#103 美容室で人生4回目の会話をした
私は、美容室でほとんど話しかけられません。
髪を切りに行ってきました。
散髪屋さんといえば、スタッフとお客さんの他愛もない会話が繰り広げられるイメージです。
しかし私は、人生トータルしても、カット中にスタイリストさんと、まともに会話したのは二回か、三回くらいしか記憶にありません。
理容室も美容室も、男も女も関係なくです。
以前、三年以上通っていた理容室では、初回のときにアンケート用紙を渡され、「カット中にスタッフから話しかけてもよいですか?」みたいな項目がありました。
「どちらでもよい」を選んだはずですが、会話があったのは初回だけです。
二回目以降で会話が始まることはありませんでした。
あれって、会話のきっかけはこちらから提供しないといけないんですか。
この人には、話しかけないほうがいいと思われているだけですか。
雰囲気で話しかけやすい人、かけにくい人がいるんですか。
文句じゃないですよ?
会話がなくてもいいのですが、あまりにも自分のときだけ、会話が始まる回数が少ない気がして、こちらに原因があるんじゃないかと考えてしまいます。
いつもカットが始まって、五分、十分くらいして、会話が始まらないことを確認すると、目をつぶってしまいます。
眠るわけではないのですが、目の間で指を動かされたり、前髪をファサッっとされたりすると、瞬きを何回もしなくてはならないので、最初から目をつぶってしまおうという魂胆です。
目を開けていても、どこを見ていればいいか分からないですし。
他のお客さんとスタッフが会話していると、目をつぶりながら聞き耳を立てるか、どうして私のときは会話が発生しないんだろうなんて考えています。
今回は、ただ家から近いという理由で美容室に行きました。
二回目の利用です。
指名はしていないので、ランダムで担当が変わります。
今回は女性スタイリストの方でした。
初めての方です。
今回も、カットが始まりしばらくすると目をつぶり、カット中の会話がどうやって始まるものなのか考えていました。
あれこれ考えているうちに、同じスタイリストを指名することで、だんだん仲良くなって会話をするようになるのかな、指名料に会話というオプションが入ってるのかなという答えに至りました。
私はカットに行くときに、指名をしたことがありません。
髪型に細かいこだわりはありませんし、どこで誰に切っていただいても、こちらとしては十分だからです。
スタイリストによる違いを感じたことがありません。
私がいつも指名をしないから、スタイリストが毎回変わってしまって、会話にならないのかなと考えました。
ところが今回、カットが始まって三十分くらい経ってから、唐突に声をかけられました。
「雨降ってきましたね」と。
「え、あ、そうですか。傘持ってきて良かったです。」
外の様子が目に入っていなかったので、まったく気づかなかったのですが、強めの雨が降り始めていました。
ずっと黙々とカットされていたので、急に会話始まるな、と驚くとともに、やはり会話の導入は天気からか、と感心してしまいました。
それに加えて、もし雨が降り始めなかったら、会話はなかったのだろうか、なんて邪推もしてしまいました。
そして、会話は続きます。
「このあとは帰るだけですか?」
「はい。スーパー寄って、帰るだけです。」
「自炊よくされるんですか?」
「しますよ。料理は好きなんですけど、洗いものはそんなにですねー」
「私も作りっぱなしがいいです。誰かに洗ってもらいたいくらいですー。食洗機とかどうですか?」
「そもそも食洗機がどういうものかよく分かってないんです。前もって少し洗わないといけないものなんですか?」
「予洗いが必要なやつといらないやつあるんですけど、食洗機だと食べ残しとか、うんぬんかんぬん、、、」
「予洗いしないといけないなら、もう手で洗っちゃいますね。
やたらお詳しいですね。食洗機使われてるんですか?」
「いやいや、一人暮らしなので、食洗機は使ってないです。それよりドラム式洗濯機が欲しいです。」
「おー。なんでドラム式がいいんですか?」
「ドラム式洗濯機使ってる友達が、フワッフワに仕上がるって言っていたので。あともう、干したくないんです。」
・・・・・・
と、人生四回目くらいのスタイリストさんとの会話が繰り広げられました。
なんで会話が始まらないんだろうと考えていたのを悟られたかのように、話しかけてくれました。
しかし、家事特化の会話になってしまいましたね。
なんと他愛もない会話だこと。
まさにこれですよね、これ。
こういう風に、気持ちよく接客されたのをきっかけに、同じスタイリストさんを指名するのかななんて思いました。
まぁ、次も指名なしで行きますけどね。
次、会話が起こるのはいつになるんでしょうね。
あ、カットはとても満足でした。
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