手が透ける
いたい。
勢いよく手を伸ばす。鋭いシュートをたった親指一本で受け止める。指が裏返って、そのまま手首にくっつく。いたい、いたい。
耐え切れず母に幼稚園まで迎えに来てもらった。そして帰り道に立ち寄ったのは、いつも薄暗い病院。空気が重く籠もった部屋に通され、機械の光が腫れた指を照らす。
待っていると一枚の写真が届いた。映っていたのは自分の手。肉を超えて骨が青白く浮かび上がっている。手って透けるんだ。
「ヒビが入っていますから、安静にしてくださいね」
気が付けば、親指から手首にかけて包帯で大げさにぐるぐる巻きにされていた。
病院から解き放たれ、いつものように自転車の後部座席に乗ろうとするけれど。母は何も言わず、ひょいと担ぎ上げシートに乗せた。
揺れながら白い手を見つめる。オレンジ色の風を切るたび、冷たい金属音が流れる。困った。ゲームができない。泣きたい。もう、いたくない。
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