見出し画像

3日で奪われた極上のAI。Claude Fable 5が教えてくれた「便利さの脆さ」

6月10日、Claude Fable 5がリリースされました。

Anthropicが提供する最新の生成AIです。
使い始めた瞬間から、何かが違うと感じました。いい意味で。
めちゃくちゃ遊び倒していました。

でも、3日で使えなくなりました。

絶賛、失恋した気分です。


「これ、違うな」と思った

最初に感じたのは速さではなく、正確さでした。

聞きたいことを聞くと、ちゃんと的を射た答えが返ってきます。
ちゃんと伝えられてなかったのに、意図を汲み取ってくれている感じがします。
「あ、これが欲しかったやつ!」という感覚が続く。

AIのモデルの進化が凄すぎて、どこかで「まあ、最新のモデルはどこもこんなもんか」という感覚が出てきます。
でも、Fable 5はその感覚をあっさり壊してきました。
まだ進化するの?と感じさせてくれるクオリティーがありました。

しかも不思議なことに、コストは高いはずなのにトークン消費が思ったより少なかったのです。

AIのコストは「どれだけ多くトークンを使ったか」ではなく、「どれだけ早く的確に答えを出してくれたか」で変わる、と実感させてくれるものでした。
Fable 5は無駄な往復が少なかった分、Opus 4.8より実質的に安くなることもありました。

「コスパ重視の自分には最高やん。」

そう思った3日後に、使えなくなりました。

6月13日に何が起きたか

AnthropicがXで告知しました。

Claude Fable 5を停止する、と。
米国外の人間(外国人)へのアクセスを制限するものです。

報道によれば、アメリカ政府の国家安全保障当局からの指示があったとのこと。
中国政府と関係のあるグループがアクセスした疑惑と、信頼できるパートナーがジェイルブレイクを発見したことが重なって、政府が動いたようです。

ジェイルブレイク(Jailbreak)は、本来機器やシステムに設けられているセキュリティ制限や動作の制約を、非正規の手段で解除・回避する行為を指します

Anthropicは「ジェイルブレイクは深刻ではない」と主張したようですが、政府側はそう判断しませんでした。

正直、最初は「一時的なものやろ」と思っていました。

でも、ニュースを読むうちに、そう簡単には戻ってこないかもしれないと気づきました。
再開の見通しは「不明」のまま。
いつ使えるようになるかわからない状態が、今も続いています。

アメリカ国民になるしかない

代わりにOpus 4.8やGPT-5.5、Gemini 3.5を使っています。

これらも間違いなく優秀です。
でも、Fable 5を知ってしまった後では、何かが足りない気がしてしまいます。
Fable 5だったら、どんな回答を返してくれていただろうか、と考えてしまう。
(Fable 5に失恋したみたいな文章やなw)

AIサービスの地域格差は今に始まった話ではありません。
日本にいると、最新機能へのアクセスが遅れたり、制限がかかったりすることはよくあります。

でも今回は、一度使えていたものが消えたという点で、感覚が違いました。
「持っていないけど欲しい」より、「持っていたのに取られた」の方が、ダメージが大きい。

これほど「アメリカ国民になりたい」と感じたことはありません。
(グリーンカードほしいぜ)

この脆い世界で、楽しみに待ってるよ

安全保障の問題は深刻で、AIが関係する政府の判断は慎重であるべきだとも思います。
「Anthropicが悪い」とも「アメリカ政府が間違っている」とも断言するつもりはありません。

ただ、一人のユーザーとして、もう一度早く使いたいです。
再開を待ちながら、代わりのツールを使い続ける日々が続いています。

今回の件で、当たり前だと思っていた利便性が、実は非常に脆い基盤の上に成り立っているのだと痛感しました。
技術へのアクセス権は、社会情勢一つで容易に揺らぐものです。
「すぐ便利になる」ということは、その逆で「すぐに不便になる」可能性も孕んでいるということ。

Fable 5が戻ってくる日を心待ちにしながら、この「脆さ」を忘れずにいたいと思います。

ありがとう。それではまた。

いいなと思ったら応援しよう!