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『甘い罠』

出会ったのは、アプリの中だった
雨上がりのカフェ
カウンターに座った彼は
にこやかにこう言った
「やっと会えたね」

口にする言葉達は、まるで果実のように甘く
その人にしか分からない暗号のようなもの
で伝えてくる

わたしは知らなかった
その"jam"のような甘い言葉達すべてが
"保存料入りの嘘”だったことを

セフレが欲しかっただけなのだ
会う前は、セックスの話しばかりした

都合の良いセフレは、わたしの他にも
いるのは、分かっている

心を先になびかせた後に
オレ実は結婚するんだよ
彼は、すでに結婚を控えた
「誰かの運命の人」だった

「それでも良い?」「会うのやめる?」と
まるでそれが“罪”ではないかのように
問いかける

わたしはすでに"jam"を
愛してしまっていた

その甘さが、喉元に絡まって
苦しみだけが今も残る

月日が流れ、わたしは今、誰にも言えずにいる
彼の奥さんにバレて、脅されている事も
お金を支払った事も、働く会社にまで連絡が
あり、社会的信頼も失った

十分に傷ついたし、十分に反省した
その心の痛みは、どんなに時が経っても
心の瓶に詰められたまま、開けられずにいる

子供ができたとアプリで知った
わたしの心と身体は利用されただけだった
と、痛いほど思い知らされた

生きるのが本気で嫌になった
彼は何事もなく幸せな日々を過ごして
いるのでしょう

私だけがいけなかったの?
未だに自問自答を繰り返し  
未来に進めないでいる

一生、忘れないでしょう
甘い罠にハマった自分自身を



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