『数学ガール』を読んで
感想
『数学ガール』は全10章で構成されている。
最初からいきなり難しい数学が出てくるわけではない。
数列やフィボナッチ数列など、比較的入りやすい話題から始まり、そこから少しずつ内容が深くなっていく。
読み進めていくにつれて、扱われる数学もだんだん難しくなっていく。
その流れが面白い。
最初の章では「こういう数学の話なのか」と思って読んでいたのが、後半になるとかなり本格的な数学を考えることになる。
それでも、登場人物たちの会話を追いながら進んでいくので、単なる数学の解説書とは違った読み方ができる。
数学の内容が少しずつ積み重なっていく構成になっているので、10章読み終えたときには、最初に読んだときとは違った感覚が残る。
この本の大きな魅力は、読んでいるだけではなく、自分でも手を動かしたくなるところだと思う。
作中では、登場人物たちが実際に数を書いたり、式を変形したり、規則性を探したりしながら数学を考えていく。
そのため、読者も自然と一緒に計算してみたくなる。
「これはどうなるんだろう」と思ったら、実際に紙に書いてみる。
途中の計算を自分でも確かめてみる。
予想してから続きを読む。
そうすると、ただ解説を読むのとは違った面白さが出てくる。
数学の本なのに、問題集を解いているようでもあり、小説を読んでいるようでもある。
この感覚が『数学ガール』の面白いところだと思う。
『数学ガール』では、数学の内容そのものだけでなく、登場人物たちの会話も魅力になっている。
「僕」とミルカさん、テトラちゃんたちが数学について話しながら、一つの問題を少しずつ掘り下げていく。
同じ問題についても、それぞれ違った考え方をする。
そのため、「数学の正しい解法を説明される」というより、「一緒に数学について考えている」という感覚になる。
数学の本でありながら、登場人物それぞれの個性が数学の考え方にも表れている。
そこが普通の数学書とはかなり違う。
『数学ガール』には、その後もたくさんのシリーズが続いている。
『数学ガール/フェルマーの最終定理』
『数学ガール/ゲーデルの不完全性定理』
『数学ガール/乱択アルゴリズム』
『数学ガール/ガロア理論』
『数学ガール/ポアンカレ予想』
など、数学のさまざまなテーマが扱われている。
そして2025年には、シリーズ最終巻となる『数学ガール/リーマン予想』が刊行された。
これで『数学ガール』シリーズは完結した。
自分はこのシリーズを全部持っている。
最初の『数学ガール』から始まって、最後の『リーマン予想』まで本棚に並べてみると、かなりの冊数になる。
扱っているテーマも、巻を追うごとにどんどん深くなっていく。
それでも、数学について登場人物たちが会話をしながら、一つずつ考えていくという基本的なスタイルは変わらない。
シリーズを最初から最後まで追っていくと、数学のいろいろな分野を物語として読めるのも面白い。
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