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山手線を歩く。第六回 代々木→原宿→渋谷編|街が変わったのか。それとも、自分が変わったのか。

本日も晴天也。

いや、晴天というより灼熱だった。

代々木駅へ降り立った瞬間から汗が噴き出す。

それでも歩きたくなる。

今日もブラリングの始まりだ。

代々木

今日のスタートは代々木駅。

新宿の隣とは思えないほど静かな街。

派手さはない。

でも、そのくらいがちょうどいい。

ブラブラ歩いていると、街の変化に気付いた。

代々木会館がない。

昭和を象徴するような、独特の存在感を放っていたビル。

街は静かに景色を書き換えていた。

カラフルな高架下。実は災害時の一時避難場所でもある。

最初はアートだと思った。

近づくと、一時避難場所の案内がある。

普段は何気なく通り過ぎる場所が、いざという時には人を守る場所になる。

歩かなければ気付かなかった景色だった。

明治神宮へ寄る予定だったが、ルートを間違えた。

鳥居を見ることもなく、そのまま原宿へ。

まあ、こんな日もある。

原宿

新しくなった原宿駅。それでも三角屋根は残っていた。

昔の木造駅舎を知っている世代には少し寂しい。

でも全部を新しくするのではなく、少しだけ昔を残してくれた気がした。

「竹下通り」は、「Takeshita Street」になっていた。

昔、この街でロックバンドのTシャツを買った。

嬉しくて家へ帰り、すぐ洗濯した。

一回でプリントは全部剥がれ落ちた。

今思えば粗悪品だった。

それも今では笑い話だ。

久しぶりの竹下通り。

まず目に入ったのは、
“Takeshita Street”
という文字。

昔は漢字だったような?

英語、中国語、韓国語。

聞こえてくる言葉もずいぶん変わった。

流行の店は相変わらず並んでいる。

でも今回は、不思議なくらい目を引くものがなかった。

そのまま足早に通り過ぎる。

若い頃はワクワクした街。

でも今日は違った。

裏原

一本路地へ入るだけで、街の空気が変わる。 

竹下通りを抜けると、人が減る。

静かになる。

古着屋。

小さなカフェ。

今の自分には、こちらの方がしっくりくる。

流行の街で出会った、一軒の和菓子屋。

豆大福を一つ。

330円。

少し高いなと思った。

でも、一口食べて納得した。

あとで調べると創業は1981年。

思ったほど古い店ではなかった。

それでも、この暖簾には歴史を感じた。

海外のスイーツが並ぶ原宿で、豆大福一本で勝負する。

その姿に、店のプライドを見た気がした。

渋谷

昔知っていた宮下公園とは、もう別の場所だった。

裏原を抜けると宮下公園。

今はMiyashita Park。

英語になる?意味はわからないがその方が今時なのか?

芝生があり、商業施設があり、スケートボードを楽しむ若者がいる。

昔の宮下公園を知っているだけに、その変わりように驚く。

公園まで生まれ変わる。

それが今の渋谷だった。

未来の街に、未来のロボット。

ドラえもんが妙にこの街に似合っていた。

未来は遠いものじゃない。

渋谷では、もう始まっているのかもしれない。

待ち合わせの定番だった景色も、今はもうない。
かつての東横店。

渋谷へ来るたびに目に入っていた東急東横店。

待ち合わせをした人も多いだろう。

自分もその一人だった。

今はその面影もなく、新しい渋谷駅へと姿を変えている。

街は少しずつ変わるんじゃない。

ある日突然、景色そのものが変わる。

東急本店も、思い出と一緒に姿を消した。

若い頃、買い物に来た東急本店。

その場所は工事現場になっていた。

何もない。

でも、その「何もない」という景色が、一番時代の流れを感じさせた。

渋谷は、今も若者の街だった。

昼飯を食べようと思った。

店はいくらでもある。

ラーメン。 

洋食。

カレー。

焼肉。

選択肢が多すぎる。

それなのに、「ここだ」と思える店が見つからない。

店が少ない街では迷わない。

店が多い渋谷では、逆に決め手がない。

そんなことを考えながら歩いていると、109が見えた。

若い頃は、この街に来るだけでワクワクした。

今はその頃ほど心は躍らない。

かつては栄華を極めたのだろう。

センター街から一本入る。

空気が変わる。

ネオン。

古い看板。

細い路地。

かつては栄華を極めたのだろう。

そんな空気が今も残っていた。

新しい渋谷も悪くない。

でも、こういう景色を見ると、少し安心する。

昭和は、まだ営業中だった。

高層ビルのすぐ隣。

小さな店が肩を寄せ合う。

再開発が進んでも、この景色だけは残っていてほしい。
そう思った。

迷った末に選んだ昼飯。

最後に選んだのは近畿食市。

渋谷には魅力的な店が山ほどある。

でも、ありすぎると決められない。

そんな贅沢な悩みも、この街らしい。

あとがき

若い頃は、渋谷や原宿へ来るだけで胸が高鳴った。

新しい店。

新しい流行。

そこにいるだけで楽しかった。

久しぶりに歩く原宿と渋谷は、あの頃よりずっと発展していた。

でも、一番印象に残ったのは、流行の店ではなかった。

裏原の静かな路地。

瑞穂の暖簾。

百軒店。

のんべい横丁。

どうやら今の自分は、新しいものよりも、昔から変わらず続いてきたものに惹かれるようになったらしい。

街が変わったのか。

それとも、自分が変わったのか。

たぶん、その両方だ。

歩けば、街の変化だけじゃなく、自分の変化にも気づける。だからもっと歩こうと思う。

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