茶碗屋、備忘録


工房猫溜まり

かろみとくらし ― 茶碗屋の話

一日の仕事を終え、家で食事をいただき、風呂をよばれる。

そのあと、今日の出来事を振り返りながら、静かに言葉を重ねていく。

律儀な人の話。

私の好きな人柄のひとつに、
律儀な人というカテゴリーがあります。

律儀な人は信頼を生み、
信頼が人と人をつなぎ、
そこに和らぎの暮らしが生まれる。

人は個我で立つのではない。

溶け合うことで個性が現れる。

その言葉から今日の一句が生まれた。

溶け合えば
個性あらわる
なるみかな

それから焼き物の話に繋がる。

窯には二つの世界がある。

還元焼成。

窯の中で作り手が消え、火と溶け合い、
新しい世界が現れる。

酸化焼成。

作り手のそのままを静かに写し取り、
そっと焼き上げる。

どちらにしても、作り手自身が消えなければ焼き物にはならない。

抽象でもなく、具象でもない。
観念でもない。

ただ、そこにすっくと、立ち上がるものがある。静かに。

それが焼き物であり、
私の言う 茶碗屋 である。

そして器が立つところに、暮らしが生まれる。

今夜の言葉は、ここに落ち着く。

かろみ
くらし
軽やかな器。

そこに静かな暮らしあり、
それが私の作りたい世界である。

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