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【私の浮気調査24字】「すぐ帰るよ」から5時間半後の帰宅。|結婚生活|夫婦関係|不倫


土曜日の話です。

夫が「ちょっと会社に顔出さないといけない」と言ったのが朝10時で、娘が「パパいかないで!」と言って、夫が「すぐ帰るよ」と言って出かけました。

私服で。

私服でした。念のため書いておきますが、私服でした。

土曜日に「会社に顔を出す」人間が私服で出かけることもあるとは思います。

ただ私は12年間この人の土曜日の外出を見てきていて、「会社に顔を出す」と言うときの服装と、そうじゃないときの服装の違いが、なんとなくわかってきていました。

今日の服装は、明らかに後者でした。

「すぐ帰るよ」の「すぐ」が何時間を指しているのかは、そのときまだわかりませんでした。


調査日:土曜日
10:23 対象者、三軒茶屋の自宅を出発。私服着用。
11:12 二子玉川駅にて同女性と合流。
11:30 二子玉川ライズ付近のカフェに入店。
13:51 カフェ退出。徒歩にて移動。
14:18 砧公園内を散策。
16:05 同女性と別れる。
17:51 帰宅。

会社に顔を出した形跡は、ありませんでした。


2026/07/25 11:12 二子玉川駅にて同女性と合流。


2時間のカフェと1時間半の公園散策。合計5時間半。

「すぐ帰るよ」が5時間半でした。

この人の「すぐ」は私の知っている「すぐ」と単位が違うのかもしれません。

もしかして夫の時間感覚では5時間半は「すぐ」の範疇なのか。そうだとしたら、12年間のすれ違いのいくつかはそこで説明がつく可能性があります。説明がついてもどうにもならないですが。

娘は「パパいかないで!」と言ったあと、しばらく玄関の方を見ていました。「パパすぐ帰るって」と言ったら「うん」と言っていました。5歳の「うん」はまだ「うん」なので、それで納得して、リビングに戻りました。その「うん」が軽くて、私はそれをいい意味で受け取りながら、同時に少し重たく受け取りました。

娘がまだ「うん」で済む話だと思えているうちに、この家で何かを決めなければいけないかもしれない。

二子玉川から砧公園へは歩いて行ける距離です。多摩川の土手を少し行って、砧の方に入っていく道。7月の日中は日差しがきつくて、木陰を探しながら歩くような感じになります。私も娘と何度か歩いたことがある道です。

夫がその道を別の人と歩いていたとして、同じ道がなんか違う道みたいに感じる。おかしい話ですけど、そういう気持ちになりました。

砧公園。うちから車で10分の、あの公園です。娘が「どんぐりひろいたい」って言うたびに連れて行く、あの公園。秋になるとどんぐりが落ちていて、娘がビニール袋にいっぱい入れて帰ってくる。「ほらー!いっぱいとれた!」と言いながら得意げに見せてくれる。

夫も何度か一緒に来ていて、「どんぐり何本持って帰るの」って娘に言いながら笑っていた。7月の砧公園は緑が濃くて、娘と行ったとき葉っぱで影遊びをしました。
そのとき笑っていた場所を、今日夫は別の人と歩いていました。


報告書に「砧公園」という文字を見つけた瞬間、笑いそうになりました。

笑えないんですけど。笑えないのに笑いそうになる、という感覚はなんなんでしょうね。「笑うしかない」の「笑う」が来かかって、でも笑えなくて、その中間でしばらく固まっていました。砧公園が私にとって急所だとは知らなかった。知らなかったというか、これが急所だと気づかせてくれたのが今日の報告書でした。

その日の私と娘は何をしていたかというと、午前中に近所の世田谷公園に行って、お昼にカレーを作って食べて(今週3回目。そろそろ娘も気づき始めています。「ねえカレーばっかりじゃない?」と言いそうなのを気配で感じながら鍋を混ぜていました)、娘が昼寝している間に私もそのままうっかり寝てしまって、起きたら17時を過ぎていました。

夏の午後の光が部屋に入っていて、娘が「おかあさん起きた」と言って、私は「おきた」と言いました。しばらくそのまま二人でぼーっとしていました。特に何も言わなくて、エアコンの音だけがして、それが今日一番穏やかな時間でした。二人で昼寝して、二人でぼーっとしている。これが今日の私たちの土曜日でした。

夫が帰ってきたのは17時51分でした。「お疲れ、会社どうだった?」と聞いたら「まあまあ」と言っていました。

まあまあ、か。

二子玉川のカフェで2時間過ごして、砧公園を1時間半歩いた後の「まあまあ」。「まあまあ」という言葉は、ある意味で正直だと思います。

良くもなく悪くもなく、まあまあ。それが本当の感想なのか、取り繕っているのか、今の私にはわからない。

「まあまあ」という言葉が今日の一番誠実な返答だったとしたら、それはそれで何かを表している気がしました。

夕飯のとき、娘が「パパ今日お仕事だったの?」と聞きました。夫が「そうだよ」と答えました。娘が少し考えてから「たいへんだったね」と言いました。

たいへんだったね

娘は何も知らないし、「パパが土曜日に仕事するのはたいへんなことだ」という知識で言っただけで、他意はない。他意がないから余計に、その言葉が胸のあたりに落ちてきました。「たいへんだったね」を受け取った夫がどんな顔をしていたかは、私はあえて見なかったので知りません。

私は何も言いませんでした。

「たいへんだったね」と言うのが正しい妻なのかもしれないし、黙っているのが正しい妻なのかもしれない。でもどれが正しいかわからないまま、夕飯が終わりました。

今日の夕飯で一番正しかったのは娘でした。

大人二人が黙っていたのに、5歳の娘だけが「たいへんだったね」と言った。「たいへんだったね」と言える人が一人でもこの食卓にいてよかったと思います。

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