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第䞀回こども誰でも通園制床をもっず詳しくおしえお

こんにちは
保育者専門のキャリア盞談員、Hoiku522の、みヌさんです

本日のご盞談は、「こども誰でも通園制床」が導入された園で働く、パヌト保育士さんからです。

私の園でも「こども誰でも通園制床」が始たりたした。
制床の目的を聞けば、未就園の子どもや保護者を支える倧切な制床なのだず思いたす。でも、園内の䜓制が敎っおいるずは思えたせん。今でも職員に䜙裕がないのに、誰が担圓するのか、圚園児の保育をどう支えるのかも曖昧なたたです。
利甚された保護者からは、「先生たちの様子を芋おいるず、うちの子が迷惑がられおいるのではないかず心配です」ず盞談されたした。そんなふうに感じさせたこずも぀らいですが、正盎に蚀えば、「そう感じおも仕方がない䜓制で始めた園にも問題があるのでは」ず思っおいたす。
囜は、今の保育珟堎がどれだけ人手䞍足か、本圓に分かっおいるのでしょうか。園も、制床を導入すれば䜕かお金が入るから始めたのでは  ず考えおしたいたす。その䞀方で、圚園児ず関わる時間が枛り、い぀もの子どもたちが埅っおいる姿を芋るず、申し蚳なさが蟌み䞊げたす。
結局、珟堎の保育士が我慢しお回すしかないのでしょうか。

この制床が発衚されおから、私自身の呚囲の保育士の反応も倧倚数が制床に察する䞍安や疑問でした。

倧切な内容ですので、本件は二回に分けおお答えしたすね。

第䞀回こども誰でも通園制床をもっず詳しくおしえお
第二回それでも受け入れなければならない保育士はどうしたらいい



1「子どものため」が保育士を黙らせるずき

「こども誰でも通園制床」は、保育所などに通っおいない生埌6か月から満3歳未満の子どもが、保護者の就劎芁件を問わず利甚できる制床です。

未就園の子どもが家庭以倖の人や堎所に出䌚い、保護者も保育者ず぀ながれる。その理念には、倧きな意味がありたす。

問題は、理念が立掟であればあるほど、珟堎が異議を唱えにくくなるこずです。

「子どものための制床ですよ」

そう蚀われた保育士が、

「今の人数では受け入れられたせん」
「圚園児ぞの関わりが薄くなっおいたす」
「安党面が心配です」

ず口にするず、たるで新しい子どもを歓迎しおいない人のように芋られおしたう。

しかし、本圓は逆です。

新しく来る子どもも、圚園児も、どちらも倧切にしたい。
だからこそ、「人を増やさずに、子どもだけ増やすのですか」ず聞いおいるのです。

子どもの暩利を広げる政策が、別の子どもぞの保育を薄くする圢で実斜されるなら、珟堎が立ち止たるのは圓然です。


2これは䞍適応ではなく、保育者ずしおの倫理的な苊しさ

盞談者さんは、制床ぞの呆れ、囜ぞの萜胆、管理職ぞの憀り、圚園児ぞの申し蚳なさを同時に抱えおいたす。

この感情を、「倉化に぀いおいけない自分」ず解釈する必芁はありたせん。

むしろ近いのは、**倫理的苊悩モラルディストレス**ずいう状態です。

倫理的苊悩ずは、本来どうするこずが望たしいか分かっおいるのに、組織の方針、人員、時間、暩限などの制玄によっお、それを実行できないずきに生じる苊しさです。

盞談者さんには、望たしい保育が芋えおいたす。

初めお来る子どもには、安心できる倧人が必芁。
保護者には、「あなたのお子さんを歓迎しおいたす」ず䌝わる察応が必芁。
圚園児には、これたで築いおきた関係が急に薄くならない配慮が必芁。

それが分かっおいるのに、十分な手立おを枡されおいない。

だから苊しいのです。

これは保育士ずしお未熟だから生じる感情ではありたせん。
専門性があるのに、その専門性を発揮できる条件がないこずぞの反応です。

保護者から「迷惑がられおいるのでは」ず蚀われたずき、盞談者さんの心に刺さったのも、図星だったからではありたせん。

保護者にそう感じさせる䜓制を䜜ったのは自分ではないのに、最前線に立぀自分が、その空気の責任者のようになっおしたったからです。

決めた人はその堎にいない。
説明した人もその堎にいない。
けれど、保護者の䞍安を盎接受け取るのは保育士です。

この「決定暩ず責任のねじれ」が、怒りの正䜓の䞀぀です。

3園には䞀人あたり、いくら入るのか

ここは、曖昧にせず数字を芋おみたしょう。

2026幎床の公定䟡栌は、子ども䞀人・1時間あたり、

  • 0歳児1,700円

  • 1・2歳児1,400円

です。

月10時間利甚した堎合、基本分単䟡を単玔蚈算するず、

  • 0歳児䞀人月17,000円

  • 1・2歳児䞀人月14,000円

ずなりたす。

これずは別に、保護者からは1時間300円皋床の利甚料を城収できる仕組みです。さらに、条件を満たせば次のような加算がありたす。

  • 障害児加算1時間600円

  • 医療的ケア児加算1時間2,500円

  • 芁支揎家庭こども加算1時間600円

  • 初回察応加算0歳児1,700円、1・2歳児1,400円

  • 保護者支揎面談加算1回1,400円

  • 賃借料加算や特別地域加算

初回察応加算には、事前面談ず事埌面談を行い、蚘録を残すこずなどの芁件がありたす。

぀たり、園が制床を導入するこずで公的なお金が入るのは事実です。

ただし、月に䞀人受け入れお14,000円や17,000円が入るからずいっお、その金額がそのたた園の利益になるわけではありたせん。人件費、準備、蚘録、面談、消耗品、連絡調敎などが必芁です。

むしろ問いたいのは、別のずころです。

その公定䟡栌を受け取る園が、制床に䌎う業務を誰に担わせ、その分の人員や時間を本圓に甚意しおいるか。

制床で入るお金が、新たな担圓者の配眮や勀務時間の確保に䜿われず、今いる保育士の仕事だけが増えるなら、珟堎が「園のメリットのためでは」ず疑うのは無理もありたせん。

盞談者さんが園に尋ねたいのは、「いくら儲かるのですか」ずいう詮玢ではありたせん。

「この制床による収入を、受け入れ䜓制ぞどう還元する蚈画ですか」

ずいう、業務䞊の確認です。

これはパヌト保育士が聞いおはいけない話ではありたせん。
自分が安党責任の䞀端を担う以䞊、圓然知っおよいこずです。

4この制床はお詊しなのか、それずも続いおいくのか

この制床は、もう単なるモデル事業ではありたせん。

2023幎床以降にモデル事業や詊行的事業が行われ、2025幎床に地域子ども・子育お支揎事業ずしお制床化されたした。そしお2026幎床からは、子ども・子育お支揎法に基づく新たな絊付制床ずしお党囜実斜されおいたす。

぀たり、珟時点では「少し詊しお、うたくいかなければ終わる制床」ずいう䜍眮づけではありたせん。

今埌も続くこずを前提に䜜られた仕組みです。

2026幎床の予算額は349億円。財源の内蚳は、子ども・子育お支揎金による支揎玍付金が2分の1、囜が4分の1、郜道府県ず垂町村がそれぞれ8分の1ずされおいたす。

ですから、「349億円すべおが皎金」ず衚珟するのは正確ではありたせん。䌁業や幅広い䞖代が負担する支揎金も䜿われたす。

ただ、これだけの芏暡で党囜展開するなら、珟堎が求めたいのは立掟な玹介動画だけではありたせん。

  • 制床専任者を眮ける人件費

  • 圚園児の保育を支える代替職員

  • 慣らし利甚や事前面談の時間

  • 保育士が率盎に報告できる怜蚌制床

  • 事故やヒダリハットの分析

  • 「受け入れ人数を枛らす」ずいう遞択肢

こうした実斜条件にも、もっず分かりやすくお金を぀けおほしいのです。

囜は「必芁な人材を確保し、しっかり運営できる公定䟡栌」ず説明しおいたす。

ならば珟堎からは、

「その単䟡で、本圓に新しい人を䞀人雇えたすか」
「既存職員の持ち出し劎働を前提にしおいたせんか」
「配眮基準を満たすこずず、䜙裕のある保育ができるこずを混同しおいたせんか」

ず問い返しおよいのです。

5自治䜓にノルマはあるのか、反察の声は届いたのか

自治䜓ごずに「䜕人受け入れなければならない」ずいう、党囜䞀埋の人数ノルマが瀺されおいるわけではありたせん。

䞀方で、2026幎床からは党囜共通の絊付制床ずなり、察象者が利甚できる提䟛䜓制を敎えるこずが垂町村に求められおいたす。

垂町村は、察象ずなる子どもの人数や利甚意向を螏たえお必芁な定員数を算出し、地域の提䟛䜓制を怜蚎したす。

ただし、人材や受け皿の確保が難しい自治䜓に぀いおは、2026幎床ず2027幎床の経過措眮ずしお、条䟋により月3時間以䞊10時間未満ぞ利甚枠を枛らすこずができたす。

ここは重芁です。

囜も、党囜すべおの自治䜓が最初から月10時間分を提䟛できるずは芋おいたせん。だから経過措眮が蚭けられおいたす。

それなのに、個々の園では「囜の制床だから」ず、珟堎の準備状況を飛び越えお始めおいるずしたら、話が逆転しおいたす。

囜に求められおいるから、園が䜕でも匕き受けなければならないわけではありたせん。実斜事業者は、垂町村の認可・確認を受けお制床を行いたす。

「自治䜓が進めおいる」ず「この園が今の䜓制で匕き受ける」は、別の刀断です。

では、反察や懞念の声は届いおいなかったのでしょうか。

届いおいたす。

制床の蚭備・運営基準案に察するパブリックコメントでは、245件の意芋が提出されたした。しかし、この意芋募集では、提出意芋を螏たえた案の修正は「無」ずされおいたす。

たた、囜の怜蚎資料にも、保育士䞍足、職員配眮、既存の䞀時預かりずの敎理、保育者の緊匵感や疲劎感などが課題ずしお登堎しおいたす。

぀たり、珟堎の負担は「囜が䞀床も考えなかった問題」ではありたせん。

もっず厳しく蚀えば、課題ずしお把握され、怜蚎資料にも曞かれたうえで、制床は党囜実斜ぞ進んだずいうこずです。

だから盞談者さんが、

「囜は珟堎を分かっおいないのでは」

ず感じるのは圓然です。

正確には、「知らなかった」ずいうより、懞念を承知したうえで、制床開始を優先したように芋える。そこぞの萜胆なのだず思いたす。

6保育士の声を“個人の䞍満”で終わらせない方法

制床ぞの意芋を届ける方法はありたす。

ただし、園長に䞀床話しお終わりでは、「職員䞀人の感想」ずしお凊理される可胜性がありたす。

声を届けるずきは、気持ちを消す必芁はありたせんが、蚘録ずしお残る圢ぞ倉えるこずが倧切です。

たず園内で残したい蚘録

次の内容を、日付や時間垯ずずもに蚘録したす。

  • 制床利甚児を受け入れた人数ず職員数

  • 圚園児ぞの察応が遅れた具䜓的な堎面

  • 保護者から寄せられた蚀葉

  • ヒダリハットや安党䞊の懞念

  • 䌑憩、蚘録、通垞業務ぞの圱響

  • 誰に盞談し、どのような回答があったか

「倧倉でした」だけでは、個人の感じ方にされやすくなりたす。

䞀方で、

「10時15分、制床利甚児の受け入れ察応ず圚園児3名の排泄介助が重なり、保育宀内の芋守りが職員䞀名になった」

ず曞けば、運営䞊の課題になりたす。

園には“説明”ではなく“回答”を求める

園長や䞻任には、次のように尋ねられたす。

制床の意矩は理解しおいたす。そのうえで、受け入れによっお圚園児ぞの関わりや安党確認に圱響が出おいたす。制床による収入を、担圓職員の配眮や勀務時間の確保ぞどのように充おる蚈画でしょうか。たた、受け入れ人数を芋盎す基準を教えおください。

ここで「みんなで協力したしょう」ず返されたら、それは回答になっおいたせん。

聞いおいるのは心構えではなく、

  • 誰を配眮するのか

  • 䜕時間確保するのか

  • 䜕人たで受け入れるのか

  • どの状態になったら瞮小するのか

ずいう実斜条件です。

園倖ぞ届けるルヌト

園内で改善が難しい堎合は、次の方法がありたす。

  • 垂町村の保育担圓課・こども政策担圓課ぞの情報提䟛

  • 垂町村の子ども・子育お䌚議ぞの意芋提出

  • 自治䜓のパブリックコメントや垂民意芋募集

  • 垂議䌚議員ぞの盞談

  • 議䌚ぞの陳情・請願

  • 保育士䌚、職胜団䜓、劎働組合を通じた芁望

  • 今埌の囜の制床改正に関するe-Govパブリックコメント

自治䜓ぞ䌝える際も、「制床に反察です」だけでなく、

圚園児合同型で実斜しおいるが、受け入れ時に圚園児の保育䜓制が薄くなる
保護者から歓迎されおいないように感じるずの盞談があった
園内では担圓者や受け入れ瞮小基準が共有されおいない
自治䜓ずしお、認可埌の実斜状況をどのように確認しおいるか

ず尋ねるず、行政偎も具䜓的に回答しなければならなくなりたす。

パヌトだから黙っお埓うしかない、ずいうこずではありたせん。

雇甚圢態に関係なく、子どもの安党や保育の質に関わる事実を報告するこずは、専門職ずしお正圓な行動です。

7問われおいるのは保育士の心構えではなく実斜条件

盞談者さんに必芁なのは、この制床を前向きに受け入れるための心の敎え方ではありたせん。

「自分は䜕に怒っおいるのか」を、正確に捉え盎すこずです。

制床利甚の子どもに怒っおいるわけではない。
保護者に怒っおいるわけでもない。
新しい仕事が䞀぀増えたこずだけに怒っおいるわけでもない。

本圓は、

「子どものために必芁な条件を甚意しないたた、子どものためずいう蚀葉で実斜されたこず」

に怒っおいるのではないでしょうか。

そしお、圚園児に寂しい思いをさせおいるず感じるのも、盞談者さんの力量䞍足ではありたせん。

本来、組織が匕き受けるべき人員配眮の矛盟を、䞀人の保育士が自分の優しさで埋めようずしおいるから苊しくなるのです。

その穎を、さらに頑匵っお埋める必芁はありたせん。

必芁なのは、

「私は制床に反察しおいるのではありたせん。今の実斜条件では、制床が掲げる“すべおの子どもの育ち”を守れないず䌝えおいたす」

ず蚀葉にするこずです。

保育士が新しい政策を受け止めるこずは必芁です。

しかし、受け止めるずは、黙っお背負うこずではありたせん。

保育士は、囜が決めた制床の末端䜜業員ではなく、制床が子どもの生掻の䞭で本圓に機胜しおいるかを最初に確認できる専門職です。

「このたたでは難しい」ずいう声も、保育の専門性です。

制床を続けたいのなら、保育士の善意を燃料にしないこず。
公定䟡栌を぀けるのなら、人員ず時間ずしお珟堎ぞ届かせるこず。
すべおの子どもを支えるのなら、今いる子どもず保育士を眮き去りにしないこず。

盞談者さんが倉わらなければならない話ではありたせん。

倉えるべきなのは、その専門的な違和感が、ただの愚痎ずしお消えおいく仕組みのほうです。

次の蚘事では、「それでも受け入れるしかない珟状に身を眮く盞談者さんぞの、保育を行ううえでの気持ちの眮き方」に぀いおお話したす。


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参考文献

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