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「本物の危機」の時は「短期金利」が上昇する

(参照) 「本物の危機」の時、金利は上昇する。|損切丸

 「損切丸」が最も酷い目にあったのが英ポンドのO/N(今日~明日の1営業日の金利)が@100%を超えた「ヨーロッパ通貨危機」≓ ERM(European exchange Rate Mechanism、欧州為替相場メカニズム)危機だが、仏フランが@5,000%、アイルランドプントが@20,000% ≓ 4日間で元金消滅、と大荒れになった。その他にも湾岸戦争(1990)やリーマンショック(2008)でもドルO/Nが@10%超に跳ね上がり「お金」の足りない銀行は大損。 トルコリラ急落、調達金利1,000%の衝撃|損切丸 なんて例もある

 ここまで書いてお気づきだろうか。そう、全て中央銀行の政策ターゲットとなるO/Nの話「資金繰り」担当者にとって最終尻を調整するO/N≓「今日のお金」はある意味最も大事な金利でありいつも "背水の陣"

 だから「本物の危機」の時は「短期金利」が上昇する

 こういう金融危機の繰り返しによって「資金繰り」対策が拡充された結果が今の「付利制度」=中銀の当座預金に付利する制度であり*銀行は「お金」を常に余らせる事になった

 *ある日銀担当者が面白いことを言っていた: "O/Nは通常時はババ抜きだが、ゼロ金利になるとエースになる" 。かつて中銀当座預金に付利されていなかった時代、「金利のある世界」では「お金」を抱える銀行は市場でO/N運用しないと利息を得られない "ジョーカー" だが、ゼロ金利になると置きっ放しで常時「資金繰り」が埋まる "エース" になるという意味。つまりこの "ジョーカー" を回避する策が今の付利制度ということになる

 その他にも金融機関の「資金繰り」連鎖破綻を避けるため市中銀行に一定程度の中銀担保を積むことを義務化し、その範囲内でRTGS(Real Time Gross Settelements、即時決済)で支払いを先行させる仕組みや、いわゆるロンバード貸出で資金不足の銀行に貸出できる制度を確立した。そういう観点から銀行発の「資金繰り」危機のリスクは大幅に軽減されている

 だがどんな規制にも落とし穴がある。「資金繰り」が大丈夫はどれだけファンディングトレードを増やしても大丈夫という「モラルハザード」に繋がり、今なら1,000兆円単位の「円キャリートレード」に化けてしまった

 **銀行には依然厳しい資本規制が布かれているため銀行本体のバランスシートをかつてのように膨張させることは出来なくなった。その代わりヘッジファンドが "別班" として動くようになりバランスシートが膨張銀行はバランスシートを50分の1に圧縮出来る為替直先(FX Foward)やレポの「担保付取引」でバックファナンスに回る。結果銀行は守られるが市場全体のレバレッジ(借入による回転売買)は逆に膨張する結果になっている。「爆弾」の居所が変わっただけ

 **民間への「貸出」はリスクが高いほどバランスシートを喰う≓資本コストがかかるため編み出されたのが「プライベートクレジット」。これもいわば「貸出」の "別班" であり信用リスクを個人に移転させる行為。既に一部に解約規制が入るなどリスクが表面化しつつある

 もっと大枠でいうと、コロナ危機を契機に「銀行」に代わって「国」が「借金」を増やす事によって "別班" の「資金繰り」を支援確かに通貨や国債を発行できる「国」がバックファナンスすれば「資金繰り」は万全のように映る。だがマーケットというのは実によく出来ている。その結果もたらされたのが「インフレ」≓通貨価値の毀損であり対価として「金利」が上昇

 さすがの「国」も 「資金繰り」が苦しそう - もうこれ以上「借金」出来ない|損切丸 日米とも年間国防費を上回る「利払い」が重くのしかかり「資金繰り」も万全とはいかなくなってきた

 市場のレバレッジはリーマンショック時より拡大しており、ここでもうこれ以上「借金」出来ない「国」によるバックファナンスが止まれば当然 "別班"の「資金繰り」に影響する財政ファイナンスに苦しむ金(Gold)保有国が売りに出ているのも、お隣の大国で不動産が売れずデフレに苦しむ市民が保有株を売っているのも全て「資金繰り」対策

 一昨年から「ドル不足」が言われて久しいアメリカではFFレート付利金利を+10BP以上上回る状態が続いているが、唯一まだ余裕がありそうなのがTONAR(Tokyo O/N Average Rate、無担保コールO/N金利)が@0.98%と付利金利@1%を下回っている「円」。だからマーケットが「円キャリートレード」に殺到しているのだがこれも永遠ではあるまい

 筆者は次の危機は「円危機」になると踏んでいる。アメリカを追ってTONARが付利金利を上回る事態になれば危険信号「円安」が進めば「円不足」になってその時期は早まるだろう。だからこそ利上げ前倒しでレバレッジ拡大を阻止したいのだが「お金」をばら撒きたい政治家は反対する。だが国債利払いが増加する金利上昇がその行く手を阻む。ここからはまさに 「株」と「金利」の "チキンラン"|損切丸 現在のAI半導体関連株の乱高下を見ていると大分危なっかしくなってきているように感じる


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