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忍び寄る「スタグフレーション」の影と「酷い相場」Ⅲ - やっぱり止めを刺すのは日銀なのか

 忍び寄る「スタグフレーション」の影と「酷い相場」Ⅱ - アメリカの「日本化」が始まった?|損切丸 の続編

 3月米CPI +3.3% 予想 +3.4% 前月 +2.4%
 コア +2.6% 予想 +2.7% 前月 +2.5%
 4月ミシガン大消費者マインド指数(速報)47.6 予想 51.5 前月 53.3
 ・1年先インフレ期待 +4.8% 予想 +4.2% 前月 +3.8%
 ・5~10年先インフレ期待 +3.4% 予想 +3.4% 前月 +3.2%

 前稿.一体何をやってんだか...Ⅳ - "TACO" 「ドル」と共に去りぬ|損切丸 で "きっかけになりそうなのが「インフレ」ないし「スタグフレーション」、そして日銀による政策金利の「中立金利」化" と書いたが、早速彷彿とさせる米経済指標が相次いだ。CPIの反転上昇はある程度覚悟していたが、ショッキングだったのがミシガン大指数 ↑ 。消費マインドの落ち込みが想像を超えて激しく「スタグフレーション」(インフレと景気後退の同時進行)という表現がピッタリ。やはりガソリン価格高騰のインパクトはもの凄く、インフレ期待も跳ね上がっている

 元々萎んでいたFRBによる利下げ期待もこれでほぼ消滅。マーケットの焦点はむしろ「いつ利上げに転じるか」に移行している

 この流れを受けてAIプログラム主導のマーケットにも変化の兆しが見える

 「WTI買い → ドル高 → 米株・米国債売り」
 「WTI売り → ドル安 → 米株・米国債買い」

 まず "TACO" 等々こういうプログラムトレード ↑ の "生け贄" になってきたアジアや欧州のトレーダーが「防御行動」に移ってきた事もある。だが「スタグフレーション」が現実のものとなれば当然「キャッシュフロー」(資金移動)の流れは変わる

 例えば 「米国債売り」(金利上昇)→「ドル買い」の "パブロフの犬" からいつ脱却できるのか? -「金利」と「FX」の関係はそんな単純なものではない|損切丸 はそもそもおかしいわけで、米国債売りは本来「ドル安」に繋がる。実際直近3月の米国債入札では海外投資家の買いは激減しており「防御行動」が垣間見える ↓

 2026年3月の米国債入札 内.海外投資家購入額
 2年債 760億ドル 内.海外投資家 60.24億ドル 前月 130.9億ドル
 5年債 770億ドル 内.海外投資家 91.67億ドル 前月 126.48億ドル  
 7年債 490億ドル 内.海外投資家 69.76億ドル 前月 105.47億ドル 
 インフレ連動国⁠債(TIPS) 210億ドル 内.海外投資家 17.47億ドル 前回比 ▼44%減少

 アメリカに「お金」が入ってこなくなれば当然株式市場も影響を受ける。今継続して安定的に米株を買っているのは世界中でも「新NISA」ぐらい。だから「円安」が続いてしまう。2026年には80兆円にも達しようという「新NISA」だが、こうなると "どこで弾が尽きるか" が焦点

 実は「スタグフレーション」の影は日本にも忍び寄っている

 3月景気ウォッチャー調査
 現状判断指数 42.2 前月 48.9
 先行き判断指数(2~3ヶ月先) 38.7 前月 50.0

 3月の景気ウォッチャー調査 ↑ はまさにミシガン指数の日本版。アメリカほど車社会ではないが、原油価格の上昇は化学製品など広範な「値上げ」に繋がる。可処分所得が減る中、これでは気前よく「お金」は使えない、つまり消費が落ち込む。それでも物価上昇が進めば「スタグフレーション」

 そうでなくとも「相互関税」の価格転嫁が世界的に進む中、本来「戦争」、それも中東で起こすなんて狂気の沙汰。それでも選挙や面子にしか興味の無いポピュリズムは突き進む。そういう「都合」優先のマーケットはいくらテクノロジーが進歩しようと "無理は通っても無理"何せ使える「お金」が「スタグフレーション」で激減していくのだから。どんな資産市場も高値維持は難しくなる

 だからこそ「金利」が大事になる

 「コロナ危機」以降数年に渡った「金余り相場」の再現で何でもかんでもキャピタルゲイン(価格上昇利益)を狙う戦略はもう無理。そうなると「お金」の置き所は国債をはじめとする「金利」になる。JGBも含め国債の実質金利は既にマイナス金利ではなく、物価に見合う水準に達している。あとは今後どれだけ「インフレ」ないし「スタグフレーション」が悪化するか

 「利上げ」が遅れに遅れている日銀は当然だが、ECBもFRBも「利上げ」に備え始めている。中東の「戦争」が長引けばインフレ期待は上昇し「金利」はもっと上がる可能性もある。今はその真っ只中。もっとも「スタグフレーション」が現実化した場合、株や不動産等のリスク資産は現金化のための「処分売り」が増大する。市場流動性も考慮すれば「金利」、特に国債の方がマシ。あとは「金利」がどこまで上がるか

 今や 「円高」→「日経平均安」の "パブロフの犬" からいつ脱却できるのか?|損切丸 なんて機能しないし、 "TACO" も早晩効かなくなる。AIのサイクルは速い。 AIが動かなくなる日Ⅲ - "アメリカ市場休場" の平穏|損切丸 もそう遠い未来ではないかもしれない。やっぱり止めを刺すのは日銀なのか。漠然とそんな気はしている

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