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【📚2025年】読んだアート系の本ベスト10(年間13冊)

【#314、約3,700文字、写真約10枚】
2025年に読んだ120冊の本の中から、アートに関連する本13冊と、そのベスト10を紹介します。

▶︎ 結論

1位は、元・板橋区立美術館館長の『美術館商売』となりました!2025年は、美術館や展覧会を「運営する側の人」の本を多く読んだ1年でした。それにより、作品を鑑賞する視点が増え、展覧会をさらに楽しめるようになりました。アートに興味がある人・ない人も、気になった本があれば、手に取ってみてはいかがでしょうか?😀

▼ 参考)2024年に読んだアート系の本


▶︎ 2025年に読んだアート系の本(13冊)

2025年は合計120冊の本を読みました。その中で、アート関連の本は13冊でした。2024年の22冊に比べると、約半分になりました

私が本を読む場合、書店で購入することがメインでした。しかし、2025年からは積極的に図書館を使うようになりました。その結果、2025年に読んだアート関連の13冊のうち、6冊は図書館で借りた本でした。今後も、必要に応じて図書館を利用したいと思います。

また、2025年に読んだ本の特徴としては「展覧会を開く側の人」の本に多く巡り会えたことです。

学芸員(安村敏信、ちいさな美術館の学芸員)
新聞社事業部(古賀太)
私立美術館のマーケティング担当(洞田貫晋一朗)
芸術祭プロデューサー(北川フラム)

展覧会を1つ開くにしても、さまざまな人が関わっています。そして彼らから見た「展覧会」のポイントもそれぞれ違います。特に印象的だったのは、展覧会の負の側面を、真正面からしたためた古賀太でした。たくさんの展覧会に通う人ほど『美術展の不都合な真実』は心に響くと思います。

▼ 参考)2025年の展覧会ベスト10

▼ 参考)2024年 読んだアート本

以下、2025年に読んだアート系の10冊を、満足度順に150文字程度で紹介します。

1位:『美術館商売: 美術なんて…と思う前に』/安村敏信/2004年

🔗リンク

全美術館運営者に読んでほしい良書でした。著者は、元・板橋区立美術館の館長(現・北斎館や静嘉堂文庫美術館の館長)。著者は、学芸員の仕事とは、展覧会で、作品の魅力を最大限に引き出すことであり、美術館が楽しい場所というアピールが必要だと強調しています。私も、美術館=娯楽場と気づくのに時間がかかりました。

▼ 北斎館の感想

▼ 静嘉堂文庫美術館の感想

なお、この本は「ちいさな美術館の学芸員」が、書内でオススメしていた本です(noteでも言及)。ところで、読書習慣がない人の多くは「何を読んだらいいかわからない」と言います。そういう方にオススメの方法は「信頼できる人のオススメ本を読むこと」だと私は力説しています。

2位:『美術展の不都合な真実』/古賀太/2020年

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展覧会に多く行く人は満足できる内容です。新聞社事業部目線の内容が新鮮でした。「不都合な真実」とは、展覧会の企画をマスコミが担うことで、海外からは金蔓と認識されることによる立場の低下、動員数や利益のため観客を押し込む環境の悪さ、学芸員の不介在によるレベル不向上などを指します。著者の数々の提言も納得。

3位:『無言館ノオト ―戦没画学生へのレクイエム』/窪島誠一郎/2001年

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窪島氏は、政治的な思想ではなく、アートの側面から戦没学生の絵を集めました。彼の考えと、外部からの見方に生じた軋轢・葛藤が十分に伝わってきました。私は無言館の展覧会に行ったからこそ、戦争は多くの人生を破壊し、絵はに文字以上にメッセージを伴うことがよく理解できました。

▼ 無言館の展覧会

4位:『ぼくのマンガ人生』/手塚治虫/1997年

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手塚治虫の世界観には、実際の戦争体験による「生きていたという感慨、生命のありがたさ」があります。特に、マンガを描く特技を得て周囲から認められたこと、ひたすら作文を書かせた先生、焼夷弾から逃げた時に食べたおにぎりの味などが印象に残りました。科学技術が発達しても、人の良識は必要不可欠だと痛感しました。

5位:『ひらく美術: 地域と人間のつながりを取り戻す』/北川フラム/2015年

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北川フラムは、越後妻有や瀬戸内の芸術祭ディレクター。アートと、実行プロセスを知れるお得な内容です。越後妻有では、行政と会議を2千回以上するなど、地に足がついた実行力があります。土地や空き家を借りるのが困難な中、現地の人8割が実施に肯定的になった話は彼ならでは。芸術祭ブームの原点を知ることができます。

▼ 瀬戸内海の美術館を巡った記録

6位:『学芸員が教える 日本美術が楽しくなる話』/ちいさな美術館の学芸員/2025年

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日本美術が古代から近代にかけて、宗教に影響を受けながら進化していった背景が体系的に理解できました。また、意識的に噛み砕いた表現になっている点は、多くの人に読みやすいポイントです。アートは「感じる」側面がある一方、「楽しみ方」も知っていると、一層面白いものになります。

またこの本は、noteの記事から書籍化しました。私がnoteで展覧会の内容を記録・発信するようになったきっかけの1つは、「ちいさな美術館の学芸員」 のnote投稿です。展覧会の裏側を知ることで、新しい見方や楽しみ方を得られました(感謝)。

7位:『学芸員しか知らない 美術館が楽しくなる話』/ちいさな美術館の学芸員/2024年

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美術館をより身近に感じられる内容。展覧会を「つくる側」の話はどれも興味深いです。まるで工場見学のような面白さがありました。作品の貸し借りは基本タダなのはビックリ。また「まずはぐるっと会場を最後まで回ってみる」「遠慮せずにたくさん会話をして欲しい」は共感しました。

8位:『忙しい人のための美術館の歩き方』/ちいさな美術館の学芸員/2025年

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美術館に行く理由を説明するのは難しいし、それをオススメして誰かの行動を変えることはさらに難しいです。著者の導いた、美術館に行く理由は「マインドフルネス」「忙しい日常に余白を作る」「フォースプレイス」。私はすべて納得でした。また、それらは私にとっての「読書」に近いものがあると感じました。

本書にあるアンケート結果には「30代〜40代は忙しいため、最も美術館に行かない層」とありました。また、私の周りでも「美術館=敷居が高い」と言う人が多いです。さらに、ネットには、以下のような記事がありました。

「美術館の休館日を知っている(美術館によく行く)家庭=文化度が高い」というのが世間の認識があるようです(美術館によく行く子どもでも、行きたい美術館を自分で調べたり、月曜日に訪問する失敗をしない限り、休館日なんて知らないと思いますが…)。

私は大学生の頃、美術館に行った記憶はほぼありません。しかし社会人になった時、あるきっかけで森美術館に行きました。そこで、アートの面白さのを知り、さまざまな展覧会に行くようになりました(今では年間約80件)。

そんな私の管見ですが、アートは「わかるもの」ではなく「楽しむもの」です。そして、美術館は「文化度の高い場所」「高尚な場所」ではありません。「好きな場所」であり「面白い場所」です。

多くの人は、映画や歌を「好き/嫌い」で受け入れます。しかし、アートになると「わかる/わからない」が前提になってしまいます。アートも「好き/嫌い」でOK。展覧会では、すべての作品を見る必要もないし、理解する必要もないと、私は考えています。

私がその感覚に至るまで、多くの時間がかかりました。私が展覧会の感想をnoteに投稿する理由の1つが、自身の経験をもとに、アートを「難しい」と感じる人に「アートって面白そうだな」と、1mmでも感じてもらえるきっかけになることです。

9位:『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』/洞田貫晋一朗/2019年

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著者は、森美術館のマーケティング担当(2024年に森ビルを退社)。集客で毎年トップ圏内に入る森美術館は、SNS戦略が奏功しています。地方の公立美術館で、館内は閑散、SNSを未実施の場合「できることからやらんかい」と思います。SNS運用に打ち出の小槌はありません。目的と志、責任者を置くことが重要です。

10位:『デザインの誤解 いま求められている「定番」をつくる仕組み』/水野学,中川淳,鈴木啓太,米津雄介/2016年

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「THE」という定番品を企画・販売する会社の代表によるデザイン論。著者は「いいもの」よりも、その製品の概念まで深掘りした「正しいもの」を重視しています。「正しいもの」を必要最小限に、長く使う考えは私も同感。なお、デザインを語る一方、表紙の装丁がイマイチと思ったのは私だけ?

▶︎ まとめ

1位→10位

気になった本はあったでしょうか?2025年は「美術館とは?」「展覧会とは?」を深掘りする本に出会うことで、今後の展覧会巡りに多くの視点を与えてくれました。利益を目的とする企業勤めの私は、志低く運営している美術館を見ると「おいっ」と感じます。そんな私に『美術館商売』は大納得の内容でした。2026年は、どんなアート系の本に出会えるか楽しみです😊


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