【大人の自由研究】東京で風に吹かれたきゃビルの隙間に行けば良い~世にも不思議なビル風の仕組み~
暑い。暑すぎる。
家からコンビニまで歩くだけで背中に汗をかいて、インナーが肌にくっつく。
コンビニに入ると、冷気が体を覆って、スーッと涼しくなる。
夏ってこんなに暑かったっけ? と毎年思っている今日この頃。
先日東京に行っていたとき、熱中症予防になりそうなスポットを発見しました。それがビルとビルの隙間。正確にはビル同士がほぼくっついていて、トンネルのように間を通り抜けられる道があるというところでした。
ここはずっと強風が吹いていたんです。特別風が強い日ではありませんでしたが、傘さしているとひっくり返るぐらいの強風。
これはビル風です。
でも、不思議に思いません?
風は何も邪魔するものがないところ、海とか川のほうが強くて、建物とかの邪魔するものが多いところほど弱くなりそうなものじゃないですか。
というわけで、なぜビル風が強くなるのか調べてみました。
1.本当にビル風はあるのか?
とはいえ、ビル風があるあると言っても、本当にあるのか分かりませんよね。
そこで簡単な実験をしてみることにします。
使うのはサーキュレーターと段ボール箱、ビニールひも。
サーキュレーター(静音モード)から1m離したところにビニールひもやビルに見立てた段ボール箱を置いて実験しました。
A:段ボールなし(海とか川とかと同じ)
ビニールひもは飛んでいきました。
やっぱり邪魔するものがないときも風は強く感じやすいと言えそうです。

B:段ボールあり→段ボールで挟む(東京で体験した状況)
ただ段ボールを置いただけだと、ひもは飛んでいきませんでした(=風は弱くなっている)。
ところが、段ボールで挟むとひもは飛んでいきました(ビル風発生!)。

というわけで、ビル風は確かに存在していると言えそうです。
ただ、ビルがあればいいのかというと、そういうわけでもなく、ビルとビルの狭い隙間のようなところで発生しやすいことが分かりました。
2.なぜビル風は発生するのか?
では、なぜビル風が発生するのでしょうか。
そもそも風というのは、一般的には気圧の差があるときに生じる空気の流れのことです。
空気は気圧の差があるとき、高いところから低いところに流れ込みます。実験で使ったサーキュレーターも羽根を使って気圧差を作り出して風を起こしています。
ビルに風がぶつかるとその場で空気がたまります=気圧が高くなる。空気がたまる、つまり人間でいえば満員電車に押し込まれるような感じです。
どんどん空気がビルにぶつかってくると、端っこの空気が気圧の低いビルの横に向かいます。このはじき出されて気圧の低いところへ向かう空気がビル風の正体です。満員電車でもぎゅうぎゅうされていると、早く人がいないところへ逃げたくなりますよね。あれと同じです。
でも実験で見たように、ただ段ボール箱を置いただけではビル風は観測できませんでした。
これは今回置いた段ボール箱がそんなに高くなかったこと、サーキュレーターの風がそこまで強くなかったことも影響していますが、風の通り道が広かったことが最も大きな理由だと思います。
満員電車のたとえでいうと、駅に着いたときに、もし電車のホーム側が全部開いたらゆっくり降りられますし、そこでぎゅうぎゅうは終わりますよね。でも、実際は限られたドアしか出口がないので、降りる人はそこに集まります。そうすると、出る時もぎゅうぎゅうしちゃいますよね。つまり、気圧が高い状態が続くので、出る時に後ろから押されて急いで出ることになります。
段ボールをただ置いただけの場合は、電車の片方が全部開いているような状態です。ですから、ビルから逃げ出した風はゆっくり、そしてすぐに気圧の低いところに散っていきます。なので、風をあまり感じません。

しかし、別の段ボールで挟むと、逃げ出した風がまた別の段ボールにぶつかってしまい、気圧が高い状態が続きます。そして、挟んだことで通路が出来て、出口が1ヶ所になるので風が気圧の低いところへ逃げようとして、出口めがけて流れ込みます。これは満員電車から降りるときに人に押されながら出るのと同じです。急いで出る分、流れにはスピードがつきます。これが空気だと強い風になるわけです。

あとは、水が出ているホースの出口をギュッと握ると水が強くなるのも同じですね。水が狭い出口に集まるので、押されて勢いがつくのです。
挟んだことで出来た狭い通路に風が吹くのは、こういう仕組みです。
3.ビル風はどこに出る?
ビル風は台風なんかの日には厄介なものです。ただでさえ風が強いのに、さらに風が強くなってしまうので。
しかし、真夏には意外と助かる部分もあります。弱い風が集まって、強い風になっているので、涼めるからです。
今回の実験で分かったように、ビル風はビルとビルの狭い隙間で起きやすいです。高層ビルがたくさんあるところで、狭い道路や通路があるときは入ってみてください。
そこには恵みの突風が吹いているかもしれません。
もっとも、そこが日なただと太陽で暑いので、結局危ないですし、何もしないでいると熱風を浴び続けるだけなので水で体を少し濡らして入るとか工夫は必要です。日陰の通路がベストですね。
4.おわりに
ビル風について実験してみましたが、結構ちゃんと観測出来て感動しました!
東京で散歩とかするときには、ビル風スポット探しもしてみてはいかがでしょうか?
あとは、お子さんの自由研究とかでも使えそうですね!
