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どうして「ありがとう」が言えないの?              今日からできる やさしい保護者さまのかかわり方


「何度教えても、『ありがとう』が言えないんです。」

保護者さまから、このようなご相談をいただくことがあります。

お友達におもちゃを貸してもらった時。
先生に手伝ってもらった時。
お店で店員さんから商品を受け取った時。

「ありがとうは?」

そう声を掛けても、下を向いたまま何も言えなかったり、知らないふりをしてしまったり…。

そんな姿を見ると、

「感謝の気持ちがないのかな?」

「このままで大丈夫なのかな?」

と、不安になることもありますよね。

でも、どうか安心してください。

「ありがとう」が言えないことと、「感謝の気持ちがないこと」は、決して同じではありません。

実は、その背景には発達の特性や、お子さんなりの理由が隠れていることがあります。

今日は、その理由を一緒に考えてみましょう。

🌸どうして「ありがとう」が言えないの?

「ありがとう」という言葉は、とても短い言葉です。

でも、その一言の中には、

・相手が自分のために何かをしてくれたことに気付く力

・「嬉しい」「助かった」と自分の気持ちを感じる力

・相手の気持ちを想像する力

・その気持ちを言葉にする力

この4つの力が必要になります。

発達に特性のあるお子さんは、これらの力の育ち方に凸凹があることがあります。

そのため、「ありがとう」と言いたくても、すぐに言葉として出せないことがあるのです。

これは「しつけができていない」のではありません。

「まだ練習中なんだ」と考えていただけると、お子さんへの見方も少し変わってくるかもしれません。

🌸タイプ① 気持ちはあるけれど、恥ずかしくて言えないタイプ

本当は嬉しい。

でも照れくさくて言葉が出てきません。

笑顔になったり、照れ笑いをしたりすることが、その子なりの「ありがとう」の表現になっていることもあります。

🌸タイプ② タイミングがわからないタイプ

「ありがとう」は、いつ言えばよいのかが難しいお子さんもいます。

言う気持ちはあっても、考えているうちにタイミングを逃してしまうのです。

経験を積み重ねることで、少しずつ身についていく力です。

🌸タイプ③ 相手の気持ちに気付きにくいタイプ

発達特性によって、自分のことで精一杯になると、相手がしてくれたことに気付きにくいことがあります。

これは思いやりがないのではなく、「周りを見る力」がまだ育っている途中なのです。

🌸タイプ④ 言葉より行動で気持ちを表すタイプ

「ありがとう」と言えなくても、

・嬉しそうに受け取る

・笑顔になる

・お辞儀をする

・大切そうに使う

そんな姿が見られることがあります。

言葉だけが感謝の伝え方ではありません。

その子なりの表現を大切にしてあげたいですね。

🌸今日からできる やさしい保護者さまのかかわり方

① 「ありがとうは?」と急がせる前に、気持ちを代弁してあげましょう。

「貸してもらえて嬉しかったね。」

「助けてもらえてよかったね。」

まずは、お子さんの気持ちを言葉にしてあげることが、「ありがとう」につながる第一歩になります。

② 保護者さまがお手本を見せてあげましょう。

「ありがとう。」

「助かったよ。」

「嬉しかったよ。」

そんな言葉が自然に飛び交う家庭では、子どもも少しずつ真似をしていきます。

ABAでも、子どもは身近な大人の姿を見て学ぶことが多いと考えられています。

③ 言葉以外の「ありがとう」も認めてあげましょう。

笑顔になれた。

会釈ができた。

嬉しそうな表情が見られた。

それも立派な「ありがとう」です。

「嬉しかったんだね。」

そう受け止めてもらえる経験が、言葉を育てていきます。

④ 言えた時は、結果より気持ちをたくさん褒めましょう。

「ありがとうって言えたね。」

だけではなく、

「伝えようと思えたことが素敵だったね。」

そんな言葉がお子さんの自信につながります。

⑤ 焦らず、お子さんのペースを信じましょう。

子どもの成長は、人それぞれです。

昨日できなかったことが、ある日突然できるようになることもあります。

小さな一歩を一緒に喜びながら、ゆっくり育てていきましょう。

🌸花音からのメッセージ🌸

「ありがとう」が言えない姿を見ると、

「もっと教えなきゃ。」

「私の育て方が悪いのかな。」

そんなふうに、ご自分を責めてしまう保護者さまもいらっしゃいます。

でも、お子さんは毎日たくさんのことを学びながら、一歩ずつ成長しています。

今は言葉にならなくても、心の中では「嬉しい」と感じているかもしれません。

その小さな気持ちに気付いてあげられる一番近くの存在が、保護者さまです。

どうか「できないこと」ではなく、「今日できた小さな成長」に目を向けてみてください。

その積み重ねが、お子さんの自信になり、親子の笑顔につながっていきます。

子育てには、正解も完璧もありません。

だからこそ、一人で頑張りすぎないでくださいね。

今日も、お子さんのために頑張っている保護者さま、本当にお疲れさまです。

明日も、お子さんらしい笑顔がたくさん見られますように。🌸

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