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歳時記を旅する76〔雷〕後*下野の一山洗ふ大夕立
佐野 聰
(平成十二年・十三年作、『千枚田』)
関東地方の北部は雷の名所。栃木県鹿沼市の下粕尾地域にも雷さまの民話がある。ここでも雷さまが雲を踏み外して腰を痛めてしまった。下粕尾の名医である中野知玄は、雷様に灸をすえて腰の痛みを治してあげた。雷さまは喜んでお礼を申し出ると、知玄は、粕尾川の増水と、落雷の被害が何とかならないものかと伝えた。すると、粕尾に雷は落ちなくなり、粕尾川の氾濫もなくなったという。(「雷に灸をすえたお医者さん」『栃木の民話第2集』未来社)
句は、下野のどこか山沿いで、浴びせかけるように降ってくる雷雨。山を洗うというのが大袈裟でないのが下野。
(俳句雑誌『風友』令和八年七月号「風の軌跡ー重次俳句の系譜ー」)
(岡田 耕)
