「これ、私の仕事だったっけ?」から始まった仕事|夢を叶えるキャリア設計#19
「名もなき家事」という言葉を知ったとき、
なんてうまいネーミングセンスなんだと思いました。
脱ぎっぱなしの靴下を拾う。
飲み終わったコップを片づける。
空になったティッシュの箱を交換する。
どれも、たいしたことではないのですが、
積み重なると大きな負担になってしまいますよね。
ときどき思うことがあります。
これ、私の仕事だったっけ?
先日、仕事でも、そんな気持ちになる出来事がありました。
この記事は、キャリアについて考えるシリーズ記事です。
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「これって私の仕事だったっけ?」
あるイベントの準備に関わった時のこと。
私の担当は、関係者への連絡業務のみでした。
ところが、本番が近づくにつれて、不穏な空気を感じるように。
担当者同士のやり取りが、どうもうまくかみ合わなくなっているのを察知しました。
確認が必要なことが増えていき、提出されたものを見て、直したほうがよさそうなところも出てきました。
時間は、待ってくれません。
担当者同士の空気が、険しくなってきました。
私は、その様子を近くで見守り、ヒヤヒヤしていました。
本番は迫っているし、ここまで協力してくれた人たちもいます。
せっかく協力してもらったのだから、なんとか形にしたいと思った私。
気づけば、本来の担当範囲を越えて動いていました。
文章を確認します。
修正についてやり取りします。
また確認します。
何度か繰り返すうちに、思いました。
これ、私の仕事だったっけ?
なぜ私はこの仕事を引き受けているんだろうと思いました。
すると、教師を25年やってきたからかもしれないと気づきました。
生徒の履歴書や志望動機書を一緒に考えることがよくありました。
ここまで考えたから、後は自分でやって、とは言えなかったんです。
関わったなら、最後まで、とことん付き合うのが私のスタイルでした。
書いてきた文章を読んで、もう少し伝わりやすくしたほうがいいところを一緒に考えて、書き直してもらって、また読む。
何度も経験してきたことだったんです。

誰かがやらないと、進まない
周りからは、先方に苦情を入れたほうがいいのではないか、という声もありました。
仕事には契約があり、任されたことには責任があります。
たしかにその通りなんですが・・
今回は本番の日が決まっていました。
誰が悪いのかを決めている間にも、時間が過ぎていってしまう。それなら、今できることをやったほうがいいと、考えました。
相手の仕事を全部引き受けるのではなく、目の前にある、誰かがやらなければ前に進まないことを、引き受けようと。
家の中の名もなき家事と、ちょっと似ています。
誰の担当か決まっていなくても、誰かがやれば、ものごとが一歩進みます。
家事も、仕事も大事なのは、自分が何をしているかを、周りに共有すること。
常に自分の仕事として引き受けてしまわないこと。
そこで、私はさらに一歩、行動しました。

人と人の間にあるもの
仕事がうまくいかないとき、つい、誰が悪いのかを考えてしまいます。
しかし、人間関係がこじれてしまうと、正しいことを言うだけでは、なかなか前に進みません。
今回も、担当者同士の関係が悪くなっていました。
だから私は、電話やメールのやり取りだけでなく、打ち合わせを提案し、顔を合わせて話す時間をつくりました。
さらに、一緒に飲みにも行きました。
仕事の話ばかりではなく、いろいろな話をしました。
話してみると、相手にも他の業務との兼ね合いで事情があったことがわかりました。悩んでいたことが共有できました。
一緒に頑張りましょうと話ができ、空気が和らいだのを感じました。
その後のやり取りは、とてもスムーズになりました。
仕事をする相手も、結局は一人の人なのです。
うまくいかない時は、お互いの状況を共有することは大事だと改めて感じました。
(飲みニケーションを推奨するわけではありませんよ笑。カフェでも、打ち合わせでもいいんです。)

教師時代のことを思い出した
生徒を見ていると、最初から何でも上手にできる子はいませんでした。
やったことがない。
どうすればいいのか分からない。
失敗するのが怖い。
不安な気持ちを抱える子が多かったです。
そんな時は、少しだけ手を差し伸べて、一緒にやってみると、少しずつできるようになります。
仕事も同じなのかもしれません。
特に今は、人手不足の時代です。
地方で仕事をしていると、一人の人がいくつもの仕事を抱えていることもあります。
以前はベテランが担当していた仕事を、別の人が引き継ぐこともあり、その人にとっては、初めての仕事なのかもしれません。
仕事だから責任はありますし、約束を守ることも大切です。
しかし、経験が少ないことと、能力がないことは同じだと考えないほうがいいと思っています。
これまでたくさんの高校生と関わってきた経験から、今回も少しだけ待ってみようと思えたのかもしれません。

なんとか間に合いました
本番まで、あと少し。
修正と確認を重ねながら、できることを進めました。
無事に間に合ったときは、ほっとしました。
今回制作したものは、イベント後も活用できます。
担当した人にとっても、今回の経験が次につながっていけばいいなと思います。
紆余曲折を経て、最後は形になりました。
イベントを観に行きますね、と担当者に連絡すると、「嬉しいです!ぜひお願いします」とお返事をもらいました。
関わって良かったと思いました。

名もなき仕事を、見える仕事に
家の中には、名もなき家事がたくさんあります。
仕事にも、似たようなことがあるのかもしれません。
今回、私は自分の担当ではないことにも手を出しました。
困っている人がいたら、少し手を差し伸べて、一緒に進めることで、仕事が動くこともあります。
ただし、誰か一人が仕事を抱え続けるのとは違います。
家事も仕事も、見えないまま誰かに偏らない方がいいので、誰が何をしているのかを共有することが大切なのだと思います。
教師25年間の経験は、思いがけないところで役に立っています。
文章を整えることも、人とやり取りすることも、誰かと一緒に考えることも。
さて、今日も靴下が落ちています。
これは、誰の仕事でしょう。

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