フィンランドの大学で『ムーミン学』を履修した話
フィンランド大学院留学も最後のセメスターになり、今は修士論文を書いています。さて、今日は大学院最後の学期に受けた授業について書きたいと思います。
履修のきっかけ
「最後のセメスターは、修論とフィンランド語の授業(中級1)に集中しよう。」 そんな風に思っていた私の元に、大学から一通のメールが届きました。
"Moomins as a Cultural Phenomenon" – Explore Nordic Storytelling and Narrative Art!
「え、大学でムーミンの授業?」と、思わず声が出そうになりました。 もともと叔母がムーミンの大ファンで、その影響で私も日本にいる頃からグッズを集めていました。フィンランドでの生活はどこを見てもムーミンがいて幸せだな〜と思っていましたが、まさかそれを「学問」として履修できる機会が来るなんて。しかもそれをフィンランドで学ぶなんて素敵すぎる!と思い、気づいた時には履修登録ボタンを押していました。そしてなんと、その次の週から授業が始まったのでした。
ポーランドの大学と共同授業
今回の授業は、UNIC(European University of Post-Industrial Cities)というコミュニティの一環で、ヨーロッパ各地の提携校とオンラインで繋がる形式でした。 私の大学と共同で開催したのは、ポーランドの大学。 教授は両大学から一人ずつ、どちらもムーミンと作者トーベ・ヤンソンの専門家という、なんとも贅沢な教授たちでした。
「かわいい」の裏にある地政学と哲学
トーベの歴史から、彼女の持つ多彩な顔、彼女の芸術が与えた影響、ストーリーテリングの手法、アニメーションの歴史、地政学や人権との繋がり、そしてムーミンのお話から学ぶ哲学など多様な分野を学ぶことができました。それぞれのキャラクターの言葉や行動にはどんな意味が込められているのか、どんな時代背景からこのお話が生まれたのか、毎回クラスでディスカッションをしました。1番驚いたことが、どのトピックにも必ず日本が出てきたことです。日本人がムーミン好きなのは有名ですが、改めてフィンランドとしてもムーミンとしても日本はすごく大切な友人でありビジネスパートナーなんだな。と思いました。
「正解」を求めない勇気をくれた教授たち
そして何より私が大好きだったのが2人の教授たちです。
海外で発言するのは勇気がいりますし、時には教授の顔色を伺ってしまうこともあります。でも、この授業の教授たちはどんな意見も一度まるごと受け入れ、豊かなフィードバックで返してくれる。その真摯な姿勢に触れるうちに、緊張していたはずの私がこの授業では「もっと話したい!」と思えるようになっていたんです。 「全員に真摯に向き合えば、自然と生徒はついてくる」生徒の立場になって得たこの実感は、将来私が学校の現場に戻ったとき、どんなクラスを作りたいかを教えてくれる大切な指針になりました。
たくさんの中身が詰まった2ヶ月
この2ヶ月は本当にあっという間でした。修論を書きながらなので大変な時もありましたが、修論の息抜きとして楽しく受けられるくらい面白い講義たちでした。今すでにフィンランドでムーミンの授業受けたんだといろんな人に自慢したくなっています笑
ムーミンがかわいいゆるキャラから人生の指針を教えてくれる教科書という存在に変わるなんて2ヶ月前のわたしは想像していませんでしたが、こんな素敵な知識をくれた教授のお二人に改めて感謝します。
日本に帰ったらムーミンを片っ端からまた読もうと思います。
では最後に大好きな言葉を。
お腹がすいていれば何でも美味しい。 ムーミンより
