coldmountainstudy 2026年7月の本箱。
7月は決めていた本はたった3冊。
しかし一日小さな本の旅に出たら一気に10冊まで膨れ上がってしまった。
そんな7月の本箱、いきましょう。
知る人ぞ知る名著が令和の時代によみがえる! 著者・佐々木栄松は1913年北海道生まれの洋画家。“湿原の画家”とも称され、釧路湿原の燃え立つような生命感あふれる作品を描いた。一方ではイトウ釣りの名手でもあり、『釣りキチ三平』イトウ釣りの章では「鳴鶴先生」のモデルとして登場。また開高健を現地案内し「幻の魚」イトウを釣らせたことがきっかで開高は釣りに目覚め、数々の釣り紀行作品を生み出すもととなった。そして二人は長く親交を結んだ。 本書は、二見書房「釣魚名著シリーズ」『湿原のカムイ 幻のイトウを追って』(佐々木栄松 著)の復刻であるとともに、巻頭には著者の絵画作品、そして巻末には開高健が釧路湿原で初めてイトウを釣りあげた時のようすを著わした文章「釣り人・開高健誕生の瞬間」が特別付録として収載される。 画家(著者)の“憧れの幻”である表題作の「白いイトウ」をはじめ、釧路の湿原と川を舞台に、画家ならではのまなざしが捉えた自然・イトウ・人間が織りなす数々の北国のドラマ。その情景は、本書のなかで永遠の命を与えられ輝きを放ち続ける。 釧路湿原は現在、メガソーラー問題でも大揺れで世間の注目の的。本書はその釧路湿原の原初的な自然が克明に描写されており、その意味でも大変貴重である。
もうこれはね、仕方ないです。
自分にとってのバイブルの一つである開高健「私の釣魚大全」でイトウ釣りの編でガイド役を務めた方の著作。
現在発売中の雑誌「Old Tackle Anglers 3」にも関連記事がありそこから飛びつきました。
開高の釣り関連策はこれからも読み続けるでしょうね。今日立ち寄った書店でも新潮文庫版「フィッシュオン!」を並べていて嬉しくなりました。開高作品は自分の基本の一つですね。
続いてはイタリア。
大阪・関西万博において大人気を博したイタリア館の政府代表を務めたマリオ・ヴァッターニが、自身の日本での旅路と日伊交流の秘められた歴史を交錯させて描いた回想録的エッセイ。
白虎隊が辿った悲劇や、命を懸けて大空を駆けたイタリア人飛行士たちの足跡を、バイク旅の視点から情緒豊かに再構成している。第二次世界大戦末期の神戸で日本軍と共に戦ったイタリア潜水艦カッペリーニ号の数奇な運命は、国家の枠を超えた真の友情の象徴として綴られる。
著者は日本各地の聖地や史跡を巡りながら、武士道精神や伝統の中に両国の深い精神的結びつきを見出していく。日本文化の深淵と先人たちへの畏敬の念を、読者に静かに伝える一冊となっている。
日本から見たイタリア、はたくさんありますがイタリアから見た日本、ですよ。逆の視点大事ですね。
自分、義弟がイタリア人なんです。
興味を引くに十分な著作ですね。
つながってるほど幸せで仕事もはかどる? 電子メディアは環境に優しい?
常時メディア接続は、働きすぎやストレスの原因になっている。電子メディアは膨大なエネルギーを消費し、デジタル器機は資源の争奪戦や環境汚染を引き起こす。
6ヶ月のオフライン生活を敢行したメディア研究者が、人類と地球のウェルビーイングを脅かすファストメディアの問題点をあぶり出す。
時間と速度をこの手に取り戻そう。グッド、クリーン、フェアなスローメディアで、オルタナティブな未来を育てよう。
【「序文」より】
われわれの社会は総じて、楽しい計画に、現在という魅惑に、稀少な楽しみ(つまり少数のベストセラー)に魅了されている。多くの者が、日常に欠けていると思われる幸福感や臨場感ややすらぎを追いかけている。わたしたちは知っている。そんな熱心なメディア利用がどういうわけか悩み、不安、疎外、忘却、働き過ぎ、ストレスの原因になっていることを。デジタル技術が、現代の不満の唯一の源泉あるいは根本要因だと思う者なんていない。けれども、この二一世紀初頭の年月を過ごしてきて、数々の端末とネットの恩恵は高くつくと認める者は増えた。メディアとの新しい関わり方と新しい対人関係を模索し、見いだし始めた少数派は、いまや拡大し、増加し続けている。
スローメディアは、人びとが集い、対話の場が生まれるきっかけとなっており、いろいろな名前で展開を続けている。(……)どの動きにおいても共通しているのは、多くの人びとがデジタル器機と人間の生活について、より深く幅広い考察をするようになってきている点である。われわれに必要なのは、その旗の下に集える未来を見据えた名称なのだ。
これはもうね、こういう時代に生きる本ヤの自分としては気にならないわけがないですね。
手紙を”スローメイル”と呼び重宝し連絡の選択肢のひとつとする。愉しむ。
そんなゆとりというか余裕が欲しいですね。
ここから、一日の本の旅で出逢った本達です。もちろん何となく目をつけていた・・・はありますけれど。
「吸って吐く」から「吐いて吸う」へ
生きるために欠かせない「呼吸」。
しかし、呼吸を意識して生活している人はいないでしょう。
誰もが無自覚に、無意識に毎日息をしています。
ところが、自分の「息」に意識を向けて呼吸するだけで
心身の健康、魂の成長につながるとすれば
どうでしょうか。
ポイントは簡単。
「吸って吐く」から「吐いて吸う」に切り替えるだけ。
本書は詩人の谷川俊太郎さんが
呼吸の専門家の加藤俊朗先生に問いかける形をとりました。
「呼吸」「気」「意識」「丹田」「心」「魂」……
呼吸から始まって、話は奥深い境地へと到達します。
この本では私が読者の皆さんに代わって、加藤さんにいろいろ問いかける形をとった。活字では伝えきれない加藤さんの言葉を感じてもらうために、実際に呼吸法を教えている現場にマイクを持ち込んだライブ録音も付いている。加藤メソッドは言葉だけ読んでいても身につかない。本当は直接加藤さんと向き合うのがいいのだが、その機会を得られない人は特典音源を聞きながらとにかくからだを動かし、息を吐いてみてほしい。そしてこれは自分の経験から言うのだが、毎日三十分でもつづけているとそれが習慣になっていって、やがて少しずつからだと心に効果が現れてくる。
本書「まえがき」より
『呼吸の本』初版から11年の歳月を経たおふたりの特別対談、
「魂がほっとひと息」質問コーナー、
新版あとがきを加えた『新版 呼吸の本』です。
山梨大泉・「のほほん」さんで出逢った一冊。
もはや”最寄りの本のセレクトショップ”、頼りにしています。
呼吸、大事だと思っています。
自身呼吸を意識したらカラダが劇的に良くなった経験をしているからです。
詳しいところは省きますがこの本とは共通点があるように感じた。
なにより聞き手が谷川俊太郎さんという意外性。
読むのがとても愉しみ。
そしてここから先6冊は富士見「mountain bookcase」さんでのいわゆる”大人買い”ってヤツか。目をつけてた本に付随するいろいろ、前から欲しかった本・・・なんて言ってたらあれよあれよと冊数は増え。もともとは雑誌「coyote」に「spectator」を買いにでかけたんですけどね。
ちなみにこの雑誌2タイトルを置いてるお店は自分にとって大概”良い書店”。目安の一つです。
ではさっそく。
アートっていったい何だろう?
本質へ斜めに斬りこむ
「居心地のわるさ」を原理とするアートの秘密に迫る
アートはいつも居心地がわるい。この世界への違和を創作の原点としているものだから。アートはとても血なまぐさい。古い価値観を超えようとするものだから。アートはめちゃくちゃやってよい。外部で対抗しているときにいちばん生命力をもつものだから──。「アートとは何だろう?」という問いに、美術批評の第一人者が斜めから斬りこむ、ラディカルな入門書。解説 牧野伊三夫
反アート!
オレじゃん!
と飛びついた一冊。
目次を見るにそこを解きほぐしてくれそうな面もあったので。
解説が牧野伊佐夫さんというのも大きかったかも。彼も自分とってアート側であるにも関わらず反アート側を感じる人なので。
人生というロング・トレイルを、歌いながら歩きとおした男がいた──旅と酒をこよなく愛した牧水の数多くの紀行文から、傑作のみを選りすぐったトラベルライティングの決定版! 牧水エッセイ・シリーズ3部作の完結編。
自分、歩く旅人(家族含め)。
なので”歩く系”は外せないのですが別のそんな本を見ていたら脇にこの本がった。
こういう配列、いい本屋さんの証ですね。
ヨーロッパの北西、イギリスの西に位置するアイルランド。高緯度にありながら暖流の影響で一年中大地が緑に覆われており、その大地の色は「Forty Shades of Green(40色のグリーン)」といわれます。それゆえ「エメラルドの島」とも呼ばれ、ナショナル・カラーはもちろん緑です。
そんな「緑の島」には古くからケルト人が住み、万物に神が宿る精霊信仰に基づくケルトの文化が花開きました。神話、音楽、絵画、建築、言語……今も島に残る独自の文化は、この島の自然の美しさもあいまって、世界中の人を魅了しています。
本書では、ケルト暦に則って1年を「インボルク」「ベルティナ」「ルーナサ」「サウィン」と4つに分け、緑の島の季節の移ろいと、そこに暮らす人たちの日々の営みの風景を綴りました。211のトピックを通して、アイルランドの自然と動植物、ケルトの行事や風習などを存分に堪能していただけます。
また、実はアイルランドが発祥であるウイスキーやハロウィーンをはじめ、タイタニック号や小泉八雲、ギネスビール、音楽、文学などのアイルランドゆかりのいろいろについても季節の合間にたっぷりとご紹介。
ページをめくるごとに、ケルトとアイルランドの文化にとっぷり浸って、緑の島を旅しているような気分になれる一冊です。
常に気になる国・文化であり続けているアイルランド。
このシリーズで出ていたことは知っていたのですが機会を逃し続け・・・ついに、ようやく仲間入り。
本と出会い、仲間と集い、ときに抵抗する場として……かつてあった/いまも続く書店と書店主、そこを訪れ、支えた人びと。幾多のエピソードに光を当て、書店の未来に寄りそう紀行エッセイ。
目次には「世界最古の書店」「政治的であるべく運命づけられた書店」「世界の果ての本と書店」など興味深いテーマが並び、読者を書店への旅にいざなう。書店の歴史をひもとき、図書館との違いを考察し、日々足を運ぶ本屋、あるいは旅先で訪れた書店での体験を通じて、書店が果たしてきた歴史的、社会的な役割について思いを馳せる。
本書のもうひとつのテーマは「旅」である。本書に登場する書店の数は三百軒を超え、著者が訪れた国は五大陸に渡る。
読書人口が減り、町の書店が消えていくという現象は日本だけの話ではない。「書店」という存在のみが果たしうる有機的な役割について、本書が訴えかけるものは大きい。スペインで2025年に刊行された増補新版に基づき、各章の前後にエピグラフを付し、新たなエピローグ、ロジェ・シャルチエによる解説、著者が訪れた世界各地の書店の写真を集めたページ(「パノラマ」)を追加。各章に図版多数。
ガイドブックだったらこの手のテーマも、まぁ・・・という感じですがエッセイじゃないですか!旅の本ですよ。もはや。
持っていなきゃあなりません。
病気になって僕は、車を捨て歩きはじめた――。原初から現代まで、人はなぜ歩き、道を作ってきたのか。世界の文学や哲学、著者自身の記憶と経験からたどる歩行の文明史。
これが元から目をつけていた”歩く”本。
病んでからの、歩行。
自分もいつまでも健康なわけではない、という思いをもつ年代に入ってきました。(年齢だけの問題ではないけれども。)
どこかに行きたい。知らない街を歩いてみたい。
世界中を旅してきた著者には、具体的な旅行の計画を立てる前に、普段の暮らしのなかで夢想する旅がある。その時間を充実させるのが、旅のことばを読むこと。それはガイドブックにとどまらない。世界中の人々の衣食住、民族、言語、交通、自然、歴史、文化、芸術、宗教。せっかく出会う未知のものごとを、自分がいま持っている知識だけで判断し、決めつけるのはもったいない。素直な気持ちで向き合いたい。そういう気持ちになる本や、未来の旅を豊かに深める本、手本としたい憧れの旅人について、旅好き、乗り物好き、そして歴史好きの著者が紹介するエッセイ。
【本書に登場する本(抜粋)】金子泰子・文/金子敦・絵『イラン・ペルシア日記』Blood Tube /見市知『ベルリン 東ドイツをたどる旅』産業編集センター/山口文憲『香港 旅の雑学ノート』河出書房新社/邱永漢『香港・濁水渓』中公文庫/岸政彦『はじめての沖縄』新曜社/阿川尚之『どのアメリカ? 矛盾と均衡の大国』ミネルヴァ書房/高山博『中世シチリア王国』講談社現代新書/太宰治『津軽』新潮文庫/奈良文化財研究所『奈良の寺 世界遺産を歩く』岩波新書/井上靖『西域物語』新潮文庫/塩野七生『コンスタンティノープルの陥落』新潮文庫/J・ブノアメシャン『灰色の狼ムスタファ・ケマル ―新生トルコの誕生』牟田口義郎訳筑摩書房/陳舜臣『世界の都市の物語 イスタンブール』文春文庫/司馬遼太郎『北方の原形 ロシアについて』文春文庫/白石隆『海の帝国 アジアをどう考えるか』中公新書/本渡章『鳥瞰図!』140B/田中克彦『ことばと国家』岩波新書/町田和彦『図説 世界の文字とことば』河出書房新社/柴田武編『世界のことば小事典』大修館書店/塩野七生『ルネサンスとは何だったのか』新潮文庫/田澤耕『物語 カタルーニャの歴史 知られざる地中海帝国の興亡』中公新書/ジョージ・オーウェル『カタロニア讃歌』橋口稔訳 ちくま学芸文庫/小山靖憲『熊野古道』岩波新書/髙森玲子『熊野古道巡礼の旅 よみがえりの聖地へ!』説話社/梅原猛『仏教の思想』角川書店/デール・S・ライト『エッセンシャル仏教 教理・歴史・多様化』佐々木閑監修、関根光宏・杉田真訳 みすず書房/ジョン・C・トーピー『パスポートの発明 監視・シティズンシップ・国家』藤川隆男訳 法政大学出版局/岩下明裕『入門 国境学 領土、主権、イデオロギー』中公新書/武部健一『道路の日本史 古代駅路から高速道路へ』中公新書/サイモン・ガーフィールド『オン・ザ・マップ 地図と人類の物語』黒川由美訳 太田出版/『スペイン旅行記 カレル・チャペック旅行記コレクション』飯島周訳 ちくま文庫/鶴見良行『マングローブの沼地で 東南アジア島嶼文化論への誘い』朝日選書/山崎まゆみ『ラバウル温泉遊撃隊』新潮社/沢木耕太郎『深夜特急』新潮社/『おくのほそ道 付曾良日記 奥細道菅菰抄』岩波文庫/川本三郎『「男はつらいよ」を旅する』新潮選書
7月最大の驚き。
コンセプト、引用・・・もうたまらないですね。
日々チェックしているようでこんな本を見落としている。
そして他の自分の好きなテーマを探しに行くことでその欠落に気付かせてくれる・・・それがいい本屋。
ということで勢いプラスアルファで結局いい本ばかりに出合えた7月。
8月も強烈な目玉が一冊。
そうそう。
先月の目玉たる沢木耕太郎、期待を裏切らない面白さでしたよ。
スリ、押し売りに必要以上に警戒心をもって挑む旅。
今の自分ならどうだろ?しんどいかな?それとも・・・。
旅心くすぐられる日々は続きます。
実るのは10月か?
※引用は全てamazon商品ページより。
http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com
coldmountainstudy 店主:鳥越将路
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