追い越す
午後4時過ぎの9月はまだ明るくて暑かった。
買い物帰りも空の青さが広かった。
今日で10月も終わり。
日暮れが早く気分は倍速、かなりせわしい。
夏場に鈍った足は 歩く習慣が付いてから
徐々に速度が戻ってきた。
先日の話。
じゃがいもやリンゴなどを買った、
重たい帆布トートを肩に
帰宅を急ぐ私の後ろから
走ってはいないがスピードのある足音が
追いついて来て 私を追い越した。
背中にリュックの高学年らしき少年だった。
既に5時は過ぎてるから 遊んだ友達の家を出て急いで帰るんだななんて想像した。
人気のない公園前は
薄暗くなると
条件反射のように
急ぎ足になる。
私もペースをあげ
道を曲がると
少年の姿が再び前方に現れて
先に車道を渡って路地に入っていった。
私も同じコースを辿ると
少年は突然右に折れて消えた。
その通路の奥には
小さな空手の道場がある。
なんだ、空手のお稽古に行くんだったのか。
想像ははずれた。
学校を終えて帰宅後の習い事。
好きでないと続かないけど
あの子は空手が好きかな。
私を追い越した背中が
楽しそうに見えなかったけど…
楽しんでると良いな。
また違う日の夕刻に通った時には
低学年らしき少年と
お兄ちゃんの2人が
家の前で素振りをしていた。
練習に行く前に既にやる気が見える。
ヘルメットを被り
ユニフォームが様になって見えるバットの振り方だったのは
小さな方の少年。
頭の中に何かイメージを抱いていそうな感じがした。
大谷くんになったつもりだったかもしれないし
もっと他の有名選手の気分だったのかもしれない。
カッコ良いお兄ちゃんの背中を追っていることもある。
そしていつか「追い越してやろう」と
思っている様な
見えないけれど
小さな体から気迫を感じた一瞬だった。
野球クラブ、楽しいんだろうな。
そうだといいな。
おしまい
お読みくださいまして
ありがとうございました♪
