2.5億円の資金調達を機に、10代ラストまでを振り返る

WAKAの野田慶多です。
このたび、約2.5億円の資金調達を実施しました。創業から丸3年とちょっと、僕は19歳になり、来年には10代が終わります。節目として、これまでの自分を振り返ってみることにしました。
中卒で15歳で起業し、19歳になった今、東京都 / NTTドコモ / バンダイ等のマーケティング活動をRobloxを活用して支援しつつ、Roblox上で生まれている日本アニメの海賊版という課題を解決するコンテンツプロデュース事業も注力するために資金調達。文字で書くと派手ですが、実態は地味で、もっと複雑です。一見すると社会不適合者だった自分が、なぜRobloxという領域でスタートアップを起業しているのか。順を追って書きます。
小学生時代(6〜12歳):競争心の原点は、中学受験にあった
僕は神奈川県茅ヶ崎の出身です。湘南の海がすぐそばにある町で、両親は旅行好き。気づけば47都道府県すべてに連れて行ってもらったり、海外旅行にも度々連れて行ってもらってました。そんな色々な経験をさせてもらいながら、なぜか小学校低学年の頃から、勉強が好きでした。正確には「勉強そのもの」は嫌いで、「他人よりちょっとだけできること」が気持ちよかったんだと思います。小2のたこあげでタコに夢を書く時に「東大に行きたい」と書いた記憶があります。たぶん当時流行っていた東大王の影響です。何も知らない子どもが、書いた夢でした。
中学受験は小4から名門塾 SAPIXで本格スタート。SAPIXは典型的な競争環境を生み出す塾で、毎週のテスト結果で席順が変わり、下位コースは怒鳴られ、上位コースは褒められる。今の僕の競争心は、間違いなくここで育ちました。

最終的に選んだ進学先は栄光学園。神奈川の中高一貫校で、東大現役合格率が全国5位くらいに入る学校です。慶應中等部に行けばエスカレーター式に大学まで上がれる選択肢もありましたが、「慶應である父親の学歴を超えたい」という謎のモチベーションで栄光を選びました。
(結果的に中卒なので、超えるという次元ではありませんが笑)

ゲームは小学生時代ほぼ禁止。それなのになぜか、Nintendo Switchを受験直前の小5のクリスマスにやっと手に入れました。なので、全然できなかったのですが笑
受験が終わると同時に、当時爆発的に流行っていたフォートナイトに沼ります。これが後にすべてに繋がってきます。
中学生時代(12〜15歳):6,000時間のフォートナイトと、スタートアップとの出会い
栄光学園でのびのびと過ごせると思っていたのも束の間、入学から数ヶ月、ゴールデンウィーク明け〜夏休み明けには不登校になっていました。
理由は単純で、「勉強すること自体」が好きじゃなかったからです。同級生の多くは入学早々に鉄緑会となぜか指定された中高一貫に通っているとほぼ無料で通える東進に通い、6年後の東大受験に向けて走り始めていました。生徒手帳には「毎日◯時間以上、自学自習を行うこと」と書かれている。倫理の授業ではキリスト教徒でもないのにキリスト教を勉強させられる。全部が非合理に映りました。
「学校に行かない」と決めたあと、生活はフォートナイト一色になります。Switch→PlayStation→ゲーミングPCと環境をアップグレードしながら、3年間で約6,000時間プレイしました。1日平均8時間です。

ただこれは「ゲームをやっていた」という話ではなく、僕がUGCゲームプラットフォームのネイティブ世代になった経験だと思っています。ゲームの中で不登校の友達と待ち合わせ、それぞれの家にUber Eatsで同じものを頼み、食事しながら通話を繋ぎ、寝落ちするまで会話する。リアルとオンラインの境界がなくなる体験を、フォートナイトの中でしていました。後にRobloxに全ベットする確信は、この原体験から来ています。
とはいえ、両親の許容にも限界がありました。「自堕落な生活を続けないでくれ」となり、徐々にお金を稼いで親元を離れる願望が、現実になっていきます。
YouTube活動で登録者3,000人くらいまで伸ばしていたこともあり、eスポーツに目をつけました。コロナ禍で中小企業が「よくわからないけどeスポーツチームに数百万予算をつける」流れがあり、おじさん経営のチームはセンスのないeスポーツ選手ばかりアサインしていた。「それなら僕の方がイケてる選手を集められる」と売り込み、14歳で名古屋のとあるイベント会社のeスポーツチーム部門ジェネラルマネージャーになりました。
たまたま運も良く、僕がメンバー編成した翌月、アジア全体のフォートナイト大会で総合1位を取る選手が出ました。スポンサー営業も手伝うようになり、ここでビジネスへの興味が芽生えます。

動画編集スキルを活かして実況者やプロゲーマーの編集を請け負い、良い時だと月20万円ほどは稼げるように。ただ「労働集約では限界がある」と気づき、サービス提供型に切り替えます。最初に作ったのがGameMeetsという、プロゲーマーとファンが1時間単位でマッチングできるサービス。法人もないまま見よう見まねで立ち上げましたが、売上は数万円。完全にコケました。

「事業を作るには元手がいる」と痛感していた頃(今考えるとそんなこともない)、転機が訪れます。eスポーツ時代の取引先で、現在はAIゲームプラットフォームを開発するNEIGHBOR、その代表のノトフさんが「コロナ禍の影響もあり、イベント事業をたたんでスタートアップを起業し直す」と話し始めました。そこで初めて「スタートアップ」「VC」「出資」という単語を知ります。
ノトフさんから聞いた話を僕の中で要約するとこうでした。
怪しくない大人が、なぜか分からないけど借金じゃない形で数千万円を預けてくれる。そのお金でビジネスをしていい
バイト代しか稼げていない不登校ニートの僕にとって、これは衝撃でした。「じゃあVCから出資受ければいいじゃん」と単純に考え、Meety(現pitta)を使って投資家にアポを取りまくる日々が始まります。最初に会ったうちの一社がサイバーエージェント・キャピタル。ここから、起業家としてのスタートが切られていきます。
スタートアップでの創業1期目(15-16歳):シェアハウス生活と、深夜2時の号泣ピボット
15歳という年齢は学生起業家の中でも明らかに若かったようで、いろんなVCが面白がって会ってくれました。
最初に出資が決まったのは iFund と East Ventures。さらに、F Venturesが主催するU25のピッチイベント「TORYUMON」に参加し、当時GameMeetsの次に考えていた「マナバース(ゲーム×教育)」という事業アイデアで優勝。代表の両角さんに声をかけてもらい、F Venturesも出資ラウンドに加わりました。
その後もサイバーエージェント・キャピタルから紹介してもらったピッチイベントで、元衆議院議員で電力系事業を創業して売却した松岡さんなどとも出会い、VC3社 個人1名から出資を受けることになります。

家庭の事情で 香川と東京を行き来していた生活から、East Venturesが提供してくれた六本木のシェアハウスにタダで住ませてもらえることになり、完全に東京移住。普段はEast Venturesに貸してもらった六本木のオフィスで事業を検証していく、絵に描いたようなスタートアップ生活が始まりました。
深夜2時、フェルミ推定で号泣する
そこで出会ったのが、Leafeaの森田くんです。当時は同じプレシード起業家としてEast Venturesの投資先に入っており、同じシェアオフィスで仲良くしていました。
ある日、深夜2時くらいまで一緒に働いていた時に、森田くんに聞かれました。
野田ちゃんは今、何の事業をやろうとしてるの?
僕は得意気にマナバースをピッチしました。「すごいね」を期待していたのに、返ってきたのは、フェルミ推定でビジネスのマーケットポテンシャルを淡々と分解する説明と、結論「全くマーケットがない、今すぐやめたほうがいい」。
数千万円の売上のアップサイドしかない、と突きつけられて、情けなくなって号泣しました。
森田くんとは今でも友人で、起業家として尊敬していますし、実際に事業も現在では従業員70名を超える規模まで、しっかり伸ばしています。7-8歳下の僕にあそこまでガン詰めしてくる人は彼くらい。良くも悪くも森田くんらしい(笑)。

そのおかげで、事業のリサーチの仕方を一から教わり、ピボットすることになりました。教育事業は構造的に儲かりにくいと知り、その後はポイ活アプリ、マッチングアプリなど、学生起業家が思いつきそうなものを試行錯誤しながら試した1年でした。
そして創業1期目の終わり、結局 たどり着いたのが「FortniteやRobloxの中でブランドのゲームコンテンツを作る受託事業」でした。比較的高単価で売上が立ちやすい。最初は、起業のきっかけになったノトフさんと共同で Fortniteマーケティング受託のブランドを立ち上げる ところから始まります。
創業2期目(16-17歳):B Dash Campでドコモ 常務に突撃、Robloxへの賭け
2期目のテーマは、「ナショナルブランド開拓」と「Robloxへのピボット」 でした。
B Dash CampでNTTドコモの常務に話しかけて受注した話
何の実績もない中、売上を作るのに必死だった頃、スタートアップのイベント「B Dash Camp」に参加しました。たまたま暇そうに見えたNTTドコモの役員陣(今思うと役員同士で話していただけで暇ではなかったと思いますが)に気合で突撃して声をかけ、その場でピッチ。常務取締役の方に「マーケ担当者や専門部署に繋いでください」とお願いしたら、本当に繋いでもらえました。
ちょうど年度末の残予算があったタイミングも重なり、1,000万円超の初受注 が決まります。
ここを起点に、東京メトロをはじめとするナショナルブランド案件を開拓し、トランスコスモスさんとの代理店業務提携等も実現。Fortniteを中心としたマーケティング受託事業が一気に立ち上がっていきました。

FVentures 代表 両角さんの名前をTシャツにプリントした時
ワンマンプレイの限界と、Robloxへのピボット
ただ、2期目はワンマンプレイになってしまい、組織らしい組織どこからチームすらも作れずにいました。
そうしている間に、Fortniteのマーケットが少しずつ厳しくなってきた一方で、UGCプラットフォームとしての伸び代はRobloxの方が大きいと感じ始め、思い切ってRobloxへピボットしました。
ピボットして早々、クライアント名は伏せますが、一発で4,000万円超の受注 が決まります。結果的には無事納品し、現在もうまく回っていますが、当時はその規模を受け止める体制が全く整っておらず、僕のマネジメント不足もあって組織はボロボロでした。
困難の中で、複数の先輩経営者から「ボードメンバーを固めることの重要性」を繰り返し教わりました。学生インターン中心の組織から、社会人メンバー中心の組織へ。徐々に舵を切っていき、Roblox事業が少しずつ立ち上がっていきます。
その流れの中で、Cluster(クラスター)で創業期から5年間トップ営業として活躍していた 佐野 を、必死に口説き落として営業責任者として迎えることができました。今のマーケ事業を支えているコアメンバーです。
創業3期目(17-18歳):Roblox一本に絞ると決めた年
マーケティング事業はナショナルブランド案件で安定し始めていましたが、僕の中ではずっと別の疑問がありました。「Robloxにはもっと大きなアップサイドがあるのではないか」「より野心的な事業展開ができるのではないか」。
3期目は、マーケ事業に向き合いながら並行して、そのアップサイドを探ることに時間を費やしました。
そこで見えてきたのが、2つのテーマです。
ひとつは、日本アニメの海賊版問題。Robloxの中で、日本のアニメIPを無許諾で使ったゲームが大量にヒットしている現状がありました。
もうひとつは、個人クリエイターが運用を止めてしまうエコシステムの歪み。Robloxのヒットゲームのほとんどは個人クリエイターによって作られていて、素晴らしい作品が多い一方、作者が飽きて運用を止めるケースが頻発していました。
ここに事業機会があるんじゃないか、と。ヒットしている個人開発ゲームを買収して、運用とグロースを引き継ぐ。さらに正規ライセンスを持った日本アニメIPとコラボさせる。これが今、僕らがコンテンツプロデュース事業として推進している領域です。
その構想に共感してくれたのが、電通アニメソリューションズで人気アニメIPのゲームライセンス責任者をやっていた 原口 でした。大手から転職してジョインしてくれて、今はまだ発表できないものの、非常にユニークなアプローチで良いアニメIPのコンテンツプロデュースを進めています。

創業4期目(18-19歳):累計3億円調達、そしてここから
今回の調達を機に、創業初期からアドバイザー兼社外取締役として入ってくれていた 神初(元トリドリの上場準備責任者)が、社外からハーフコミットの非常勤取締役になってくれました。
加えて、海賊版問題やエコシステムの歪みに対する課題意識に共感してくれた、超トップ層のRobloxクリエイター E(諸事情で名前は伏せますが、今年の終わりには公開できると思います笑)もCCOとして参画します。
下支えしてくれる制作メンバーやバックオフィスのメンバーも少しずつ増え、ようやく 15人規模の組織 になりました。投資家からの2.5億円の資金調達も含めて、事業として本格的にチャレンジできる状態がやっと整ったところです。
WAKAは今、2つの事業を持っています。
マーケティングソリューション事業:ナショナルブランド向けのRobloxゲーム企画開発。今期通期(12月決算)で2.5億円〜の売上計上見込み。
コンテンツプロデュース事業:個人作のヒットRobloxゲームを買収し、日本アニメIPとのコラボでグロースさせる。今回の調達でいよいよ実行フェーズに入ります。
2つとも全てがUGCゲームプラットフォームを起点に繋がっている事業で、フォートナイトに6,000時間溶かしていた中学生時代の自分にとっては、なんというか、ちゃんと回収できる人生になってきたなと思います。

最後に:仲間がまだまだ足りません
ここまで書いた通り、今回の2.5億円の調達はスタート地点で、ここから本番です。ボードメンバー含め、全方位で仲間が足りていません。
マーケティングソリューション事業 営業
マーケティングソリューション事業 制作部門 責任者候補
マーケティングソリューション事業 制作部門 マネージャー
コンテンツプロデュース事業 アシスタントプロデューサー
このあたりは喉から手が出るほど欲しいポジションです。
「RobloxのようなUGCゲームプラットフォーム領域で一緒にやってみたい」「ちょっと話してみたい」という方は、カジュアルにお茶やミーティングに誘ってください。XもFacebookも開いています。
よろしくお願いします。
