時をかけるテレビ「斬られ役 〜大部屋俳優 58歳の心意気〜」 (ドキュメンタリー NHK)
初回放送日:2025年6月27日
「5万回斬られた男」の異名を持つ大部屋俳優・福本清三さんは、時代劇に欠かせない斬られ役一筋。58歳にして大役に抜擢された福本さんの2か月を追った。日本一の斬られ役としての意地と誇り。しかし、その役柄は予想もしないものだった…、果たして…?ゲストは映画「侍タイムスリッパー」の安田淳一監督。会津藩の武士がタイムスリップして現代の斬られ役として生きる映画、そのイメージの源は福本清三さんにあったという。
(以上公式サイトより)
私は時代劇が好きだ。
「新選組血風録」「必殺仕事人」「鬼平犯科帳」「剣客商売」…なんか偏ってるかもしれないが、いわゆるチャンバラものが好きなのは、自分が剣術をやっているせいもあるかと思う。
着物を着るようになると、その着こなしや帯結びにも目がいくようになった。
かつては毎日どこかでやっていたテレビ時代劇がほぼ皆無となっている現在。
特番や衛星放送、昔ものの再放送を懐かしく見るしかないが、やっぱり良いよ時代劇!
そこへ来て映画「侍タイムスリッパー」の大ヒット。今は亡き福本清三さんの名前も共に挙げられるようになり、見たかったドキュメンタリー番組が放映。
画面の中の安田淳一監督と共に、ありし日の福本さんの御姿を懐かしく視聴した。
大部屋俳優の福本さんがハリウッド映画に出られたのは、40年の斬られ役キャリアが認められただけではないと、この番組を見て改めて思った。
その生き方・考え方・一途さなど全てが"侍そのものの佇まい"として現れていたからだろう。
スターになれないのなら、そのスターを引き立てる斬られ役としてどう爪痕を残すか。置かれた場所で咲くための惜しみない努力と人柄が、福本さんをより磨き上げ、スターとは違う光を放つ存在に押し上げたとしか思えない。
番組終盤、道具箱をかついだ大工姿の福本さんが語る。
「また次、次のことに向かって向かってしか、ねえもうそれしかないですから。もうそれ終わったらそれは反省はあるんやけど、反省しながら40年ですからね。
もうホンマの話。これといって自分で納得したこともないし、そこまで僕は大層なあれはないですけどね。
でもやっぱり、なかなか思うようにいかないですね。やっぱり一つ終えたごとに反省して、またそれをステップにしたり、それのずっとステップステップで今まで来ましたし、これからもやっぱり毎日毎日ステップですね。
これから、行けるところまで行こうと思ってるんですけど」
こういういう人なのよ、福本さんは。
人として、役者として、もう職人みたいな方。

番組の最後、これからの時代劇復活を期待させるかのように、若手の剣友会会員が映った。
ベテランはいつまでもいるわけで無し、やはり次世代に繋いでいかなければ、その芸も精神も失われてしまう。
昨年夏に若者にもブームとなった、新選組のドラマ「君とゆきて咲く」も京都の撮影所が使われている。
良いものは残して受け継ぐ、大切なことだ。
私たち時代劇ファンは、とにかく観て推して応援していくしかない。
そんな事を思いながら、「太秦ライムライト」もテレビでやって欲しいと切に祈っている。
