【打ち合わせに全部出ることをやめた】設計士の『本当の仕事は何か』という話。
こんにちは。おにまめ(@osukeb)です。
ある時カレンダーを見返したら、1週間の中で打ち合わせが10件並んでいました。
僕たち設計の打合せは、打合せ界の中でも長い方だと思っていて、3時間くらいがデフォルトで、長い時は5時間とかいきます。
僕の最高記録は7時間です。
慌ただしい1週間だったな〜とは思っていたんですが、改めて並べてみると「図面を描く時間、どこにあったんだろう?」という感じで。
設計士の仕事は「設計」のはずなのに、1週間のほとんどが打ち合わせで埋まっている。
まあ長い間、それが僕にとっての「普通」でした。
今回は僕が、打合せを任せるようになった背景と、任せることで得られるメリットを解説していきます。
それでは早速いってみましょう~!!
打ち合わせに追われて、本業を忘れていた
設計士になってから、IC打ち合わせも、外構打ち合わせも、現場打ち合わせも——声がかかればとにかく顔を出していました。
たぶん「全部把握しておかないと不安」という気持ちが根っこにあって、どんな打ち合わせでも「念のため」と思いながら参加していたんですよね。
設計士だから、どんな話にも設計的な視点で絡んでくることはある。
インテリアのことも、外構のことも、広い意味では「設計に影響する」と言えます。
だからこそ「自分も出ておくべき」という判断が毎回のように生まれていました。
でも、カレンダーを見て、ちょっと思い直しました。
打ち合わせだけで、1週間で10件。
打ち合わせをこなしている間は「仕事をしている感覚」があります。
でも打合せが終わって夕方に自分の席に着いた時は、図面はまったく進んでいない。
設計事項の検討も中途半端なまま。
現場からの大量の問い合わせ。
もし僕が2倍界王拳を使えたとしても、多分定時には帰れません。笑
誤解を恐れず言うなら、建設業の長時間労働はなが〜〜い打合せが原因です。
組織で設計をするとは、プロ同士が自分の得意とする領域で仕事をすること
全ての打合せに参加することは、その逆の行為です。
肝心の仕事が、置き去りになっている。
誰も「出るな」とは言わない。むしろ全部の打ち合わせに顔を出す人の方が「責任感がある」として周囲から感謝される雰囲気が、職場の中にはあります。
そのジレンマに、長い間気づかないまま過ごしていました。
「全部把握しなければ」という思い込みの構造
設計士が全打ち合わせに出たがる心理は、そんなに複雑じゃないと思っています。
「情報の漏れ」が怖い——それがシンプルな理由です。
自分が出ていない打ち合わせで何かが決まったけど、その情報が自分に届いていなかった。「それは設計士としてのミスだ」という恐怖感が、根っこにある。
しかも、お施主さんも設計士が打合せに居た方が安心感があります。
職場の中でも「打ち合わせにたくさん出る人=責任感が強い」という空気が生まれます。
でも、どんな打ち合わせにも「設計に関係している部分」は必ずあります。
ただ、「設計に打合せに参加している」ことと「設計士が判断しなければいけない」ことは、全然別の話です。
ICさんが判断できることは、ICさんに任せていい。
現場打合せも、専門のスタッフが仕切れる。
そして、その中で設計の判断が必要なことがあれば、きちんと情報共有をした上で【後から判断すればよい】んです。。
それがわかっていても「念のため出ておこう」となってしまうのは、任せることへの不安があるからです。
僕の考え方が変わった出来事についてお話ししましょう。
結婚式のウエディングプランナーが教えてくれたこと
ちょっと話が変わります。
数年前自分が結婚した時、担当してくれた結婚式のプランナーさんと話をしていたとき、住宅設計の仕事と似ているな〜と思っていました。
料理・音楽・装花・司会との打ち合わせなどなど、多岐にわたりましが、プランナーさんは全部の打ち合わせには出ていたワケではありません。
料理の打ち合わせは料理専門のスタッフが担当してくれていたし、音楽は音楽のスタッフが、装花は装花のスタッフが仕切ってくれていました。
最初は「あれ、プランナーさんいないな」と思いましたが、打ち合わせはスムーズに進みましたし、何一つ困ることはなかったです。
そして式当日——式は最高でした。
プランナーさんへの信頼が下がることなんて、1ミリもなかったです。
プランナーのやっていることは「トータルマネジメント」です。式全体のクオリティを保証しながら、各専門家を信頼して任せる。そして自分は全体の流れを握っている。
設計士の仕事と、これはすごく似ていると思っています。
建物全体のクオリティに責任を持ちながら、各専門分野の打ち合わせはそれぞれの専門スタッフに任せる。
設計士の仕事は、全部の打ち合わせに出ることじゃない。
設計の核心に集中して、担当物件の全体を見渡すことです。
「出ない」という選択が、設計士本来の仕事を守る
自分のライフログに書き留めた言葉があります。
「全部出ていたら、はっきり言って営業・コーディネーター要らない。」
IC(インテリアコーディネーター)さんが専門家として担当している打ち合わせに、設計士がいつも入り続けることは、信用していない証拠です。
で、設計士がどこの打ち合わせにも顔を出す状態を続けると、「設計士が来ないと話が進まない」という構造を自分で作ってしまいます。
担当スタッフが判断できるようにならない。
チームとして機能しない。
そして設計士はますます打ち合わせに引っ張られていく。という悪循環です。
本来、設計士が一番守らなければいけないのは「担当物件の図面精度」のはずです。
打ち合わせも大切です。
でも、図面の精度が下がれば、それはお施主さんにとっても困ることです。現場で「これが図面と違う」「仕様の確認が取れていなかった」という話が増えていく原因になる。
僕は、打ち合わせに全部出て忙しそうに見える設計士より、担当物件の設計精度が高い設計士の方が、長期的にはお施主さんの信頼を得られると思っています。
出る打ち合わせを絞ることで、得られるものがあります。
重要な打ち合わせに、100%の集中力で臨める
担当物件の図面精度と設計品質が上がる
スタッフへの信頼が生まれ、チームとして育っていく
誠実さは出席数では測られない。
設計の質で、測られます。
まとめ: これからの自分のスタンス
「打ち合わせにはずっと出ないことをスタンダードにしたい」——これが今の自分の結論です。
出ないことは逃げじゃない。
「自分の時間とエネルギーをどこに使うか」を決める行為そのもの。それは設計です。
任せられるスタッフを育てながら、自分は設計の核心に集中する。
委任できる環境を整えながら、自分が本当に必要な場所でだけ力を尽くす。
誠実な設計士とは、全部の打ち合わせに出る人ではなく、担当物件の設計責任を最後まで果たせる人だと、今は思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今後も、設計士の成長に繋がるリアルな学びを発信していきます。
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それではまた次回!!
