声優募集に欲しい項目
この項目が無いと応募できないこと
個人で創作活動をする人が増えた。
自分の作品にボイスが欲しくなった時、ネットで公募することもあるだろう。
しかし、声優目線から欲しい項目がないことも見受けられる。
応募しない、ではない。
それが無いと応募できないのだ。
今回、ここまで強く言うのであれば個人の好みは書かない。
いくらでも出てくるよ?個人的にこれ無理ーみたいなこと。
だけど、それは頑張って避ける。
これは公募しているにも関わらず、なかなか人の集まらない制作者へ向けたものである。
このnoteで良い声優が集まることを願ってやまない。
前提・個人制作のゲームを基準としている点
この募集に必要な要項は基本的には個人で制作しているゲームボイスを想定して書かれている。
そのためゲームを作った、ボイスを入れてみたい、と初めて募集する人へのアドバイスになる。
ノウハウをすでに持っている方々にはもっとある、というのもあるのだろうが、そこをあえて割愛や簡略化、私の見落としもあることを留意されたし。
この募集想定はゲーム、もしくはボイスドラマと思っていただきたい。
1・有償か、無償か
結局金の話か、という声が聞こえた気がする。
そうじゃない。
確かに有償の方が集まりやすい事実を踏まえたうえで、依頼の対価が書かれていないとトラブルが起きやすいのだ。
そもそもの話、他人に依頼するのは有償が前提。
声優側の好意に甘えるか、メリットを提示できるから無償が成立する。
頼まれる側が納得するから、参加しているのだ。
なので無償での参加には、声優側の納得が必要になる。
その条件提示がない場合、声優は有償であると認識している。
(というか、声優側は有償だと思ってください)
しかしながら、これは多くの場合、報酬が書かれていない募集は無償を後出しされることが多い。
そのため有償か無償か書かれていない場合、トラブルを避けるためにそもそも応募できない。
無償が悪いのではない。
書かれていないから、応募できないのだ。
ちなみに、有償とだけ書かれていても二の脚を踏むことは多い。
いくらかわからないと非常に困る。
たとえば合格した後1万文字の300ワード、セリフカット、ノイズ除去1000円!とか言われても100%断る。
極端な例だが、相場が合わない場合は全然ある。
有償であれば、交渉するか前もって1文字いくらか明記しておくとやり取りがスムーズになるだろう。
2・キャラクターが書かれていない
続いて応募できない公募は、どんな人を求めているかわからない、である。
そんなことある?と思うかもしれない。
めっちゃある。
タグで検索していると「作品作ってるんだけど、声優してくれる人いませんかー」みたいな募集は定期的に見かける。
それで応募している人もいるのは見かけるが、きちんとお仕事している人は来ないだろう。
だって、どんな人探しているかわからないから。
逆に声優目線でどんなことが書かれていたら募集キャラクターがわかるか。
・性別
・年齢
・求める声質(キャラの性格)
この3つが無いと何したらいいかわからない、である。
性別が書かれていないのは論外。
マジでそんな募集があるから笑えない。
ここに書かれているのは求めている性別ではなくキャラクターの性別の話。
女性が男性キャラを演じてもよいわけだし、逆もまた然り。
でも、これは書いておいてほしい、マジで。
続いて年齢。
これは上記に繋がる。
男性キャラです!ただし10歳!
などと言われて、多くの男性は応募できないだろう。
制作者の想定は女性の少年声を求めているのにオジ声が来ても困るだろう。
さらに求める声質。
じゃあ、仮に20代男性としよう。
ルフィ、ゾロ、ウソップ、サンジ。
彼ら、全員20代男性なんですよ。
全員求められる声質は違うのに公募条件は「20代男性」
これが年齢が上がれば余計幅が増えてくる。
男性でも女性でも求める声質が無いと応募するハードルがかなり上がる。
括弧書きで「性格」としたのは、求められる性格がわかればある程度演技の方向が決まるからである。
一般的に、テンション高めで低い声は想像しにくいし、落ち着いたキャラなら高音は求められないことが多い。
むしろ性格を書いてもらった方が演技で合わせることもできる。
しかし、声質に絞った方が合っている候補が集まりやすいので高音や低音といった音質で募集することを推奨する。
この性別、年齢、声質が欲しいと言ったが逆になくても影響ないのが、姿絵。
あったら助かる、だけど無くても応募しないまでにはいかない。
そのキャラ固有のサンプルはどちらでも構わない。
その固有セリフに関しては選ぶ側が楽になるのであった方が良いかもしれない。
3・納期が書かれていない
これに関しては声優によることではあるが、人気がある人にも来てほしいなら台本の納品と、ボイスの納品は書いておく必要がある。
正確には頼みたい文字は何文字で、台本を渡してからどれくらいの期間でボイス納品をしなければならないか書かれていないと応募できない人がいる。
ネットの声優は基本的に兼業であることが多く、録音できるタイミングが夜間か休日のみ。
余りに納期が少ないと合格後にトラブルになる場合がある。
そのため、納期を書いておいた方が応募できる、という人もいる。
ちなみに一般的に必要な納品までの期間は
~1000文字 1週間
~3000文字 2週間
~5000文字 1ヶ月
これが他に仕事を抱えていないときの最速基準だと思っている。
これ以上の文字数の場合、分割納品、分割支払いをしておく方が無難である。
4・サンプルをどこに提出したらいいかわからない
そんなのいる?パート2。
メールなの?DMなの?ドライブなの?
これが書かれていない人もたまにいる。
お勧めとしてグーグルドキュメントでページを作ることをおススメする。
というのもメールやXのDMだと迷惑メールに弾かれたり、届かなかったりするトラブルが発生する。
もちろん、届かなかったなら受け付けないというストロングスタイルも嫌いではないが、それで良い声優を見逃してしまうのはもったいない。
そのため、一番信用におけるのはドキュメントページの作成。
続いてメール、致し方無ければDMかと思う。
ちなみに納品のファイル名も募集要項に盛り込んでおくと、きちんと文章を読んでくれる人か選ぶ要項に使えるのでおすすめ。
テンプレとして『キャラクター名_声優名』とすると聞き比べの時、名前順にすればそのキャラだけ並ぶので楽だったりする。
5・納品物の使用範囲
たとえば、ゲーム内ボイスを納品してほしいと募集をかけて、出演者に無許可でPVに使用したとする。
また、納品音声をエコー加工やテンポ・ピッチ調整して使用する。
これは揉める人は絶対に揉める。
大前提として、最初に提示したもの以外使わない。
納品された物を加工しない。
このふたつは守る前提だとはっきり知っておいてほしい。
もちろん、前もって宣伝にも使うことや、エコーをかけることなどを伝えておけば構わない部分もある。
しかしながら宣伝の場合は別料金が発生すること場合があること、加工するといっても極端に印象の変わる加工をしないこと。
これらはしっかり守らなければ降板や、ギャランティとは別に損害賠償が発生する可能性まで視野に入る。
ボイスの納品とはいえ他人の声という作品を預かっている、という扱いをする必要があるということだ。
6・録音の形式。宅録orスタジオ
これも書いてかないとトラブルの原因になる項目である。
とは言っても個人の場合ほとんどが宅録である前提なのだが、それでも書かなければならないことは多い。
まず宅録か、スタジオ録音か。
ここで言うスタジオ録音は制作者がスタジオのスケジュールと費用を負担することを指す。
データ納品で個々人がスタジオを借りたとしてもそれは宅録になるので注意。
スタジオ録音の場合、押さえるスタジオの都道府県は明記してほしい。
関東在住は大阪のスタジオには行けないし、関西在住は東京のスタジオには行けない。
そのためスタジオ録音の場合、ある程度の地域限定になることは注意してほしい。
念のため交通費は出演者負担であることを明記しておけば、自費で参加する猛者もいるかもしれない。
宅録の場合、必要な情報は納品時期以外にもさまざまある。
まず、納品物の形式。
データに書き出す時にどのような形にするか、という話なのだが宅録で一般的な形式を明記しておく。
『48,000Hz 16bit WAV形式』
上記で書いておけばすべての声優が対応してくれる。
bit数に関しては制作者次第で24bitもあるが、基本的には上の形式が一般的と思っていただいて構わない。
また納品物にどれだけのクオリティを求めるか、も必要。
音声ファイルは一続きでいいのか、セリフごとか。
タイミングや尺を合わせる必要があるのか。
ノイズ除去や整音はどの程度必要か。
これらは後出しされて困る情報なのでオーディション時に書いておく方が無難である。
続いて、リテイク回数。
まず、スタジオ録音の場合はスタジオを押さえる費用を制作者が持つので時間いっぱいは可能。
もちろん、どのように違うのか、どんな表現をしてほしいのかを明確に伝えることは必須であるが。
対してリテイク問題が発生しやすいのは宅録の場合。
基本的にリテイクは1回。
演技指示が正しかった前提であることは知っておく必要がある。
逆に回数にカウントされない場合もある。
・台本の読み間違え、アクセント違い
・音質の明らかな劣化(サンプルを声優側がスタジオを借りて、納品は自宅録音)
・台本や指示に書かれていることから逸脱した表現
この場合はリテイク回数に含まれない。
しかし、上記に対応しないリテイクの場合、最初に提示した金額とは別料金が発生する。
曖昧な指示で納期いっぱいまで録り直しはできないのだ。
※レーティング系
このレーティング系に関しては扱う作品、そうでない作品があるため必須ではない。
しかし、扱っているなら記載必須である。
レーティングは大きく分けて2つ。
・アダルト
・恐怖表現
この2つである。
アダルトに関しては分かりやすいのでこの説明は要らないだろう。
対して恐怖表現とは何か。
それは叫び声や「殺す」等の犯罪を行う言葉の録音である。
宅録声優は音の反響対策は行なっているが、防音……つまり外に漏れる音までは遮断しきれない場合もある。
犯罪性のある真に迫ったセリフを録れない環境の声優もいるのだ。
そのため上記2点の要素がメインである場合は必ず記載した方が良い。
オーディション参加にフォローやRP必須
これに関して別に書かれていると応募しない、までいかないけれど、書かれていたら内容が非常に魅力的じゃなければ応募しない文言ではある。
制作サイドは作品を多くの人に知ってほしい、オーディションと宣伝を兼ねる効果を望むのだろうが、それは出演者の仕事であり参加者に関係ない。
また、オーディションが引用でサンプル提出の場合も同様。
オーディションをエンタメにするなら参加者全員に出演料を払う必要がある。
こればかりは必ず、ではないのを重ねて書くが、声優に敬意を払えないことが拡がると、良い声優の確保が難しくなる。
巨大な資本が動く大手ならいざ知らず、個人で行うインディーなのであれば芝居の上手い声優を確保するのはそこそこの苦労がある。
わざわざお金を出して作品を作るのだ。
良い声優から嫌われるような行動をする必要はない。
良い声優にまた参加してもらうために
いかがだったろうか?
あくまでも私が個人的に募集するなら書いてほしいこと、書いてほしくないことをつらつらと書いてみた。
確かに制作サイドは選ぶ側である。
応募してきた声優を選び、自分の作品を作り上げる、絶対者なのは間違いない。
だがその前のことがある。
声優に参加したいと思ってもらう、選ばれる側でもあるということだ。
良い声優を揃えたい、そのためにはまず良い声優に選んでもらう必要がある。
少なくとも6までの事柄は書かれていないと良い声優ほど除外する項目である。
外部に依頼する以上、上に立っているのではなくお互い協力関係である。
その事を忘れなければ良い声優に選んでもらえるのだ。
