【塾×エピソード✏️】学校の七不思議、ある?
私は塾の先生
夏期講習期間は毎日のように午後1時から午後10時まで生徒たちと向き合う。
でも毎日勉強ばかりじゃ生徒たちもつらかろう。
わかる、わかるぞ。
先生もつらい。
せめて10分休みぐらい楽しく過ごそうじゃないか。
「この夏の楽しみは何?」
「へぇ。バーベキューやったんだ。いいね。」
「花火行ってきた?えっ…どこの?」
「海行ってきたんだ。泳いだ?」
「えっ。お化け屋敷行ってきたの…?」
学習塾は勉強を教えるのはもちろんのこと、また来たいと思ってもらえることにも全力を注ぐ。
こうした何気ないコミュニケーションを積み重ね、生徒たちにとっても居心地のよい環境を作りたい。
これもまた大切な塾の仕事の一つだ。
生徒たちは夏の計画について思い思い話をする。
…が、大体2週間ぐらいでネタが尽きる。
だってほぼ毎日、塾に来ているんだから。
👨🏫「昨日、何やってたの…?」
👦「えっ…塾。」
👨🏫「じゃあ、明日、何するの…?」
👦「えっ…塾。」
👨🏫「…。」
👦「…。」
👨🏫「奇遇だね!先生もだよ!!」
夏休みだからと言って、そう毎日毎日楽しいことがあるはずもない。
次第に勉強を教えるよりも「休み時間10分」をどうやって楽しく過ごしてもらえるか考える方が大変になってくる。
だからと言ってやめるわけにはいかない。
私は生徒に笑顔で帰ってもらいたいという想いで塾を経営している。
「えぇ…おすすめのコンビニスイーツ教えて。」
「あっ、じゃあ…ごほうび飯は何?」
「うぅん…ピカチュウ描ける?」
「あと…。えぇと、逆に何かある?」
次第に話の振り方が雑になってくる。
許せ、生徒たち。
君たちも2時間勉強頑張ってるが、先生は毎日9時間勉強を教えている。
たまに呂律が回らなくなったりするから、もうそのときは心で対話しよう!
👻学校の七不思議、ある?
「えぇと、じゃあ学校の七不思議とかある?」
ーー苦し紛れの雑な質問を振られたモモは、きょとんとした表情を浮かべる。
思い返せば、どの時代も怪談は人気があった。
「ゲゲゲの鬼太郎」「地獄先生ぬーべー」「妖怪ウォッチ」…(妖怪ウォッチは怪談か?)
そんな怪談の定番「学校の七不思議」。
今でもあるのだろうかとふと気になった。
「学校の七不思議??聞いたことないですよ。」
ーーモモはケラケラと笑う。
たしかに最近は、妖怪とか怪談とか耳にしないからなぁ…。
「あっ、でも理科室のやつそうかも。」
「えっ、理科室?何それ?」
ーーモモは意味ありげに口元を歪めた。
学校の七不思議① 理科室の前の絵
「担任の先生が教えてくれたんですけど、理科室の前に絵が飾られているんですね。」
「ほう。」
「その絵は深夜2時から2時半まで、絵の中を通り抜けられるようになるんですって。」
「うん、うん。」
「…でも、2時半を過ぎてしまうと…
もうこっちの世界には戻ってこれなくなっちゃうんですよ。」
「おぉ!いい!!いいの持ってるんじゃん。
そういうの待ってたんだよ。
深夜2時に学校内をうろつく担任の先生も、意味分からなくていい!
もっとちょうだい!」
学校の七不思議② 担任の先生の冷蔵庫
「担任の先生がですね…」
「うん。」
「なんと…冷蔵庫持ってないんですよ!」
「…!?えっ…どういうこと?」
「すごくないですか。どうやって生活しているか、不思議じゃないですか?」
「…あっ。まぁ不思議だけど…。そういうのじゃないんだよ。もっと違うやつちょうだい。」
学校の七不思議③ 担任の先生のエアコン
「担任の先生が…」
「えっ。また、担任なの…?」
「なんと…エアコン持ってないんですよ!」
「…!?えっ…さっきと同じパターン?」
「すごくないですか。この暑さをどうやって乗り越えたか。不思議じゃないですか?でも、これだけじゃないんです。実は先生は…」
学校の七不思議④ 担任の先生は…
「実は、担任の先生は…」
「もう、担任の七不思議になってるじゃないか…。」
「なんと…独身なんです!」
「ん?…どういうこと?」
「すごくないですか。」
「いやいや。何にもすごくないよ。
冷蔵庫とエアコンがないのに、奥さんを先にもらう方が不思議でしょ。
まずは冷蔵庫、次にエアコン、最後に奥さん。大人はだいたいこの順番なの。」
「へぇー。」
「…もう、七不思議はないの?」
「はい。もうないですね。」
ーーモモは笑いながらあっけらかんと答える。
「じゃあ七不思議まで、あと3つ探さないとですね。」
「いや。あと6つだよ。」
