キオクシアKioxiaはまだ買いなのか?|中国メモリー大増産から考える
最近のメモリー株の強さは異常です。
3大メーカー(サムスン、SKハイニックス、マイクロンテクノロジー)もそうですが、
最近、キオクシアは、AIデータセンター向けSSD需要の拡大とメモリー価格の急騰を背景に期待が一気に高まり株価が急騰。
予想PERを見ると「1桁台の割安株」に見える場面もあり、
「これはまだ乗るべきなのでは?」と思ってしまうくらい強い。
ただ、メモリー業界は“好況時ほど警戒すべき業界”でもあります。
いわゆるシリコンサイクル論ですが、今はそれを超えたスーパーサイクルともいわれます。
で、、、結局どうなるのか、
今のメモリー価格を支えるのは明らかに需給によるものです。
そこで気になるのは中国勢の異常な増産計画です。
⚔️中国メモリー勢が市場を取りに来ている
現在、中国のメモリー分野を引っ張っているのが、
DRAMの CXMT(長鑫存儲)
NANDの YMTC(長江存儲)

の2社かと思います。
CXMTはDDR5やAI向けDRAMへ投資を進め、IPOによる大型資金調達も計画しています。
一方YMTCは、米国制裁下でも独自技術を使いながら高積層NANDを量産。さらに超大型増産計画が噂されています。
ここで重要なのは、中国勢が単なる民間企業ではないことです。
背後には、中国政府の巨額支援があります。
🏛 中国の怖さは“国家総力戦”
中国メモリー勢の怖さ(というか強さ)は、単なる企業同士の競争ではなく、“国家プロジェクト化”している点にあります。
典型例が、2023年の Micron Technology 排除です。
中国当局は安全保障上の理由から、重要インフラ事業者に対してMicron製品の採用制限を実施しました。
これで結果として中国国内では、YMTCなどへの置き換えが進みました。
さらに、中国政府は資金面でも全面支援しています。
DRAM大手の CXMT は、政府系ファンドの支援を受けながら拡大してきました。
また YMTC の武漢工場でも、地方政府による巨額支援が行われてきたとされます。
つまり中国では、
政府系ファンド
地方政府
が金を出し、
国内企業が国産品を採用する
という入口から出口までの流れができています。
通常の民間企業であれば、半導体工場建設は巨額負債との戦いになりますが、しかし中国勢は国家支援によって軽減できる。
これはズルい(いや、強い)。
📉 本当に怖いのは2027年
今のメモリー市場では、
「AI向け需要が爆発し、2027年までメモリーが足りなくなる」
という“2027年問題”がよく語られています。
実際、HBMやAIデータセンター向けSSDは強烈な需要拡大が続いており、各社ともフル生産。
そのため、
メモリー価格上昇
利益急拡大
株価急騰
という流れが起きています。
ここで少し気になるのが、今まさに世界中で大増産への準備が始まっている点です。
既存の大手メーカーだけでなく、中国の CXMT と YMTC までが、国家支援を背景に巨大投資を進めています。
もちろん半導体工場は、建てた瞬間に供給が増えるわけではなく、装置搬入、量産立ち上げ、安定生産まで1〜2年かかります。
だからこそ、今はまだ需給が締まっているが、逆に言えば、
「2025〜2026年に始まった増産投資は、ちょうど2027年頃に市場へ一気に出てくる可能性がある」
という“逆2027年問題”も出てきます。
つまり、今のところ
「2027年まで足りない」⇔「2027年から余る」
この微妙な綱引きが行われています。
特に怖いのは、中国勢です。
中国企業は普通の民間企業と違い、国家として決断した時のスピード感は半端ないため、
早ければ今年の年内からその傾向が現れる?
そんな可能性も考えられます。
🔬 キオクシアは逃げ切れるのか
一方で、キオクシアを単純に悲観しすぎるのも違うと思います。
キオクシアには長年のNAND技術蓄積があり、
この領域では、中国勢がすぐ置き換えられるとは限りません。
つまり、「AI向け高性能SSDメーカー」として生き残るシナリオ
は十分あります。
ただし重要なのはここからです。
⚠ 技術で勝っても、需給プレミアムは剥落する
今のキオクシア株を押し上げている最大要因は、技術力というより、
むしろ大きいのは、
メモリー価格急騰による“異常な利益”。
もし2027年以降に供給が増えれば、キオクシアが技術的が優れていても、市況全体の過熱感は冷めていく。
その場合には、
”需給プレミアムの剥落”が避けられないと思います。
技術では勝っているのに、利益率とバリュエーションが同時に切り下がることも想定されます。

ただし、AI需要が更に加速するシナリオも考えられるのが難しいところです。
🎯 さいごに
AIデータセンター需要によるメモリー不足は当面続くと思われます。
メモリー株は、まだ上振れ余地があるようにも見えます。実際、予想PERの数字だけを見るとかなり魅力的です。
ただ、その裏では大増産が進行。
特に中国は国家支援で動いており、一度供給過剰になると長期間の価格競争へ発展するリスクもます。
まだまだこの熱は続くと思いますが
今の強さは半年以内を一つの区切りで考える。
長期では2027年以降の需給悪化を警戒。
ただしAI加速なら需給逼迫が継続。
くらいで考えておこうと思います。
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