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マムシ欲しいか?
マムシ欲しいか?
作者 大野好克
「マムシ欲しいか?」
「いらねえよ、ばあちゃん。」
「マムシ欲しいか?」
「だから、いらねえよ。」
ばあちゃんは、
田んぼに行くと、
毎度、
マムシを捕まえてくる。
そして、
頭をチョキン。
マムシの皮を剥ぎ、
火であぶる。
「ほれ。」
「いらねえよ。」
「精がつくぞ。」
「いらねえよ。」
「うまいぞ。」
「うそつけ。」
子供の私は、
マムシなんか、
食べたくなかった。
なのに、
じいちゃんを早くに亡くした、
ばあちゃんは、
田んぼに行くたび、
マムシを捕まえてくる。
「マムシ欲しいか?」
「いらねえよ、ばあちゃん。」
「精がつくぞ。」
「いらねえって。」
そんなやりとりを、
何度しただろう。
マムシを食べて、
精をつけていたばあちゃん。
そんなばあちゃんも、、、、、。
今はもう、
誰も、
私に聞いてこない。
「マムシ欲しいか?」
「いらねえよ、ばあちゃん。」
終わり
