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立ち止まった季節を越えて、ふたたび走り出す高2の夏

中学時代、次男は強豪シニアチームでレギュラーでした。高校は、道内の公立高校の中では野球が強い進学校を選びました。私立の強豪校のように、シニアなど中学の強豪チームから選手が集まってくる学校ではありません。
だから、次男が入部すると決まったとき、高校の監督はとても喜んでくれました。
一年生のとき、同学年では一番試合に出て、一番打ちました。監督から期待され、その期待に応えるように結果も出しました。

このまま順調にいく。

少なくとも、私はそう思っていました。

ところが、今シーズン。
なかなか力を出せなくなりました。
打てない。守れない。思うように動けない。
今振り返ると、技術や身体の問題だけではなかったのだと思います。
監督への不満。
監督への恐怖。

それをずっと抱え込んでいました。
5月、次男は監督にこれまで溜め込んできたことをすべて伝えました。

その後、野球だけでなく学校にも行けなくなりました。心療内科で適応障害と診断され、5月はほとんど登校できませんでした。
6月に少しずつ学校へ行けるようになりましたが、野球部には戻れませんでした。
7月の夏大会では、お世話になった三年生をサポートしたい思いから、チームに戻ることができました。そして最後の試合を終えた三年生に勇気をもらい、もう一度野球をやる覚悟を決めました。

それでも、すぐに元のようにはいきませんでした。
練習に行けない日もありました。行けても、すべての練習には参加できませんでした。特に、送球に不安がありました。

7月に復帰したとき、次男は監督へ
「秋大会はDHで。春、夏は外野で勝負したい」
と意思を伝えました。

次男がチームを離れていた4か月近くの間にも、チームは前へ進んでいました。当たり前です。部員は約40人。しかも、このチームは実力のある選手が最初から揃っているわけではありません。公立中学の野球部から入ってきた選手たちも、高校で練習を重ね、どんどん力をつけています。一年生のときには試合に出ていなかった選手が、三年生になる頃にはレギュラーになることも多い高校です。

次男がいない間に、みんなが成長しています。
いないメンバーで練習をして、いないメンバーでチームをつくる。
4か月も離れていた選手のために、特等席が用意されているはずがありません。
それは、次男も分かっています。
だからこそ、自分の力で取りにいくしかありません。

そして、今回の夏合宿。
私は、次男がどんな姿を見せるのかを、ずっと見ていました。

投げる。捕る。走る。

これまで自分で制限していた守備練習にも、すべて参加していました。外野手のリーダーとして、周りを引っ張っていました。

そして、監督から声がかかりました。
「秋は外野もやるか? DHでいくか?」
7月に復帰したときとは、状況が変わっていました。
送球を含め、外野の練習も問題なくこなしていました。監督の目にも、復活したように映ったのだと思います。

次男は答えました。
「外野の練習はします。でも、秋大会はDHでいきたいと思います」
外野ができないからDHではありません。
外野もできる。
そのうえで、自分はDHで勝負したい。打撃と走塁でチームの勝利に貢献したい。

そして迎えた、合宿での練習試合。
一試合目は9回に代打で出場して、フォアボール。
二試合目は、1番DHでスタメン。フル出場しました。
プレイボール直後の1打席目。
スリーボールから鋭い当たり。レフト前ヒット。
2打席目はピッチャーゴロ。
ですが、粘って、粘って、多くの球数を投げさせて、監督から褒められていました。
3打席目は、満塁でフォアボール。押し出し。
4打席目は、ライトオーバーのツーベース。
そして、5打席目はフォアボール。
最後まで出場しました。
一試合目を合わせれば、この日は6打席あり、5度出塁しました。

4か月近くチームを離れていました。
だから、今の次男に特等席が用意されているわけではありません。それでいいのだと思います。
いない間に、みんなが頑張っていました。
みんなが自分の場所をつくってきました。
その場所を空けてもらうのではなく、もう一度、自分の力で取りにいけばいい。
今回の合宿を見ていて、そう思いました。

まだ、後ろのほうにいます。

でも、ものすごい勢いで走っています。
4か月休んでいたことなんて、関係ないと言わんばかりに。

後ろから、すごい勢いで来ています。

だから、みんな。

油断していたら、追い抜かれますよ。

直近の練習試合では、ついにレギュラーチームのスタメンに名前がありました。

2番DH。

次男の新しい夏は、いよいよ秋へとつながっていきます。

秋大会でのベンチ入りはあるのか。

来週、秋大会の背番号が発表されます。

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