見出し画像

親には、だんだん悩みを話さなくなる

私には、高齢の父親がいる。

結婚した頃は、何でも話していた。

子育てがうまくいかないことや、

夫婦喧嘩の悩みなど。

まさに「犬も食わない」愚痴ばかりで、

父にはいつも、

「そんな話ばかり聞きたくない」

と言われていた。

でも、親が歳を重ねるにつれて、

良くない話や、

深刻な話は、

少しずつ話さなくなった。

天気の話。

食べ物の話。

そんな話ばかりしていると、

父は決まって、

「もっと大事な話はないのか。」

「元気でやってるのか。」

「みんな身体は大丈夫なのか。」

と聞いてくる。

でも、不思議と話せない。

私たちのどうにもならない問題を、

高齢の親に説明する気になれない。

夫も、自分の両親には同じような接し方をしている。

私の両親も昔、

「おばあちゃんにそんな話はできないでしょう。」

と言っていた。

きっと、

誰もが少しずつ、

同じ道を通るのだと思う。

自分の身の回りのことで精一杯になっている親を見ると、

子どもの頃のように、

何でも頼ることができなくなる。

年老いた親が、

「元気でやってるのか。」

と何度も聞くのは、

昔のように、

少しでも世話を焼きたいからなのかもしれない。

そう思って、

最近は、

「少し悩み事があるんだけど、どうしたらいいと思う?」

と相談してみるようにしている。

すると数日後、

長い長い説教のLINEが届く。

「貴女はもっと旦那さんの世話をしろ。」

「貴女は子供のことをちゃんと分かってない。」

「貴女」という書き方も、

世代の違いとはいえ、

少しうんざりする。

それでも、

父はきっと、

あれからずっと考えてくれていたのだろう。

私のために、

何か役に立ちたかったのだろう。

今年のお盆にも、

帰省して、続きを話そうと思う。

いつか私も、

子どもに気を遣われる日が来るのかもしれない。

その時、

「相談されなくなった」

と寂しく思うのか、

それとも、

元気に暮らしている証拠だと思えるのかは、

まだ分からない。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集