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ベトナムの街角で考えた、戦争とアメリカの「その後」

ベトナム・ホーチミン。初めて降り立ったその街は、高層ビルが立ち並び、観光客で溢れる大都会だった。
でも、アメリカ人の僕にとって「ベトナム」という言葉には、どうしても別の重みがある。
街中にはためく共産主義の赤い旗を見て、一瞬ドキッとした自分がいた。「共産主義=悪」——子どもの頃からの教育が、今でも体に染みついている。

そんな自分の反応に気づいたとき、ベトナム戦争のことをちゃんと振り返ろうと思った。

🛫 まさかの搭乗拒否からスタート

成田空港でチェックインしようとしたら、自分だけ搭乗拒否
アメリカ人はビザが必要で、申請はしていたものの審査結果がなかなか出ず、日本のパスポートを持つチームメンバーを見送ることに。追加料金を払って翌日のフライトに振り替え、なんとかベトナム入りした。
日本のパスポートって、やっぱり強い。世界中どこでも自由に行けるのに、パスポート保有率が20%にも届かないのは本当にもったいない話だと思う。

🇻🇳 ベトナム戦争はなぜ起きたのか

フランスの植民地支配から話は始まる。
第二次世界大戦後、革命家ホー・チ・ミンが独立を宣言。しかしフランスは譲らず、戦争へと発展する。1954年のジュネーブ協定でベトナムは南北に分割され、北は共産主義、南は反共産主義という構図ができあがった。

ここでアメリカの「ドミノ理論」が登場する。

一つの国が共産化したら、次々と周りも共産化するんじゃないか。

冷戦時代ならではの発想と恐怖。1964年のトンキン湾事件をきっかけに、アメリカは本格参戦。北ベトナムの船がアメリカの軍艦を攻撃したとされ、議会は大統領に軍事行動の全権を与えた。
ただ、南ベトナム政権は腐敗し、民衆の支持も得られず、アメリカはベトコンのゲリラ戦に苦しんだ。

📺 初の「テレビ戦争」

ベトナム戦争は、戦場の映像が毎晩お茶の間に流れた最初の戦争だった。

政府の発表と現実のギャップが、誰の目にも明らかになっていった。
1968年のマイライ虐殺事件——アメリカ兵が南ベトナムの村で数百人の非武装市民を殺害。1969年に報道されると、国民の「疑問」は「怒り」に変わった。

🎰 誕生日で決まる運命——徴兵くじ

1969年からアメリカが導入した**「徴兵くじ」**。
1年365日、それぞれの誕生日に番号が割り当てられ、テレビの生中継で抽選される。自分の誕生日が早く呼ばれたら、ベトナム行き
18歳から26歳の若者が、家族とテレビの前で、運命が決まる瞬間を見守る。——想像するだけでゾッとする。
ちなみに大学生や富裕層の多くは回避できた。トランプもその一人で、「骨棘(bone spurs)」の診断書で徴兵を免れた話は有名。結果的に、労働者階級や黒人が多く戦場へ送られた。徴兵を恐れて約5万人がカナダへ逃亡した。

🎬 この徴兵くじの話は、ポッドキャストのEp #434でも語っています。

エピソード内でこのくだりを話したショート動画がInstagramでバズりました!

✊ Make Love, Not War

反戦デモは全国に広がった。
1970年、ケント州立大学でデモ中の学生4人が州兵に射殺される。「Make Love, Not War」のスローガンとともに、ヒッピー文化がさらに大きなうねりになっていった。
1971年にはペンタゴン・ペーパーズがリーク。政府が何年も戦争の実態を隠し、国民を騙していたことが暴露された。国民の政治への信頼は崩壊し、アメリカ社会は深く分断された。
1973年にアメリカはベトナムから撤退。約5万8千人のアメリカ兵が戦死。帰還兵は英雄として迎えられず、むしろ冷遇された。PTSDが社会問題化し、ホームレスになる退役軍人も増えた。

🕊️ 終戦から50年の今

アメリカには約130万人のベトナム移民が住み、ベトナム系アメリカ人の総人口は200万人を超えている。
そして意外にも、世論調査では日本と同じくベトナムはアメリカに好意的な国としてたびたび上位に入る。
両国とも深いトラウマを抱えながら、恨みを抱き続けるよりも関係を築くことを選んだ。
自分の国の複雑な歴史を知ることは、偏見を覆すことにもつながる。
偏見を覆せば器も視野も広くなり、より寛容になれる。
初めてのベトナム、感慨深い出張となりました。

3行まとめ

  • 🇺🇸 ベトナム戦争はアメリカ初の「テレビ戦争」であり、政府への信頼を根底から覆した

  • 🎰 誕生日で戦場行きが決まる徴兵くじ——想像を超える恐怖が日常にあった

  • 🕊️ かつて戦った国同士が、今は友好関係を築いている。歴史を知ることが寛容への第一歩

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