ひどいアニパロ大戦 親父の矜持
鹿目家・夕方の居間。
バカボンのパパは、鹿目まどかの母じゅんこと意気投合していた。
じゅんこ「……まどかが最近…なんか出かけるのよね…」
パパ「……任せるのだ!!わしが、しっかり見張るのだ!!」
まどかは、少し離れて、緊張した顔で聞いていた。
彼女は魔法少女として、魔女が出たら出かけなければならない。
まどか「最近、滅多にないけど…」
このところ魔女の出現は目に見えて減っていて、理由は解らないまま。
ただ、減った代わりに出現する個体が強力なのだ。
翌日、昼パパはやってきた。
まどかの母じゅんこは仕事、お父さんは訳あって実家に帰っている。
その時、庭に野良猫が二匹やってきた。
まどかの飼い猫・エイミーと仲良くじゃれ合う。
パパ「おまえたちも来たか」
パパは野良猫と仲がいい様子、エイミーもパパに懐いて喉を鳴らす。
まどか「……すごい、パパさんって猫と話せるんだ……」
パパ「……わしの友達なのだ!!」
まどかはふと聞いた。
「パパさんは恋愛したことある…あるんだよね」
パパ「ふむふむ、そう…学生時代、ママ…今の奥さんは美人で、今も美人なのだ」
まどか「そうか…今でもママのことが大好きなんだ」
パパ(照れながら)「そうなのだ…んふふ」
まどか「私…恋を知らない…」
パパは答えに窮した、苦手な話だからだ。
だが、昔、バカ田大学恋愛研究会で聞いた言葉を思い出した。
パパ「そういえば、恋は消えない、愛に変わると聞いたのだ」
まどか「そうか…恋も愛も色々あるのかもしれないね」
チャイムが鳴った
パパ「わしが出るのだ」
玄関に、長門有希、泉こなた、暁美ほむらが来た。
長門「……パパどうして…」
長門はパパを止めにきたのだが、
ほむらは静かに、パパに頭を下げた。
ほむら「……パパさん、お願い、これ以上まどかを戦わせないで」
パパ「……何を言うのだ。
ほむらくんも皆も、本当は子供が戦う必要はないのだ。
面倒ごとは、大人がやらなければいけないのだ!!」
長門「……私は……」
長門の言葉をパパは遮った。
パパ「……ナガボンも、少し休むといいのだ」
長門は、パパなりの考えを理解し、その場を去った。
鹿目家を後にした三人、じゅんこがまどかの弟タツヤを連れて帰ってきて。
じゅんこ「まどかの友達だね、こんなに友達いたんだ…、いつもありがとう」
まどかの母と挨拶をして、歩き去ると、ポツリ
こなた「……パパさんね、極々たまに、正論をいうんだよね……
まあ、考えればお母さんも心配するからね」
ほむら「私の母は会いに来ないけど」
長門「バカボンのパパは私とレイがキュウべぇに襲われたとき、身代わりになって、にげろと言った…」
こなたとほむらは驚いた、パパのその意外な行為に。
同時刻 鹿目家
まどかのスマホに通知。「魔女が出たから、来て」
まどかは、立ち上がった。
ちょうどじゅんこが帰ってきたところだ。
バカボンのパパは、まどかのメッセージを見たのか走り去る。
じゅんこ「……まどか!?」
まどかは、じゅんこを振り切りパパを追った。
パパは、猫下駄(両足に猫を履いて、猫がパパを乗せて疾走する)で、走り去っていた。
長門たちはそれを見て驚いた。
長門「……パパ……」
パパを追う長門たちの前に渚カヲルが現れた。
カヲル「……長門有希」
長門の前に現れた渚カヲルはいつものように穏やかで、しかしどこか深い決意を宿した微笑みを浮かべていた。
カヲル「……バカボンパパは、世界の破壊者だ。
彼は子どもが戦うこの歪な世界を破壊しに行ったんだ。
……たまには、任せたらどうだい」
長門「……」
長門は無表情のまま、しかし瞳の奥でわずかに揺らぐものを隠せなかった。
――見滝原のビルの廃墟。
巴マミと美樹さやかが、魔女の結界内で必死に戦っていた。
マミ「……もう少しよ、さやかちゃん!」
さやか「……うん!!」
その瞬間、結界の天井が割れ猫下駄を履いたバカボンのパパが乱入してきた。
パパ「これでトドメだ!!」
パパはさやかの剣を一瞬で奪い取りそのまま一閃。
「宮本武蔵の剣をみたか!!」
豪快な一撃。
魔女は一瞬で倒された。
さやか「……え……?」
マミ「……!?」
まどか(遠くから見守り)「……パパさん……!」
長門もほむらもこなたも驚きを隠せなかった。
――翌日、鹿目家。
じゅんこはまどかの外出を許した
バカボン家
長門は静かに報告した。
長門「……パパが強いから、もう見守る必要もないそうだ」
パパは安心して、猫下駄になってくれた猫に褒美の魚をあげていた。
「そうか……よくやったのだ!!えらいのだ、どんどん食え」
猫たちは満足げに魚を食べた。
まどかは、窓の外を見ながら小さく微笑んだ。
まどか「……パパさん、ありがとう……また話したいな」
長門は静かに星空を見上げた。
長門(心の声)
……この世界が歪ならば、私はどうすれば……
