しっぽんは、ちいさなともだちといる。
夜、スマホに一枚の写真が届いた。
送ってくれたのは、横浜の幼稚園の先生だった。
『しっぽんは、みやこじまにいる。』を、子どもが読んでいます、と。
写真を開いて、しばらく手が止まった。
最初に思ったのは、「読んでいる」ではなかった。

小さな手が、ページをめくっていない。
絵本の中のしっぽんに、伸びている。
「だっ。」のページで、しっぽんに触れて、
「ごろん。」のページで、おなかをなでる。
子どもは、絵本を見ていたんじゃない。
しっぽんに触っていた。
そのページの中で、もう友達になっているように見えた。
ちなみにこの写真、記事やSNSへの掲載も快く承知していただいた。
ありがたいことだと思う。
前回、しっぽんは旅をしている、と書いた。
注文が入るたび、絵本が知らない町へ旅立っていく。そんな話だった。
あのとき私は、旅の終わりは「届くこと」だと思っていた。
違った。
届いた先で、絵本は子どもの時間になっていた。
床に座って、裸足のまま、しっぽんと遊ぶ。
それが、その子の暮らしの一部になっている。
宮古島で生まれた絵本が、
作者の知らないところで、
誰かの毎日に混ざっている。
旅は、届いたところで終わっていなかった。
そこから先も、続いていた。
絵本は、これまでに12冊、旅立った。
数としては、ささやかなものだ。
でも、そのうちの一冊が、
海を越えた横浜で、
小さな手に触られている。
ものすごく、うれしかった。
今日もどこかで、
しっぽんは、ちいさなともだちといる。
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読んでくれてありがとうございます。チップは今後の記事を書き続けるための資金にします。宮古島からぼちぼち書き続けます。