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美容師が異世界転生したら。


「いいじゃん。それ活かそ。」


スタイルマスター

最近、王都を歩いていると、少し変わった装いを目にすることが増えました。

エルフの髪飾りを身につけた人間の若者。
人間の街で流行している髪型に挑戦するエルフ。
獣人の装飾文化を取り入れた、新しいファッション。

種族を越えた交流が増えるにつれて、それぞれ別々に育ってきた美容文化も、少しずつ混ざり始めています。

けれど、新しいものが生まれれば、昔から大切にされてきたものとの違いも生まれます。

種族が違えば、髪質も骨格も身体的な特徴も違う。

エルフの髪、ドワーフの髭、獣人の耳や毛並み、魔族の角。

そこには、それぞれの種族が長い時間をかけて育ててきた美意識や伝統があります。

これまでの美容職人たちは、自分たちの種族の美を扱うことには長けていても、異なる種族の特徴や文化まで理解し、新しい流行と組み合わせることは簡単ではありませんでした。

そんな王都に、ひとりの美容師が異世界から召喚されます。

その美容師にとって、大切なのは「どの種族なのか」ではありませんでした。

本人の希望を聞き、髪質や骨格、その種族ならではの特徴を見て、昔から大切にしてきたものも、新しく挑戦してみたいものも、一人ひとりに似合う形へ整えていく。

伝統を捨てるのでも、新しい流行に染めるのでもない。

異なる文化や美意識を取り入れながら、その人自身の魅力を引き出していく。

やがて、種族の垣根を越えて一人ひとりに似合う姿をつくり上げるその美容師は、「スタイルマスター」と呼ばれるようになりました。



カード情報

転生職
スタイルマスター

所属
王都・スタイルサロン

主な業務
・種族を問わないヘアスタイリング
・髪、髭、毛並みなどの美容施術
・耳や角など、種族特性に合わせたスタイル提案
・伝統的な装いと新しい流行を取り入れたスタイルづくり
・異種族の美容文化を組み合わせた新たなスタイルの提案

勤務時間
10:00〜20:00
※舞踏会・婚礼・祭礼前は予約が集中します

開業条件
王都装髪店営業登録
衛生・魔法設備検査 合格
※異種族への施術については、現在統一基準なし

活かせる能力
・美容技術
・観察力
・提案力
・コミュニケーション力
・異なる美意識や文化を受け入れる柔軟性



編集部コメント

考えてみれば、すべての種族を相手にする美容師というのは、かなり大変な仕事です。

髪質が違う。骨格が違う。耳の位置が違う。立派な角があることもあれば、髪より毛並みや髭を整えてほしいお客さんだっています。

さらに、それぞれの種族には、それぞれが大切にしてきた「美しさ」があります。

それでもスタイルマスターの店には、毎日さまざまな種族のお客さんがやってきます。

そして同じ店に集まるようになると、少し面白いことが起こります。

「あのエルフの髪飾り、自分にも似合うかな」
「さっきの獣人のスタイル、ちょっと取り入れてみたい」

誰かの「素敵」が、次の誰かの「やってみたい」になっていく。

一人ひとりに向き合って髪を整えているだけなのに、気づけばそこでは、それまで出会うことのなかった美容文化まで混ざり始めています。

スタイルマスターの店は、髪を整える場所であると同時に、王国中の新しい「素敵」が出会う場所なのかもしれません。



おまけ


お堅い魔族公爵を『ヤバいビジュ』に変身


『普通』が集まる待合室


私服で楽しむアクセサリー試着会





この世界の、ほかの仕事


このシリーズの記事は下記マガジンにまとめていきます。


📚 作品一覧

(関連タグ)
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