No.1985 健やかな妄想癖?
「ハンカチ」(手巾)は、いつ頃生まれたのでしょう?ちょっと調べたら、
私たちがいつごろからハンカチを使うようになったかは、定かではありませんが、紀元前 3000 年頃、エジプトのダシュール王女の墓から麻の端切れが発見され、それが手をふいたり、汗をふいたりするための布がハンカチーフの始まりであったと考えられています。
紀元前 1000頃の中国の周時代の彫像には、まわりをフリンジで縁取られた布切れを提げている姿が見られます。
紀元前 700年頃、ペルシャでは、最高級の絹に刺繍飾りをほどこしたハンカチーフは高貴さの象徴として使われ、王族だけがもつことを許されていたようです。
また、史料によるとローマのアウレリウス皇帝が 166 年、ローマ市民に麻の小さいハンカチーフを皇帝の行為の印として分け与えたという記述もあります。ローマでは競技場などの観客が小さな旗のように “オラリアム” と呼ばれたハンカチーフをいっせいにふるという光景が見られたようです。
とあり、紀元前3000年には、その形跡が見えるといいますから驚きです。後にヨーロッパの貴族社会に採り入れられ、貴婦人たちの必須アイテムの一つとして活用されるようになったのでしょう。
日本では、明治以降に、洋装にならってハンカチが普及するようになったのではなかろうかと想像します。もっとも、何年か前に『COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜』(NKH)という番組で、外国人に聞いたら、
「ハンカチは、持ち歩かない!」
という外国の人々が圧倒的に多くて驚かされた記憶があります。
理由の幾つかを覚えていますが、
「洗った手を拭いた濡れたハンカチをポケットやバッグにしまうのは、かえって不衛生」
「ティッシュがあれば十分」
「爺ちゃん婆ちゃんの持ち物だから」
みたいな理由でした。ハンカチの不携帯は、当たり前の事のようでした。
じゃあ、手を洗ったり、涙が流れたりしたらどうするのかというと、
「太陽光で乾かす」
「パッパッと手を振る」
「服でぬぐう」
「涙は手でぬぐう」
と言った感じで、まったく悪びれずに述べていました。やはり、日本人の清潔感は否めません。確かに、濡れたままのハンカチをしまっていることは、その通りですが…、無ければ不便至極です。
ちなみに、世界中で愛用されているオックスフォード英語辞典の「ハンカチ」の項には、
『ハンカチは鼻を拭くための小さな四角い布』
とあるそうです。確かに、「Mr.ビーン」は、ハンカチでよく鼻をかんでいましたね、すごい音を立てて…。私の使っている大修館書店の『Gnius英和辞典 第5版』にも、
『英米では鼻をかむために使うことが多い』
とありました。そもそもの使用目的が、我々とは違っているようです。
そんな崇高な(?)「ハンカチ」に関する思い出話です。どうか、読んでやってください。
その昔、うら若きレディーたちは、愛しい男が傍らを通りすぎる時に、彼女のハンカチをさりげなく落とし、彼に拾わせて、恋話の糸口をつかんだといいます。なかなか心ニクイやり方です。
在職の頃、某女性先生が通り過ぎて行ったその廊下に、白いハンカチが落ちていました。
「あらま!」
とはいえ、夏休み中のことで、生徒の姿もまばらです。
その時に思い出したのは、くだんの恋のきっかけのお話です。本当は気づいてほしい若い男先生がいたから落としたのに、その彼には気づかれず、何の因果か、前髪が後退し始めた五十男に拾われてしまった哀れなハンカチ、いや、哀れな女性先生です。
「O先生、これ、落とした?」
と、さも意味ありげに白いハンカチを示して尋ねたら、
「あら、気がつかなかった!」
ですとぉ?気づいてなかったんかい!!!
私の妄想癖は、今もなお、歳を取るごとに成長の度合いを増しています。
※画像は、クリエイター・zbame358さんの
「型染の綿ハンカチです。緑色のハトがオリーブの葉をくわえているデザインです。日常のひとコマを感じる商品写真になるように撮ったものです。」
の1葉をかたじけなくしました。お礼を申し上げます。
