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AIのリスクとその先

②脳の外注化が進んだ未来


AIの怖さは、もうひとつあります。まだの方は、ぜひこちらから。

前記事:AIは、あなたの孤独を食べて育つ


さて、
AIを使えば、すぐに答えが出るので便利です。

文章を書いてくれる。
分かりやすくまとめてくれる。
綺麗に言い換えてくれる。
選択肢を出して、悩みを整理してくれる。
反論も、謝罪文も、企画書も、相談文も、数秒で形にしてくれる。

この便利さは、「考えなくて済む」便利さです。

AIを使い続けることで、人間の考える力が低下する危険性を示す研究報告がいくつも出ています。

心理学や認知科学では、これを 認知的オフローディング と呼びます。

かんたんに言えば、脳の外注化です。

不便から便利を体感した私たちは、これまでにも便利さの代償を支払っています。

電卓が登場して、暗算ができなくなった。
カーナビが登場して、道を覚えられなくなった。
スマホが登場して、電話番号を覚えられなくなった。

そして今、AIが登場したので、今後は「考えることができなくなる人」が、ますます増えていく時代に入ります。すでにそうなりつつあります。

AIの広がりは、膨大な知識のコモディティ化(一般化)を成功させました
それは、考えない人の増加だけでなく、世の中のスピードをさらに加速させています。

スピードが加速するということは、一日の仕事量がさらに増えるということです。そして、仕事の納期も短さが求められるということです。

そして、競争もさらに激しくなっていきます。
靴屋さんの業界のように、一度流行れば似たようなデザインが次々とあらわれる、それがコモディティ化です。
つまり、どんなジャンルでも「知っていて当たり前」で「似たようなもの」であふれかえる、それが当たり前化するということです。

もし、確かめたいなら、
AIを使ってnoteの記事をひとつ上げてみてください。そして、自分の記事の下を見てください。似たようなタイトル記事であふれかえっています
そして、その記事を覗いてみてください。使われている言葉も、言い回しも、似たようなものばかりです。

それがコモディティ化、当たり前化の世界です。

そうなると、読んでもらうためには工夫が必要になってきます。
以前より情報に価値を持たせる必要が出てきます。
つまり、文章にさらに工夫が必要になってきます。
どんなジャンルでも、そんな未来がすぐそこに来ています。

そして何より一番の問題は、AIに考えることを任せすぎること。
AIへの依存は、知能の低下を引きおこす、言いかえれば自分で考える力が弱くなってしまうという研究報告が複数上がっているという現実。

研究報告では、AIのサポートを受けた人は、一時的には成績が上がったものの、使用10分後にAIを取り上げられると、自力で問題を解く力や粘り強さがガクンと落ちていたということです。

また、大学生を対象にした長期追跡調査では、AIを無制限に使ったグループほど、記憶の定着や批判的思考のスコアが低下したとされています。

AIを用いてエッセイを書いた学生は、AIを使わずに書いた学生と比較して、神経・言語・行動のすべてのレベルで一貫してパフォーマンスが下回ることが確認されています。
これは、縦スクロールが記憶定着を低下させるのと同じような結果です。

マイクロソフトとカーネギーメロン大学の共同調査では、生成AIの出力を信頼すればするほど、自分自身で考える認知的努力が減ることが指摘されています。つまり、考えることを丸投げしちゃうとクセになるという報告です。

なぜ、これが危険なのか?

それには理由があります。
簡単な話、人間の思考力は、迷うことで育つからです。

嫌な思いをする。そして考える。
うまく言えない。そして言葉を探す。
どちらが正しいか分からない。そして考える。
すぐには答えが出ない。そして、少し待ったり、考え直したりする。

この、いっけん面倒くさい時間が、
自分自身がこうありたいという未来にまで導いてくれる「必須のステップ」で、いわば脳の筋トレです。
そしてAIは、その筋トレを飛ばしてくれます。

だからAIはメチャ楽なのですが、引き換えに知能が低下するというわけです。
悪魔との契約みたいな感じですね。魂をあげるから願いを叶えて、みたいな。

プロセスから得るものが、知能という恩恵なのですね。考える力。
それを放棄させるのがAI。

では、いったいどうすればよいのでしょうか。

すごく簡単な答えがあります。

それは、自分とAIとの間に境界をさだめて線を引いておくということです。

もっと分かりやすく言えば、
「AIを使いつつ、答えは自分で出す」とか、そういった境界線です。

AIを「頼るべき存在」にしても、それは「普通の答え」しか伝えてくれません。それが 智のコモディティ化 です。AIは、壁打ちテニスの壁のような存在で、知識の補助輪です。

最後に考えるのは、自分です。

たとえば、アナログ的な方法を使う。自分で考え、自分が望んでいる答えを自分で出す練習をする。

AIと五常を併用してみると

たとえば、私は五常カードを使います。
五常カードは、AIのように答えを出してくれません。

むしろ、答えを急がないためのカードです。私たちは、AIのようにすぐに答えは出せなくて良いのです。なぜならそこに人生の豊かさがあることを知っているから。

AIに相談したあと、五常カードを一枚引いてみる。

が出たなら、
「私は今、事実と解釈を分けて見ているだろうか」
と問い直す。

が出たなら、
「私は今の自分の気持ちを、そのまま受け止めているだろうか」
と問い直す。

が出たなら、
「私は自分にも相手にも、いたわりを持てているだろうか」
と問い直す。

が出たなら、
「私は守るべき線を見失っていないだろうか」
と問い直す。

が出たなら、
「私は距離を間違えていないだろうか」
と問い直す。

AI(デジタル)と五常カード(アナログ)を融合させて利用すれば、とてもスッキリします。人はアナログですから。

うまく融合できると、本当に自分が望んでいる答えに早く近づいたり、早く気づいたりできます。ただし、アナログ主導が大事です。

五常カードは、自分の見方を整えるために作られていますので、
AIに慰めてもらうだけで終わらせず、
AIからもらった答えが、自分にとって必要かどうかが判断できるのです。

そうすれば、
もし、自分が同じようなことで悩み続けても、永遠に、何度もAIに問いただす必要がなくなります。

シンデレラの魔女のように、
いつも魔法の鏡に「誰がこの世で一番美しいのか?」と何度も繰り返し聞かなくても良いのですね。

最後は五常カードで自分に問いを戻すからです。

AIにやさしい言葉をもらうだけでは、自分のしんどくなるクセと、繰り返しパターンにも気づけません。今のところは。

まずは、自分で問うことが肝心です。


最後まで、お読みいただきありがとうございます。

AIがあなたの孤独を食べる前に。
AIがあなたの考える力をなくす前に。
日常の幸せを回復させたいなら。

もし、五常カードに興味がおありなら、こちらをご覧下さい。

普通の幸せを普通に取り戻す、小さな入口になります。