変わりゆく時代と風景
今日で、地元の書店が一店舗閉店する。
知ったのはつい先週だった。
今月アタマにも、WEB関連の本を探しに出向いたばかりだったのだが、そこからほどなくして母からのLINEで閉店を知ることになった。
「友達から聞いたんだけど、あそこの書店、今月の20日で閉店しちゃうんだって。入口に張り紙してあったみたいよ」と。
(え?)
つい先日行った時にはそんな張り紙あったっけ。
昨日、なんとなく気になって再びその書店に行ってみた。
入口の自動ドアの横のガラス窓には、確かに「8月20日を持ちまして閉店いたします」と書いてあった。
本店が市内のショッピングセンター内の2階にあり、自宅からは車で移動しなければ少し距離はあるが、その本店と統合されるようだ。
私がまだ子供の頃…祖父母が存命だった頃からあったので、軽く30年以上は地元に愛されていた書店だった。
よく見ると、隣のドラッグストアもいつの間にか潰れてしまい、気づかない間に建物がなくなっていた。その隣の角地にある携帯ショップも、いつの間にか消えていた。
2年前は通勤経路だったので、毎日視界に入っていた本線沿いの店舗が立て続けに3軒なくなったことになり、昨日も解体工事の重機が動いていた。
あと1週間もすれば更地になるだろう。
偶然? にしては、交差点に面した角地から向こう3軒一気になくなると、駐車場も含めて結構な風景がごっそりと消えてしまう。
携帯ショップも、ドラッグストアも、ライバル店が進出すれば、生き残りをかけて大変なのだろうが、30年以上当たり前にあった書店がなくなることは少しショックだった。
読書が苦手で普段あまり本を読まない私でも、たまに本を読みたくなる時には立ち寄ったり、甥っ子がまだ小さかった時は、結構な頻度で絵本を探しに利用していたからだ。
少し調べてみると、10年ほど前は、まだ電子書籍の売り上げは紙媒体の書籍と比べても全体の1割にも満たなかった。ところが、この10年で電子書籍(漫画や雑誌も含む)はおよそ36%ほど。3割以上に伸び、昨年比でも、紙の書籍の売り上げは1億冊を割り込んでしまったらしい。
先日の、甥の夏休みの宿題を見ていても思ったが、私達が子供の頃に使っていた計算ドリルや漢字ドリル、絵日記といった紙媒体の冊子などは、今はパソコンやタブレット一台で全て処理できる時代になった。
見た目の嵩がなく、持ち運びが便利になったり、手間や時間が短縮される点や、後々処分することを考えると良いことだとは思うが、アナログにはアナログなりの良さがあることも私は知っている。
紙媒体の本には、手に取った時のずっしりとした質感がある。
この厚みや重み、ページをパラパラと捲る時の手触りが、中に書かれている作者の言葉の重みだと思えると、なんだか「じっくり読みたいな」と思うし、本独特の匂いもある。
私も雑誌や漫画の類は電子書籍で購入することが多い。
地元の書店で取り寄せになるような本であれば、kindleで購入し、すぐに読める選択肢を取ることもある。
でも、内容は同じでも、やっぱり冊子としての「本」というカタチが傍にあると落ち着く気持ちもある。好きな時に、本棚から背表紙をスーッと目で追って手に取るあの一連の動作も何気なく好きだったりする。
これって、「本」が好きというより、本に付随する形式や行動が好きなだけなのかも知れないけれど。
時代は変わる。
当たり前だけれど、30年も経てばアナログ処理していたものはデジタル化が進む。
ここ数年でも驚くほど進んでいる。
時間は止まることがない。
便利になることは悪いことではないけれど、建物一つが潰れ、慣れ親しんだ風景ごと消えてしまうくらいには寂しさが残るものだということも事実だ。
広くごっそりと切り取られた風景には、次にはどんな建物が建つのだろう。
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