それ逝け黒耀 4
それ逝け黒耀 4
今日は庭を開拓すべく貴公子は庭を耕している。
耕運機の激しい音と貴公子の涼し気な顔のコントラストが美しい。
女王「そろそろ、お茶の時間にしましょうか。」
貴公子「ありがとうございます。」
あれからというもの、女王は貴公子と一緒に真理の法廷の生中継を見るようになった。
よりにもよって、あの王の回だけは、必ずリアルタイムで見る。
女王「不思議ね...。ずっと見てるのになかなか王様の中継が流れないわ...。」
一年三カ月。
他の中継はされるのに、女王が気にしている回はなぜか流れない。
それもそのはず。
異なる世界線では審議官たちが必死で王の書面を翻訳していたのだから。
女王「ようやく、今日は見れそうね…。」
二人はテレビに釘付けになる。
王『……私は。
……何が足りなかったというのだ?』
貴公子「ぶーーーーー!!!!」
女王「あらあら(笑)反応が宜しいこと。」
王『....さては、煮干し。また、お前が審議官を買ったな?!子どもも....審議官さえも!!煮干しの都合の良いように根回ししているのだ!!ーーそうだろう??』
貴公子「............。」
ただただ、目の前の耕した美しい景色を遠い目で眺めていた。
呆然と景色を眺めていると女王が声を上げる。
女王「まぁ...!!犬のように吠えて…。」
王『この紙を見ろぉぉ!!
ここに全部書いてある!!
私が何を考え、何を感じ、何をしてきたのか!!
これだけ書いたのだぞ!!』
ビリィッ!!
法廷も庭も静まり返った。
女王「あははははっ!!」
「ちょっ……!! お腹痛い……!!」
貴公子「…………。」
女王「貴公子っ……!! 助けてっ……!!」
貴公子は椅子から仰け反った女王を支える。
しかし、その顔には笑みがなかった。
(……紙を破った。)
(...…あれだけ説明したのに??)
(.…結局、王は何も学んではいなかった.…。)
貴公子は遠い目をした。
(私は……何を教えていたんだ……。)
貴公子の遠い目に女王は胸が締め付けられた。
女王「貴公子......。」
ふわりと女王は貴公子を優しく包む。
女王「よく、頑張ったわね。大役、お疲れ様....。」
貴公子は静かに女王のなかで泣いた。
女王「……。」
貴公子「……女王。」
女王「何かしら?」
貴公子「……もう一杯、お茶をください。」
女王「まあ。」
貴公子「今日は……疲れました。」
女王は優しく微笑んだ。
女王「ええ。そうしましょう。」
今日も地獄の庭は平和です。
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは創作意欲のエネルギーとカフェ代になります。引き続き、変なもの書きますのでよろしくお願いします。