🎹【本選編・最終話】ピアノ歴3年の娘が、本選で奇跡を起こすまで。
ステージの重い扉が開き、演奏を終えた娘が戻ってきました。 その顔を見た瞬間、私はすべてを悟りました。
これまでは、終わった直後に「あそこが転んだ」「音が濁った」と反省会(あるいは泣き言)が始まるのが常。
けれど、今日の娘は違いました。
憑き物が落ちたような、雲一つない晴れやかな笑顔。
「お母さん、今までで今日が一番うまくいった。もう満足!」

すべてでした。
■ 師への報告と、12歳の潔さ
彼女はスマホを手に取ると、間髪入れずに「神セブン先生」へとLINEを打ち始めました。
「先生から習ったこと、全部できました。結果はどうでもいいです。悔いはありません。ありがとうございました!」
画面越しに送られた、迷いのない言葉。 オンラインレッスンという画面の壁を越えて、先生が授けてくれた「耳」と「指」の教えを、彼女は確かにあのステージで形にしたのです。

親としては、「結果はどうでもいい」なんて言われると、飛んでいった諭吉たちの顔がフワフワと脳裏をよぎりますが(笑)、本人がこれだけ出し切ったのなら、もう何も言うことはありません。
「よし、じゃあ、とりあえず参加賞代わりの講評でももらいに行こうか」
私たちは、なかば「お疲れ様会」の気分で、結果掲示と講評の受け取りへと向かいました。

■ 掲示板の前で、一応ね、一応。
入賞なんて、望むべくもありません。
周りは全国レベルの猛者ばかり。
私たちの目的は、あくまで「審査員の先生方が、あの泥臭い努力の音をどう聴いてくれたか」を確認すること。
「講評、なんて書いてあるかな。厳しいこと書かれてても泣かないでよ?」 なんて冗談を言いながら、講評受け取り所の手前にある、入賞者掲示のボードへ。
「一応ね。一応、確認だけしとこうか。万が一、億が一、何かの間違いがあるかもしれないし」
淡い期待というよりは、もはやコンクールに参加した者の「義務」として、貼り出されたばかりの全国大会出場者、入賞者名簿に目をやります。 そこには、予選を勝ち抜いてきた強豪たちの番号がズラリ。
私たちは、自分たちの番号を探して、指でゆっくりとなぞり始めました。
(……えっ?)
私たちの視線が、ある一点で止まりました。
■ 現実になった「無謀な決意」
え、本選入賞者に、娘の名前がある。
「本選奨励賞」
「あんた……あんたの名前、あるよ!!!」

私の声に、隣にいた娘が弾かれたように掲示板を凝視します。
次の瞬間、彼女の瞳から、溜まっていたものが一気に溢れ出しました。
ピアノ歴わずか3年。私たちは暗闇の中を手探りで、泥臭く進んできました。
実は一年前、悔しさにまみれた本選の後、彼女はこう宣言したのです。
「来年は絶対に、本選で賞を獲る」
正直、親の私は(それはあまりにも無謀な決意表明だよ……)と心の中で思っていました。
けれど、娘はその言葉を、今日、現実に変えてみせたのです。
★昨年(小5)の始めてのほろ苦い本選の様子。
この日の無謀な決意を1年後現実にしました
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■ 最後に:見守ってくださった皆様、そして先生へ
読んでいただいた皆様、娘の挑戦をここまで見守っていただき、本当にありがとうございます。
小学6年生のこの年は、オンラインレッスン中心。正直、いろいろと厳しい中での挑戦でした。
けれど、素晴らしい先生との出会いがあり、オンラインレッスンのみで本選入賞まで導いていただきました。
「神7先生」とかいう若干ふざけたキャラ設定にしてしまいましたが(笑)、note掲載をお許しいただき、娘を信じて導いてくださった先生には、改めてこの場を借りて、最大級の感謝を伝えたいと思います。
本当にありがとうございました。
娘のピアノの学びは、これからも続きます。
学んだ曲のこと、演奏会やコンクールのこと、親子のドタバタな日常……これからもゆるゆる語っていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
12歳の夏。
小さな侍の戦いは、最高に美しい「C級本選奨励賞」という証を刻んで、幕を閉じました。 さあ、お祝いのチョコミント、買いに行こうか!
(🎹2023年 小6 ピティナピアノコンペティションC級挑戦編 完🎹)

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