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一緒に暮らすBobという名の犬のこと

トイプードルのレッド、現在5歳10か月。犬は嫌いだが、人は大好き。
彼との出会いは、ゴルフショップへ夫と買い物に行った際、隣にあるペットショップにふと立ち寄った時のことでした。
人気犬種であるにもかかわらず、生後5か月半になってもまだショップの大きめのケージで、愛想悪く寝そべっているちょっと情けない顔をした男の子がそこにいました。

連れて帰ろう

夫婦それぞれの単身赴任生活が終わり、そろそろ新しい家族を迎えようと考えていたこともあって、何軒かペットショップを覗いてはいました。しかし、再び犬と暮らす覚悟ができず、「もし来週もこの子がここにいたら考えよう」とその日は帰宅したのです。

翌週、再び店を訪れると、相変わらず愛想の悪い顔でショーケースに入っている彼がいました。すると店長さんがすかさず、「この子は本当にいい子なんですが、なかなかご縁がなくて。抱っこだけでもしてやってください」と声をかけてきました。

「ペットショップあるある」の営業トークに乗せられて抱っこしてみると、案外おとなしく、可愛い顔で抱かれてくれました。それでも犬と暮らす大変さが頭をよぎり、「来週来てもまだいたら……」と、その日も帰ることにしました。

そしてその翌週。店へ向かうと、店長さんは「必ず来られると思っていました。今なら半額です」と自信ありげな笑顔で迎えてくれました。私は、情けなさそうな顔でこちらを見る子犬を受け取り、夫と共に車で連れて帰ることにしたのです。名前は「Bob(ボブ)」と名付けました。


連れ帰った日のBob

うーん。後悔。

連れて帰った直後、さっきまでおとなしかった子犬は、準備したケージに入れた途端「ワンワン、わんわん!」「ここから出せー!」と大騒ぎを始めました。さっきまでペットショップで見せていたすまし顔はどこへやら。

要求に応じるとわがままになってしまうため、心を鬼にして無視することにしました。すると今度は、咥えたおもちゃをケージの上から外へ落とし、「こっちを見て」とアピールしてくるのです。なかなかの策士です。

おもちゃを外に落として気を引くBob

ペットショップでは、閉店から開店まで真っ暗なケージで寝ていたはずなのに、わが家で電気を消して一人にすると、ずっと「きゅんきゅん」と泣き続けていました。
出勤前のランニングが日課だった私は、この時かなりの後悔にさいなまれました。「あぁ、生活が一変してしまう。なんてことをしたんだ」と。
しかし、子犬は一向に泣き止みません。近所迷惑も気になるし、翌日の仕事に差し支えてもいけないと、ついには私も一緒にケージに入って寝る羽目になった夜もありました。
この子犬の扱いづらさは、ここからが本番だったのです。

犬がだめ

なぜこれほど犬に対して敵対心が強くなってしまったのか、決定的な理由はわかりません。散歩自体は大好きで、朝5時には目を覚まして「早く連れて行って」と催促するほどです。しかし、いざ外に出て地面に足を置くなり、周囲に犬がいないかぐるぐると見回りながら進みます。そして犬を見つけるやいなや、闘志むき出しで吠えまくるのです。

YouTubeの動画を見たり、本を読んだりしてしつけに挑みましたが、一向に改善しません。悩んだ末、トレーニングセンターに1か月間預けることにしました。預けている間の面会は一度きりでしたが、その甲斐あってかどこか逞しくなり、特に苦手だった柴犬と仲良く写真に納まるまで成長してくれました。
……ところが、わが家に戻るとやはり元通りになってしまったのです。

訓練すると苦手な柴犬ともツーショットできた

最近は、だれでもかれでもダメということはなくなったものの、仲良くなった顔見知りの犬以外はやはり吠えまくってしまいます。

ごはんは狩猟をしてから

とにかく食に執着がなく、おやつもほとんど食べないため、しつけには苦労しました。朝晩のごはんを勢いよく食べてくれたのは生後7か月ごろまで。丸一日何も食べないこともたびたびあり、困り果てていたのですが、ある時彼なりの食事ルーティンがあることに気付いたのです。

彼は食事の前に、「狩り」をします。おもちゃを持ってきて投げるよう催促し、取っては振り回し、また投げるよう催促する。これを何度も繰り返したあと、最後におもちゃをお皿の前に置いて、ようやくごはんを食べ始めるのです。そして、少し食べてはまたおもちゃを投げるよう催促し、遊びを挟んでやっと完食します。

どうやら、狩猟犬だった祖先のDNAがそうさせている(トイプードルのルーツ=水鳥の回収犬)ようで、最近トリミングサロンの店員さんに教えていただき、深く納得しました。こんな犬もいるんですね。
それからは彼なりのこだわりを理解することで、食事の時間も楽しいコミュニケーションに変わりました。面倒な時もありますが・・・。

ずっと一緒にいようね

散歩に大きな問題があり、ごはんも一人で食べられないおかしな犬に出会ってしまったけれど、今では愛おしさが止まらない毎日を過ごさせてくれるBob。
私が網膜剥離で入院したときは、再会のうれしさでおしっこが止まらず、廊下がびしょびしょになるほど歓迎してくれました。父が亡くなったときはそっと涙を拭い、私が出張のときはストレスで血便を出してしまう……。

散歩とボール遊びが大好きで、ずっとずっと遊び続けるBob。

これからお互いに年を重ね、体にガタもくるだろうけれど、一日でも長く、ずっと一緒に過ごそうね。

いつまでも一緒に散歩しようね

これまで暮らした犬への謝罪と感謝

私には、Bobのほかに幼い頃から共に過ごした犬が3匹います。
まずは「クロ」。迷い犬だったクロと過ごしたのは半年ほどで、記憶も少し曖昧ですが、ある日近所の女の子の手を噛んでしまい、今では考えられないことですが、少し離れた町へ放してしまいました。女の子のご家族には謝罪し、怪我も幸い軽かったのですが、今思えばそこまでしなくてもよかったのではないかと後悔が消えません。クロ、本当にごめんなさい。

次に、中型犬の「ゴン」。父と商店街のペットショップで見つけたこの子は、16年ほど生きてくれました。しかし晩年は母のガン闘病が重なり、満足に世話をしてあげられませんでした。ゴン、寂しい思いをさせてごめんね。

そして、シーズーの「ウイリー」。この子も16歳まで長生きしてくれましたが、私の仕事が忙しく、朝から晩までお留守番ばかりさせてしまいました。外でしかトイレができない子だったので、随分と我慢をさせたはずです。母の闘病中は母をにこやかにしてくれ、母が亡くなってからは父のそばにいてくれました。ウイリー、苦労をかけてごめんね。そして、心からありがとう。


これから犬を飼おうと考えている方へ

〇自由がなくなります
〇心配事が増えます
〇お金が掛かります
〇笑顔が増えます
〇愛しさが募ります
〇規則正しい生活が送れます


< Bobのプロフィール >
・2020年11月23日生まれ
・好きなおやつは「ヤギミルク味のガム」
・車は得意ですが、犬を見たりウインカーのカチカチ音がすると吠えます
・TVに犬や動物が映ると思いっきりケンカします
・最近口臭が強くなり獣医さんに相談したところ、歯槽膿漏により、歯を7本抜きました
・寝るときはベッドで私と一緒に寝ますが、いまのところ踏んでません

Note執筆中に邪魔するBob
(あなたのこと書いてるんだよ)

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