私と犬、添い寝
最近、私は我が家の犬と添い寝をすることにすっかり味をしめてしまった。たまに同じ布団に潜り込んでくるだけで、日常の端がふっとほころび、妙に特別な夜になる。
まくら
犬という生き物は、本来枕などいらないはずだ。
あれは細い首と重たい頭を持つ人間のために発明された道具であって、彼女のように軽やかな身体には無縁のものだろう。
それにもかかわらず、彼女は奇妙な枕の使い方をする。首を預けるでもなく、なぜか丸ごと枕の上に乗り上げ、そこでくるりと身を巻いて眠り込んでしまうのだ。可愛い、けれどこの上なく邪魔でもある。
そっとどかしても、すぐにまた枕へよじ登ってくる。どうにも諦めない根性があるらしい。仕方なく、正しい枕の使い方を教えてみたところ、時たまきちんと頭を乗せて寝ている。そんな姿を見ると、胸の奥で小さな鐘が鳴るように、たまらず愛おしくなる。
くるくる
犬はしばしば身を丸めて眠る。我が家の犬も例に漏れず、見事な“くるくる”で夜を過ごす。
だが、丸まることで意外と幅を取るのが困る。私の布団はそれほど広くないため、くるくるになった彼女が横に陣取ると、人間一人分ほどのスペースを豪快に奪ってしまう。すると私の寝床はぎゅうぎゅうと圧迫され、少しばかり寝心地は悪くなる。
布団に入ってきてくれるだけで胸が温かくなるのに、同時に快適な睡眠から遠ざけられてしまうのだから、これまた甘くて切ない矛盾である。
ゆたんぽ
秋が終わりかけ、夜の空気はひどく冷えるようになった。その冷気を退ける最強の味方こそ、犬だ。
犬は人間よりわずかに体温が高く、そのうえ柔らかな毛並みがふわりと熱を蓄える。布団に彼女が潜り込み、丸くなって寄り添ってくると、そこだけまるで湯たんぽが置かれたようにあたたかい。
そのまま軽く抱き寄せると、ぽかぽかとした熱が胸元から広がり、眠りへ誘われる。なんとも幸福なひとときだ。
もっとも、寝心地は前述の通りやや悪くなる。嬉しさと不便さ、温もりと窮屈さ――すべてひっくるめて、結局のところプラマイゼロなのだろう。
