現象と私
自分が行ったら、
そのお店が急に混んだ!
そんな経験が、
誰しも少なからずあるはずだ
なんとなくのスピリチュアル的な
ものじゃないけれど、
なーんか、私が行くとその後
急に混むんだよねえ
と、嬉しそうに言うアレである。
私がいい!思った人が、曲が、
漫画が、服が、、これらもその類である。
混む、というのがポジティブな場合
にだけ発動してはならない。
例えば、病院に行った際に
その後どんどんと混んできて、
なんだか分からないが順番が前後
したりして、受付もゴタゴタしてきて
会計に呼ばれるのが長く待つことに
なったとき、
私が行くと急に混むんだよなあ☆
とは、あまり思わず、
ああ、最悪まだかな...としか思わない
それでは説が立証されない。
こういった病院ではまた別だが、
普通のお店であれば先客効果といって、
先に誰かいる絶対的安心感と、
行列が人を呼ぶ、みたいなもので、
選ばれた人物でもなんでもない
ただの現象である。
しかしそう知ってしまうと、
途端につまらなくなる。
カラーがモノクロになるような、
なにか塗り潰されたような気持ちになる。
なにかしらの神秘的な、
小さくて、ささやかな、
“そんな気がする”を解明し過ぎたら、
世の中からは、素敵な曲や小説などが
一部は消えてしまうような気がする
多少の楽観的勘違いも必要なのだ。
それくらいの余裕と発想力をもって
生きていかなればいけない。
そう思いながら、私は
呼ばない受付を睨みつけながら
会計を待ち続けていた。
