私って、そんなふうに見えてたんだ
私は、昔から目立つことが苦手だった。
自分のことを、
「暗くて目立たない地味子」だと思っていた。
人前に出ると緊張する。
緊張すると声が震えるし、
身体もプルプル震えてしまう。
授業中に手をあげることもできなかった。
みんなの前に立つのが嫌だった。

誰かに話しかけてもらうのは、
今も昔も嬉しいみたい。
学生の頃は、
クラスで目立つ男子が、
わざわざ私に話しかけてくれる。
友達が自分の席まで来てくれる。
「neruって、
話してみると意外と明るくて面白いよね」
そんなふうに言われることが嬉しかった。
私と話すの、つまんなくないんだね。

大掃除のとき、
一緒に床を雑巾で拭いていた先生が、
私の後ろをちらっと見たことに気づいた。
「先生、私ここやっておくから大丈夫ですよ」
そう言うと、
「ありがとう、お願いね」
先生はそう言って、
私の後ろにいた男子のところへ行った。
「私、今の視線、よく気づいたな」
と、気づいた自分がちょっと誇らしくてニヤニヤした。

卒業文集の「変わってる人ランキング」で
1位になったときも、嬉しかった。
私が変わってるの?って思った。
でも、目立ちたいわけじゃない。
人前に出るのは、今でも嫌だ。緊張する。
もし、同窓会に行くことがあったら、
向こうから、
「neruじゃん!」
と話しかけてほしい。
何年経っていても、私のことを覚えていてほしい。
「そんな子いたっけ?」
と話しているのを聞いてしまったら、
きっと、すごくへこむ。
普通の人として埋もれてしまうくらいなら、
少しくらい変わった人と思われても、
覚えていてもらえるほうがいい。
……あんまり変人なのは嫌だけど。
目立つのは嫌。
でも「いた気がするクラスメイト」になるのは、
もっとずっと嫌。
そういうところが、
変わってる人ランキング1位の理由だったのかもしれない。
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