさが倍増すること間違いなしの二冊です。


風呂場ですらカラーボックスを入れて本の収納スペースになるなど、人生でも中々見ることができない景色が展開され、毎回のように珍しい本が発掘されるため、片付けているだけなのに全く飽きません。

その終りなき作業の過酷さは想像を絶しますが、出てくる本の数々は羨ましいやら労い本欲しさに手伝いたくなってしまいます。


自分は日下さんほど本もビデオもCDも持っていません。
しかし、本が本棚に入りきらず積まれていたり、空きスペースを見ると本やゲームやVHSやDVDが置けないか考えたり、なにより家中のスペースを勝手に収納スペースに使っているため、自分も本質は変わらないなと思いました。

2万5千冊ほど蔵書整理を行ったとはいえ、あくまで第一部完と言ったところ。
できれば、今後の片付けの様子も何かしらの形で文章にしてもらえればと願っています。

以下は、本毎の個別感想です。


『断捨離血風録』感想

日下さんの視点から綴られる本作は、小野さん小山さんとの整理に加え、家族の協力のもとに進んでいく片づけについても詳細に記録されています。

この時期に家族がどんな気持ちで見守り、手伝ったのかも知りたくなるほど、素晴らしい家族の協力体制が築かれていました。

また、日下さんによる蔵書の説明などは勉強にもなり、知らない知識がバンバン増えていくのも楽しいです(今後使うかは分からない知識ではありますが)。


小山さん小野さんと三人での座談会も収録されていますが、その中で小野さんが話されていた、

小野 多分途中で嫌になるのと、あの量をやろうと思ったら、ご自身の持ち物だから途中で疲れちゃって本を読んじゃったりとか、そういう方に絶対動いちゃうんで、無機質にやらなきゃダメなんですよ。こういう蔵書整理って、どうやってやるかだけなので。

日下三蔵『断捨離血風録:3年で蔵書2万5千冊を減らす方法』本の雑誌社, 2025, p.305

この発言に、なぜ自分が本やゲームの整理をできないのかの答えがあるような気がしました。


異常な本の増え方に戦慄する巻末の日下三蔵蔵書年表まで楽しめる、一大片付けエンターテイメントでした。


『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』感想

本書では日下さんが第三者目線から描かれるため、『「道化の箱舟」事件』などの行動や発言の面白さをしっかり味わえます。

「ここにあったんだ。これで買わなくていいぞ」「くそっ、全然ダブらないぞ」などのおよそ日常生活では耳を疑うような発言も、この本の森の様な空間に居ると納得してしまう不思議な力があります。

また、日下さんの強烈さと比べると遙かに常識人な小野さんと小山さんも、やはり業の深いオタクであることが良く分かる場面も多く、類は友を呼ぶのだなと思う事も多々ありました。

あまりにも過酷な作業ですが、経験を積むごとに動きの練度があがり、絆も深まる様子が微笑ましくもあるかも。


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